アリババだけではない。JD.com「独身の日」無人倉庫で70万もの商品をミスなく配送
中国市場を牽引するECサイト「京東商城(ジンドンしょうしょう)(JD.com)」を運営する中国・小売業No.1の大手EC&小売インフラカンパニー京東集団(ジンドンしゅうだん)(代表:劉強東 本社:中華人民共和国 北京市 NASDAQ:JD)は、2018年11月1日~11月11日で開催した「独身の日」セールにて累計注文額が1.598元(約2.62兆円)を達成し、うち越境ECの取引額が昨年から120%増加したことを公表した。
また、京東物流の無人倉庫では70万個以上の荷物を捌き、EC業界で最高記録の荷物量を更新した。
京東「独身の」でも示された日本製品への高い人気
京東によれば、今年の「独身の日」セールでは、越境ECの取引額が昨年から120%増加した。また日本の製品の人気も高い結果となったという。たとえばカルビーは「独身の日」セール開始後30秒で昨年のセール売上げ記録を更新した。
中国ユーザーから人気の高い美容商品では、人気美容ブランドとしてSK-2がランクインしている。また、ユニ・チャームがトイレタリー部門の売上げランキングにおいて1位を獲得した。資生堂はボディケア部門で売上げランキングが第1位になるだけでなく、ヘアケア部門では第2位にランクインし、さらに京東に出店している旗艦店の売上げランキングでもベスト5を記録した。
記録ずくめのセールハイライト
◆日本メーカー
・パナソニックのトイレは昨年比1.7倍の売上げ
・コンタクトレンズの「1dayアキュビューディファイン」は昨年比の4.3倍の売上げ
・ドクターシーラボが「独身の日」セール開始後11分で昨年の売上げを超え、化粧水部門の売上げで1位にランクイン
◆家電
・冷蔵庫・洗濯機は合わせて3分で30憶元(約491.2億円)の売上げを記録
・テレビとエアコンはそれぞれ10億元(約163.7億円)の売上げを記録
・コーヒーメーカーは昨年より2倍の売上げ
・スクリーン付スマート冷蔵庫・ロボット掃除機・マッサージチェアは昨年の4倍の売上げ
・フルHDプロジェクターは昨年の3倍、4Kモニターは昨年の2倍の売上げ
◆生鮮食品
・カナダ産ロブスターは12トン
・豚・牛・羊肉は2800トン
・ヨーグルトは200万カップの売上げを記録
・京東の運営する生鮮食品店「7Fresh」では、オーストラリア産アンガス牛は先月比の12倍、オレンジは先月比12倍の売り上げを記録
◆その他
・国際線航空券は昨年のから158%の売上増加
最速・最高のサービスで最高品質を顧客へ
京東によれば、「独身の日」セールでは、同社が持つアジア最大の物流倉庫「アジアNo.1」での配送物の処理量が70万件にのぼり、荷物量としてEC業界全体の最高記録を更新している。
京東の強みである自社物流「京東物流」は中国全土に広がる物流ネットワークを誇り、現在も拡大中だ。また自動化設備の活用により「独身の日」でも例外なく90%の注文を同日もしくは翌日に配達することができた。配達最速時間として4分を記録している。
また、京東物流の成長により、コールドチェーンサービスの取引額は110%増加し、生鮮食品の売上げは昨年から2倍の合計29,500トンを記録した。
今回の公表に際し、京東物流CEOである王振輝氏は次のようなコメントを出している。
「今年の『独身の日』は、世界トップレベルの京東物流のインフラ技術によってEC業界および社会において過去最高の記録を達成し、新たな価値をつくる節目の年になりました。今後も京東物流のインフラ技術を磨き、最速のスピードで最高のサービスと最高品質の商品がすべての顧客に届けられるよう、全力を尽くしてまいります」
名実ともに中国ECそして世界のECをリードする京東。今年の同社「独身の日」セールも記録ずくめとなった。日本製品への高い人気もさることながら、独自の物流網を整備し、さらにそのプラットフォームを強化する京東の存在感と今後一層の成長性を示す公表内容となったようだ。