並々ならぬヤフーとLINEの野望/PayPayやLINE Payに見る「キャシュレス」とECの進化

石郷“145”マナブ(編集長)

 昨今、「ペイ」「ペイ」盛んに言われているが、本当にここ最近のことである。あらゆるものがボーダーレスとなり、当たり前の光景も当たり前でなくなっていて、その一つは決済なのだ。例えば、実店舗において、スマートフォンさえ持っていれば、そこに専用の決済アプリを入れることで、来店したお客様と決済のやり取りができる、という手軽さがある。

 実際、日常生活の中でも、いかに決済の多様化が進んでいるかがご理解いただけると思うが、そうした決済サービスには、実はECが関わる場合が多い。

PayPayってどんなもの?

 まず、前提として、スマホ決済はQRコードを見せて、店がピッと読み取るとそれで決済完了。事業者側が必要なものは、アプリや端末を用意する。基本的には手数料を払うところもあるが、最近はシェア拡大の為、期間限定でその手数料も払わなくていいことも多い。そして、消費者側では決済アプリを入れ、決済アプリの中のアカウントを作成し、個人情報を記入する過程で、クレジットカード番号を入れる、これだけだ。あとは、ピッが可能だ。

 今気になっているのがPayPayだ。スマホであれば誰でもPayPayアプリをダウンロードでき、言うまでも無く、加盟店でこのアプリを使ってQRコードを読み取ると、決済ができると言うわけだ。

 ちなみにPayPay株式会社は、ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社の合弁会社。ヤフーの決済に関しての意気込みがうかがえる。PayPayの加盟店は紙のポップのようなもので、QRを表示したりして、ユーザーはそれをPayPayで読み取ると、決済ができる。彼らの本気度は、仕掛けにも垣間見れる。PayPay残高に5,000円以上をチャージした全ての人に、なんと1,000円相当のPayPayボーナスを上乗せするほどのものである。

ネットとECはペイメントで紐付く

 しかもソフトバンクとワイモバイルのスマホユーザーで、キャンペーン期間中、PayPay残高のチャージ方法として銀行口座を新規に登録した場合、あるいはPayPayの決済手段として、クレジットカード、Yahoo!マネーのいずれかの決済手段を新規に登録した場合には、500円相当のPayPayボーナスを与えるというのだから、場合によっては、合わせて1,500円もお得になる大盤振る舞いだ。

 かつ、PayPayでの支払額の一部または全額を還元する「100億円あげちゃうキャンペーン」を来週の月曜から2019年3月31日まで実施する。PayPayでの支払いで通常特典としてプレゼントしている0.5%のPayPayボーナスに19.5%のPayPayボーナスを上乗せし、支払額の合計20%を還元する他、40回に1回の確率で支払額の全額をPayPayボーナスで還元する。来週月曜から3月末までとしているが、「100億あげちゃう」だから、期間中であっても還元金額が100億円に達した場合はそこで終了となる。

 これがECと関わらない訳が無い。早速本日、「PayPay」は、2019年2月にオンライン決済に対応し、これに伴い、ヤフーの運営する「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」で2019年2月から、またアスクルの運営する「LOHACO」で2019年4月から「PayPay」を決済手段の一つとして導入するということなのだ。

 これが何を意味するかというと、ネットと普段の生活において財布がスマホの中で一つになるということなのだ。当然、普段「PayPay」で決済をする人がそのままECでも「PayPay」を使う可能性が広がる。このスマホQRコード決済で使われるアカウントは当然、ECのアカウントと紐づいてくるので、ECで使う“お財布”がリアル、ネットと関係なく使われる時代になってくると思うのだ。

対するLINEは?

 LINEもQRコード決済「LINE Pay」に積極的な取り組みを見せている。ユーザー側が馴染みのあるLINEをひらけば決済ができるというメリットは大きい。これまでも割り勘機能などで、「LINE Pay」はあったが、一歩踏み込んで「キャッシュレス」というメッセージが強くなってきたのは最近である。

 LINEはどう存在感を表すというのか。

まずLINEは店舗用「LINE Pay」アプリを作成し、店舗の負担を軽減した。本来であれば、この手の決済サービスの導入にはコストが伴うが、店舗用「LINE Pay」アプリを使えば、お客様が「LINE Pay」上で提示したQRコードを読み取るだけで決済が完了できるようになり、店舗におけるその敷居は低くなる。


 店舗用「LINE Pay」アプリはレジ機能が備わっているだけでなく、LINE上の店舗のアカウントと連携して、買ってくれた人でお友達になっている場合はメッセージを送ることで、追客できるのだ。ただ、あともう一つ背中を後押しする要因が欲しいとして、LINEは本来、これらの電子決済をした際に必要とされる手数料を無料(2018年8月1日~2021年7月31日の3年間)にするとしている。

 しかも、LINEはもう少し踏み込んでいて、金融のジャンルにも入り、みずほフィナンシャルグループとも共同出資でLINE BANKを作り、みずほでの金融ノウハウをLINEに活かすことで、スマートフォン世代を中心とするお客様ニーズにより適した金融サービスを提供するとしている。LINE Payでの決済内容に直接的に関係はないが、より現金で支払っていたものがスマホで完結するようになることで、少なからずLINE Payでやり取りすることもあり、ここでの関連性は十分にありそうだ。
 
 当然、LINEもECに仕掛けてくるだろう。今は銀行との密な関係を持ちつつも、以前発表会で発表していたのが「LINE for ID Payment」の話だ。これはECの中で、LINEのアカウントがあれば、購入できるというもので、いずれLINEの中で財布は一つになる。

 ここでは、PayPayと LINEの話を例に挙げて説明したが、キャッシュレスの進化には、ECとの関係が切っても切れないのである。

記者プロフィール

石郷“145”マナブ(編集長)

ECのミカタ 編集長。キャラクター業界の業界紙の元記者でSweetモデル矢野未希子さんのジュエリーを企画したり、少々変わった経歴。企画や営業を経験した後、ECのミカタで自分の原点である記者へ。トマトが苦手。カラオケオーディションで一次通過した事は数少ない小さな自慢。

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