卸でも普段と変わらないEC体験を提供『Salesforce B2B Commerce』が提供開始
株式会社セールスフォース・ドットコム(本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼 社長:小出伸一)は本日、Salesforce Commerce Cloudのポートフォリオを拡張する新製品として、ビジネス購入者向けコマースプラットフォームの新製品「Salesforce B2B Commerce」を提供開始することを公表した。
ECでの購買体験をビジネス購入者向けにも実現
Salesforceのプラットフォーム上にネイティブに構築されたB2B Commerceは、従来から提供しているCommerce Cloudが消費者向けに実現する高度にブランディングされたEコマースでの購買体験を、ビジネス購入者向けにも実現することを支援する製品となっている。
B2B CommerceをSalesforceのCRM製品と合わせて活用することで、企業はインテリジェントかつ統合された購買体験を、あらゆるチャネルやあらゆる業務において横断的に提供できるようになるという。
ビジネス購入者の82%がより豊かな購買体験を望む
セールスフォース・ドットコムが昨年発表した「State of the Connected Customer」レポートによると、ビジネス購入者の82%が消費者として何かを購買するときと同じ購買体験を望んでいることが明らかとなっている。しかしながら、一般的に企業がB2B企業から何かを購買する際に、その体験基準を満たしていると回答したビジネス購入者は27%に留まっているそうだ。
企業はB2B Commerceを活用することで、ビジネス購入者に市場のダイナミクスや顧客ニーズに素早く対応したデジタルでの購買体験を提供することができるのだ。
【B2B Commerceの特徴】
◆1:
消費者向けのコマースプラットフォームのような利便性の高いユーザーエクスペリエンスを提供し、ビジネス購買を簡易化かつ効率化
◆2:
アカウント階層、複雑な価格設定、カスタムカタログ、アカウント管理、柔軟性のある購買・出荷オプションといった高度なB2Bコマース機能によって、購買作業の効率性を向上
◆3:
サブスクリプション、マルチストアフロント、マルチディストリビューター、マーケットプレイスといった複数のコマースモデルを管理
◆4:
B2B CommerceとSalesforceのCRMワークフローや企業がSalesforce CRMに保有する顧客データ(アカウントや連絡先など)を組み合わせることで、顧客情報を一元管理
◆5:
ビジネス向けコマース、マーケティング、セールス、コミュニティ、サービスにわたるシームレスな顧客体験を、世界をリードするCRMプラットフォーム上で構築可能
B2Bの特性に合わせつつECでの購買を完結
同社ではまた、B2B CommerceがCommerce Cloudの製品群に加わったことで、企業はデジタルコマースへのシフトを有利に活用できるようになるとしている。
B2B Commerceによりビジネス購入者は、消費者がEコマース上で買い物をするのと同じくらい手軽にオンラインで製品を閲覧し、購買できるようになる一方で、カスタムカタログ、認証ログイン、ワンクリックでの大量注文の再発注、複数の配送地点と決済方式、および数百から数千のSKUによる発注機能(小売企業は特定の企業からシーズン全体の在庫品を一括発注する場合があるため)など、複雑なビジネス購買に必要となるB2B特有の機能も利用できる。
さらにB2B CommerceとCRMデータを組み合わせることで、メーカーや卸売業者、販売代理店はシームレスにビジネス購入者の顧客情報と購買状況を関連づけることが可能だ。加えてビジネス購入者は販売元との契約に元づいた価格や条件が画面に反映されているため、販売元に各種条件を問い合わせることなくEコマースでの購買を完結することができる。
B2B ECは今後も発展が期待される有望な市場だ。一方で、B2B ECの実際のサイトなどでは、同社が指摘するようにコンシューマー向けのようなユーザービリティや豊かな表現が提供されていないケースも多い。B2Bに求められる機能をサポートしつつ、豊かな顧客体験を提供するこのソリューションは、まさにECの現場に求められているニーズを正面からとらえるものとなっており、B2B ECの世界に新たな風を吹き込むことになりそうだ。