モバイルフォンがつくるEコマースの未来。利用デバイスの68%がモバイルになると予想

ECのミカタ編集部

米国セールスフォース・ドットコム(日本法人:株式会社セールスフォース・ドットコム、本社:東京都千代田区/代表:小出 伸一)は、2018年のホリデーシーズンに関する新しい消費者のインサイトと予測を発表。
ホリデーシーズン中の買い物において、 初めてモバイルフォンが最も利用されるデバイスになることを予測した。

 セールスフォース・ドットコムは、全世界53カ国にわたる5億人の買い物客の行動とSalesforce Commerce Cloudによる数十億件のトランザクションに関するインサイトを、セールスフォース・ドットコムの「Shopper-First Retailing(ショッパーファーストリテイリング)」年次レポートのデータと組み合わせている。それによって、Eコマースにおけるマーケティングを可能とした。

 2018年のホリデーシーズンではモバイルフォン利用が主役となり、他のデバイスを利用しての注文やEコマースサイト訪問を上回る見込みだ。

AIが全収益の35%に貢献

 AIによる製品レコメンド機能からの収益は、2017年のホリデーシーズンと比べて25%増。2018年のホリデーシーズンの収益は前年比13%増となり、AI(人工知能)による製品レコメンド機能が全収益の35%に貢献すると予想されている。

 セールスフォース・ドットコムの消費者インサイト責任者であるリック・ケニー氏は、「ショッピング体験にAIを活用する小売企業は、顧客のニーズをより深く理解し、パーソナライズされた製品レコメンド機能によって収益を拡大することができます」と述べている。AIのレコメンド機能が、企業と消費者との距離を縮めることになりそうだ。

サイバーウィークはシーズン全体のEコマース売上の40%

サイバーウィークはシーズン全体のEコマース売上の40%

 セールスフォース・ドットコムが注目するサイバーウィーク、米国の感謝祭前の火曜日からサイバーマンデーまでの7日間は、世界的に見てホリデーシーズンのデジタル収益全体の40%を占める見込みだ。

 ホリデーシーズンのモバイルフォンからの注文割合は46%。コンピューターの44%、タブレットの9%を大きく上回った。従来はコンピューターから注文する割合が高く、モバイルフォンが上回ったのは実は史上初。

 実店舗の買い物客もモバイルフォンを利用しており、18~44歳の買い物客の83%が、実店舗滞在中にモバイルフォンを使っているという現状もある。

InstagramからEコマースへ流入

 モバイルフォンからの注文増加を踏まえると、Eコマースサイトへの流入に関して最も急成長を遂げるソーシャルチャネルとしては、Instagramが浮上すると見込まれている。

 Instagramのトラフィックは前年比51%増、Facebookは7%減となる。ソーシャルトラフィックの割合は、ホリデーシーズン中は5%を上回り、前年のソーシャルトラフィックの割合と比べると17%増。

 特にヘルスケアおよび美容製品の買い物客は、Instagramを経由してEコマースサイトに移動する可能性が最も高くなると予想されている。

消費者ニーズを制す者がEコマースを制す。

 この数年で急速なモバイル化が進み、モバイル対応を進めてきた企業は少なくないだろう。その一方で、まだ実施をできていないECサイトがあるのも現実だ。米国でのデータを踏まえた予測であるとはいえ、日本国内でもスマホでのEC利用は増えている。

 また、写真がぱっと目に飛び込んでくるInstagramは、若い世代を中心に広がってきており、いまだ衰えることを知らない。視覚的な要素を持つInstagramと、消費者ニーズにマッチしたアプローチを可能とするAIのレコメンド機能が合わされば、モバイルフォンによるEコマース拡大を後押しするのは間違いない。


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