台車が自律走行!自社物流センター向け無償ロボットレンタルをオリックスが拡充

ECのミカタ編集部

オリックス株式会社(本社:東京都港区、社長:井上 亮)とオリックス・レンテック株式会社(本社:東京都品川区、社長:小原 真一)は、オリックスが開発する物流施設のテナント向けに無償でレンタル提供する物流ロボットのラインアップを拡充することを公表した。

9メーカー10機種のラインアップへ

オリックスおよびリックス・レンテック(2社を総称して以下「オリックス」)は、HIKVISION社製の自動搬送ロボット「Latent Mobile Robot(レイテント・モバイル・ロボット)」と、ZMP社製の台車型物流支援ロボット「CarriRo® (キャリロ)AD(自律移動モデル)」の2機種の取り扱いを開始する。

同フリーレンタルサービスは2018年5月より開始し、同社の物流施設へ入居する事業者を対象にロボットの導入効果を検証し、倉庫の自動化を推進できる、物流ロボットを6カ月間無償で利用できるサービスだ。

今回2機種の追加により、ロボットの活用場面として要望の多かった「パレットや陳列棚ごと移動させる」「多くのカーゴを一度に運ぶ」というニーズに対応する。これにより物流ロボットの取り扱いは9メーカー10機種の手厚いラインアップとなる。

荷物をパレットごと自動で運ぶロボットも

荷物をパレットごと自動で運ぶロボットも

自動搬送ロボット「Latent Mobile Robot」の 概要は次の通りだ。荷物をパレットや陳列棚ごと運ぶのに適しており、専用の陳列棚の下に入り込み、棚ごと持ち上げて搬送することができる優れものだ。

同社ではロボットが個々の棚に貼られたQRコードのシールを読み取り、棚を適切な場所まで搬送する。最大積載荷重600kg、1000kgの2ラインアップで、作業員の負担軽減や作業時間の短縮などにより、生産性の向上が期待できるとしている。

また現在運用中の倉庫管理システムとHIKVISION社のロボット運行管理システムの連携構築を行うことで、倉庫内の入庫・出庫の状況、在庫の状況などの情報をリアルタイムに把握してロボットに連携することができ、より効率的なロボットの運用が可能になる。

ロボットだけでなくスキームそのものを提供

ロボットだけでなくスキームそのものを提供

このようにオリックスが提供する「物流ロボットフリーレンタルサービス」は、2002年から物流施設の開発を手掛けるオリックスと、2016年からロボットレンタル事業「RoboRen」を展開するオリックス・レンテックが共同で取り組むサービスだ。

物流業務を支援する自動搬送ロボットを中心に現在9メーカー、10機種を取り揃え、用途に応じてロボットを選択し、導入に必要となるシステム構築費とあわせて6カ月間無償で利用することが可能だ。

また入居スペースの有効利用方法に加えて、ロボットの具体的な活用方法や導入効果シミュレーションなどをパッケージ化して提案する。

約70%の企業が物流拠点の集約や再編を検討

オリックスでは今後も最先端の物流施設開発に加えて、各テナントニーズに合ったロボット活用の提案から導入効果シミュレーション、システム構築までをワンストップでサポートすることで、物流事業への新たな付加価値を創出する方針だ。

同社では近年、進化を続けるサプライチェーンや、伸長する電子商取引(EC)市場に対応できる大規模かつ高機能な物流施設への需要が増加しているとしている。加えて少子高齢化などによる労働力不足や物流コストの上昇という課題に対して、施設内における生産性向上の必要性がますます高まっていると分析する。

物流施設のテナント意識調査(CBRE「物流施設利用に関するテナント意識調査2019」)によると、利用したい技術や機能について「無人搬送機、物流ロボット」「自動化設備」が2トップを占め、さらに施設の老朽化が進むなか、約70%の企業が物流拠点の集約や再編を検討しているそうだ。

こうしたニーズに正面から対応する同社の物流システムは、一連のロボットソリューションによって今後もさらに価値を高めることになりそうだ。


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