去年、日本で最もDLされたアプリは「Tik Tok」。2018年アプリランキング52社を発表
モバイルデータと分析ツールの世界大手プロバイダーApp Annieは、2018年のアプリパブリッシャートップ52を発表した。トップ52はGoogle PlayとiOS App Storeを合計した収益上位のパブリッシャーを表彰するプログラムで、App Annieが2011年より、毎年発表しているランキングとなっている。
今回はトップ52と併せて、2018年日本国内のダウンロード数、収益、月間アクティブユーザー数ランキングと注目カテゴリのランキングも発表された。以下その概要についてポイントを絞って見ていく。
日本企業は15 社がランクイン
2018年のトップ52に新しくランクインしたパブリッシャーは、Epic Games(米国)、Alibaba(中国)、Roblox(米国)、Zilong(中国)、Pearl Abyss(韓国)、DoubleU(韓国)、OneSmile(中国)だった。日本企業は15 社がランクインした。
ここ数年と同じく、アジア太平洋地域のパブリッシャーが今年もランキングを席巻し、トップ52位のうち32を占めたようだ。1位に輝いた中国のTencentは、みごと3年連続のトップとなった。
NetEase(中国)も2位をキープし、Activision Blizzard(米国)はランクを1つ上げて3位。日本のBANDAI NAMCOは一気に3ランク上げて4位、初のトップ5入りを果たした。また5位に入ったのは韓国の有力パブリッシャーNetmarbleだった。
ランクインしている日本のアプリ企業へのインタビュー
◆【株式会社バンダイナムエンターテインメント】
取締役 金野徹氏
エンターテインメント業界全般の売り上げは、景気に左右されにくいものと思っていますので、ロングセラータイトルだけに力を入れるのではなく、ユーザーの多様化による様々なニーズに応えて、今後も多くのタイトルを手掛けていきたいですね。海外進出についても、ゲーム自体の良さに頼った単純なローカライズではなく、それぞれの地域に合ったものを出していきたいです。
◆【LINE Digital Frontier株式会社(LINEグループ)】
執行役員 平井漠氏
『LINEマンガ』は昨年、大きく売上を伸ばすことができましたが、その背景には、電子コミック市場自体が伸びていることもあったと考えています。ここ数年で「スマートフォンでマンガを読む」という認知がユーザーに広がり、より一般的になりました。今後も、市場の伸び率より高い成長率を維持しながら、電子コミック市場全体を盛り上げていきたいと思っています。
◆【マッチングエージェント株式会社(サイバーエージェントグループ)】
代表取締役社長 合田武宏氏
我々は若い世代をターゲットにサービスを展開しています。未来ある若い世代の恋愛を応援するべく、さらなるサービス改善に努めてまいります。また、マッチングサービスのリーディングカンパニーとして、マッチングサービスをきっかけに恋がはじまるワクワク感、またサービスの安心・安全な使い方を啓蒙することも必要だと考えています。良質なサービスを選ぶ方法や、安全な使い方を身につけていただけるような情報発信も今後強化していきたいと思います。
◆【株式会社アニプレックス(ソニーグループ)】
本部長 三鍋尚貴氏
2019年は開発ラインを整えチームの組織力を高めることにより末永く遊んで頂ける作品をスピード感もって発表・配信できることを目指します。また、アニメと連動したファンサービス企画や、フェス・舞台・展示会などといったリアルイベントを開催することも目標のひとつ。ユーザーの皆さまが作品の世界観に直接触れられる機会をもっと増やしたいと思っています。
◆【株式会社Cygames(サイバーエージェントグループ)】
常務取締役 木村唯人氏
近年、ゲームを含む娯楽への時間の使い方は変わってきています。ゲームについて言えば、ゲームそのものだけではなく、リアルイベントや実況、配信なども含めた、総合エンターテイメント的な体験が求められていると言えるでしょう。Cygamesでも、ゲームとしておもしろいものを追求するなかで、時代の変化に合わせ、何が求められているか見極めて、ユーザーの皆さまがより楽しめるようなサービスを展開していきたいです。
日本で最もDLされたアプリは?
国内のみに目を向けるとTik Tokが最もDLされたアプリという結果に。若者中心に爆発的なヒットを記録した。
また収益額ではLINEが1位という結果に。1位含め上位3位全てLINE関連のサービスということからも改めて日本におけるLINEの影響力の強さを示すことになったのではないか。
非ゲーム系アプリも伸長
今回のランキング結果公表にあわせて、アジア太平洋地域マネージングディレクターであるCindy Deng(シンディ・デン)氏から次のようなコメントが出されている。
「2018年はモバイルが引き続き産業界に革新と変化をもたらすなかで、この変革の引き金になった主要アプリストアが10周年を迎えた、記念すべき年となりました。2018年のトップ52も過去数年と同じく、ゲーム会社がランキング上位を占めました。
その一方で、非ゲーム系企業がモバイルで大きな成功を収めるケースが増えています。この前進をリードするInterActiveCorp(IAC)は12位 に急上昇し、そのほかNetflix(16位)、Time Warner(23位)、Google(27位)、Baidu(29位)、Pandora(35位)、Alibaba(37位)、Microsoft(38位)も軒並み前年から順位を伸ばしました。非ゲーム系アプリが消費支出に占める割合は、2016年の18%から2018年は26%に増え、今後も成長が続くと予想しています」
ECでもスマホからの利用が年々増加しているが、スマホ上での購入を支えるプラットフォームという意味では、なんと言ってもアプリの果たす役割が大きい。制約のある画面サイズや入力システムを踏まえた上で、意図する購入行動を喚起するには、アプリで仕様を囲い込んだ方がより良いからだ。これは利用者側から見た利便性においても言える。
同社も述べているように、従来はモバイルアプリといえばゲームがランキングの上位を占めており、現在も依然としてその割合は大きい。その反面、非ゲーム系のアプリも伸長してきており、EC関連のアプリが今後どのように存在感を発揮するのか大いに気になるところだ。