東急こう来たか!SALUS ONLINE MARKETで電車以外で沿線の活性化を実現
ECが多様化して、いろんな“ECの活用の仕方”が生まれているという印象を受けた。
東京急行電鉄(以下、東急電鉄)は先ほど、新たなEC サイト「SALUS ONLINE MARKET」をオープンさせ、ネット通販を使って、東急沿線のお店の活性化を目指すと発表した。「SALUS ONLINE MARKET」は、沿線情報誌「SALUS 」ブランドを掲げた通販サイトで、沿線情報誌「SALUS 」は、月間23万部発行しており、過去に約2500店の魅力歴な店舗を紹介。東急電鉄が街づくりによって住民と共に得てきた“財産”をネット通販で最大化していこうというわけだ。
東急ベルで培ったノウハウが新ECサイトに生きる
また、もともと東急線沿線では、ホームコンビニエンスサービス「東急ベル」が近隣の「東急ストア」にある生鮮食品などを、新鮮な状態のまま、独自の配送ネットワークを使い、当日お届けサービスを実現するなど、通販との縁は深い。
今回の「SALUS ONLINE MARKET」では、東急ベルがこうした通販は勿論、店舗に足を運ぶ仕掛けを含め、雑誌、ケーブルテレビなどを全面的にサポートしていくもので、通販はある意味、メディアとなって、沿線内で相互に魅力に気づきあい、お客同士、お客と店で、高め合おうというものである。
だから、例えば沿線の住民も発信者だとしていて、自分の街で良い店を発見したら、東急と共に光をあてる場をECで作り、それにより自らもまた主役になれる。皆で作り上げる姿勢はそのままに、ネットの利点を生かし、街づくりに繋げる今どきのボーダレスの在り方なのではないかと思う。
東急の「縁の下の力持ち」としての役割も時代と共に変化して
執行役員リテール事業部長 堀江正弘さんは、記者会見の席上、「東急沿線の魅力あるお店を再発見してお届けする。街づくりを振り返ると、東急だけではなく、沿線の生活様式、息遣いに今の東急のまちづくりのヒントがある。沿線の皆さんと次の時代の皆さんに喜んでもらえるリテール事業「SALUS ONLINE MARKET」を通して、提案していく」と話した。
思うに、今までは、東急線の電車が沿線を走り、そこに人々が集まり、コミュニティが生まれて、そしてそのお店はその沿線住民と共に成長を遂げてきたと言って良い。東急電鉄は縁の下の力持ちとしてそれを下支えしてきたのかもしれない。
しかしながら時代は変わって、東急電鉄としての役目も変わってきたのかもしれない。インターネットが普及して、ECはお客様とお店を繋ぐプラットフォームとなった今、自らECに関わり、またそれまで培ってきた沿線住民とのメディアなどもひっくるめて、沿線住民、並びに沿線の環境を生み出す店の活性化に繋げていこうということなのだろう。旧態依然では何も変わらない。
冒頭話した通り、時代の変化とともにECは沿線の活性化としてひと役買う時代がやってきたのだ。ブランドを作り上げてきた東急だけにそれの説得力は十分にあるように思う。