楽天が兵庫に約4,000 坪の物流センターを設置へ、関通社との提携で実現

ECのミカタ編集部

楽天株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下「楽天」)は、株式会社関通(本社:大阪府東大阪市、代表取締役社長:達城 久裕、以下「関通」)と物流分野における資本業務提携(以下「資本業務提携」)に係る契約を締結した。

前進する楽天の「ワンデリバリー構想」

楽天は、EC物流の健全化を目的に、「ワンデリバリー」構想を掲げ、「楽天市場」における包括的な物流・配送サービスの構築に取り組んできた。

具体的には、楽天が「楽天市場」出店店舗を対象に提供する総合物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」を通じて、商品の入荷から配送まで高品質な物流サービスを「楽天市場」出店店舗に提供することで、安定したEC店舗運営に寄与してきたのだ。また楽天が運営する配送サービス「Rakuten EXPRESS」の配送網を拡大し、商品の注文から配送までの仕組みを整備している。

一方の関通は、関西エリアを中心に、システム・コンサル・アウトソーシングなど様々な手法で顧客の物流改善を担う物流支援会社だ。通販・ネットショップを対象に、物流倉庫・受注管理・出荷の包括的な物流サービスも提供し、徹底した倉庫管理とスピーディーな入出庫対応で支持を得ている。

関通社との連携をさらに強化

関通社との連携をさらに強化

今回の資本業務提携に基づき、楽天と関通はそれぞれのアセットを活用し物流分野において連携する。関通は、これまで培った物流センター運営のノウハウを活かし、同社の兵庫県尼崎市の物流センターを「楽天スーパーロジスティクス」の物流拠点として運営することになる。

同施設は3月より、「Rakuten Fulfillment Center Amagasaki」(以下、「同物流センター」)として稼働開始予定だ。楽天は、関通から第三者割当増資を引き受け、2019年2月までに同社に出資する(以下「第三者割当増資」)。これにより楽天の所有割合は、2019年2月末時点における関通の発行済株式数(45,500株)に対し9.9%となる。

関通は、この第三者割当増資によって得た資金を同物流センターの設備投資のためのシステム開発や設備投資に活用する。また今後は、「Rakuten EXPRESS」でも、関通が顧客より受託する荷物を配送するなど、両社の連携をさらに強化する予定だ。

【施設概要】

[名称]
Rakuten Fulfillment Center Amagasaki(仮)

[物件名]
関通 関西主管センター

[所在地]
兵庫県尼崎市扇町20番地 4階

[稼動開始]
2019年3月(予定)

[面積]
約4,000 坪

※関通の所有する関西主管センター(約10,000坪)のうち約4,000坪を「Rakuten Fulfillment Center Amagasaki」として利用。

高まるECプラットフォームとしての価値

このように楽天は「ワンデリバリー」構想を掲げ、「楽天市場」のユーザーおよび出店店舗にとって利便性の高い物流・配送サービスを実現するため、自社の物流機能を強化してきた。その上で、今回の資本業務提携をはじめとする外部パートナーとの連携を通じて、包括的な物流・配送サービスの構築をさらに加速させていく方針であること明らかにしている。

昨今、国内物流業界において不在再配達の増加や人手不足などが社会問題化し、EC店舗が安定的に店舗運営を行うことが困難になっている。こうした背景から、楽天は「ワンデリバリー」構想のもと、「楽天スーパーロジスティクス」や「Rakuten EXPRESS」を提供してきたが、関通社との資本提携でその構想がさらに前進したことになる。

巨大な集客力を誇る楽天だが、その中核となるECプラットフォームの物流面において着実に強化が進み、競争が激しくなるEC市場において総合的かつ一気通貫したプラットフォームとしてその価値をさらに増すことになりそうだ。

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