【佐川×DMM×日立物流】3社の連携で3Dプリントサービスを加速
SGホールディングスグループの佐川急便株式会社は、株式会社日立物流(以下「日立物流」)と協同で、合同会社DMM.com(以下「DMM」)が展開する3Dプリントサービス「DMM.make3Dプリントサービス」のサービス品質向上を目的に物流提案を実施、サービス運用を開始したことを公表した。
法人など幅広いニーズに対応可能な3Dプリントサービス
「DMM.make3Dプリントサービス」は、モノづくりのためのプラットフォームを運営。産業用の3Dプリンターを複数導入し、一般ユーザーでも求めやすい価格で1点からでも注文が可能。法人等からの需要が多い、プロトタイプや保守パーツの造形に適したプリンターを導入している。
複数の素材を用いることにより、ゴムのような柔らかい素材、硬い素材、耐熱性の高い素材を出力することができ、さまざまなニーズに対応が可能としている。
的確なソリューションを提案
佐川急便ではグループ横断の先進的ロジスティクス・プロジェクトチーム「GOAL®」を組成し、デリバリー、ロジスティクス、国際、IT、ファイナンスなどさまざまなリソースを活用して、顧客のニーズに的確なソリューションを提案している。今回、提示したソリューションもDMM.makeの物流課題に対して日立物流との協業サービスを提案することで物流の最適化を実現している。
物流の力でDMM.makeの価格と品質の維持を実現
DMMが提供する「DMM.make3Dプリントサービス」では主要な生産拠点を石川県加賀市に設置している。プリンター本体はもちろんのこと、付帯設備、資材等の管理に広大な土地が必要なため地方に生産拠点を置く必要があった。
しかし地理的要因などにより首都圏へのサービス提供にリードタイムを要してもいた。そこで新たに日立物流の流通センター内(京浜物流センター:東京都大田区平和島)に生産拠点を置くことでコストを抑え、配送については佐川急便の流通網を用いることでより迅速な輸送を行うことができるようになり、DMM.makeの強みである価格と品質の維持を実現したのだ。
【各社の主な役割】
佐川急便:生産拠点からの配送サービスの提供
日立物流:造形物の出荷工程業務(仕分け・洗浄・仕上げ・梱包等)
先進の技術に物流の翼
佐川急便では、今後もさまざまな企業との協業により顧客の物流課題の解決に最適なソリューション提案を実施することで満足度の向上に積極的に取り組んでいくとしている。
3Dプリントに関連する技術は、目覚まし勢いでその進化をとけでいる。同分野は、「DMM.make3Dプリントサービス」に代表されるように、すでに現実のビジネスにおいて、重要な役割を担うようになってきており、今後もその流れは加速するだろう。
一方で、生産拠点の確保など物理的な制約があることも事実だった。そこで今回佐川と日立物流という業界をリードする企業が新たなスキームを築くことにより、先進の技術に大きな翼が与えられたことになる。
EC市場の発展という観点からも、今後こうしたスキームが幅広く展開されることは大いに歓迎すべきことだ。そして現場で求められるプロダクトをいかに生み出して迅速に市場に供給するかという意味でも大きな飛躍へとつながることになるだろう。