Amazonが2019年第1四半期決算を発表 売上高は17%増の597億ドル
Amazonは2019年第1四半期(1月~3月)の決算について取りまとめ、その内容を公表した。ここでは公表された当該決算の概要についてポイントを絞って見て行く。
ECは伸び悩みAWSが好調
Amazonが最新となる2019年第1四半期決算を発表した。売上高は597億ドル(前年同期比17%増)、純利益は事前の予想を上回り35億6100万ドルだった。
主力のECについては概ね堅調ながらも、本国アメリカの他、世界各国でも激しい競争に見舞われていることもあり伸び悩んだ。かわりにAWS(Amazon Web Services・クラウド基盤のITインフラサービス)などが引き続き好調で、全体の売上および利益を牽引する形となっている。
EC以外の展開も順次強化
同社では決算ハイライトとして、次のような項目をまとめている(一部抜粋)。
[1]
Fire TVには現在3000万人のアクティブユーザーがいる。
[2]
Alexaの機能を拡張。フランス語に対応した他、その他の言語圏向けにも多言語対応を推し進めている。
[3]
サービスレベルでGoogleとの連携も強化。hromecastおよびChromecast内蔵デPrime Videoについては、Android TVデバイスパートナー間で広く利用できるようになり、YouTube TVとYouTube Kidsのアプリも今年後半にFire TVに登場する予定。
[4]
Amazon Dayのサービス開始。Amazon Dayは、Primeのメンバーが荷物の到着日を選択できる新しい提供方法で、米国のPrimeおよびBusiness Primeの全メンバーが利用できるようになった。
[5]
AWSについては多くの項目を割いており、フォルクスワーゲンをはじめとした幅広いトップクラス企業のビジネスを支えている点が強調されている。またAWS Asia Pacificを立ち上げ、アジアをはじめとした海外展開を強化している点も述べられている。
競争が激化するEC市場とどう向き合うか
アメリカ本国をはじめ日本などアジア各国、そして世界のEC市場において圧倒的な存在感を示すAmazon。一方で激しい競争にさらされているのも事実だ。特にEC先進国の中国向けのEC事業から同社が撤退することを公式に決定したとのニュースは記憶に新しい所だ。
同国についてはアリババや京東(ジンドン)などネイティブのECプラットフォーマーがシェアのほとんどを握り、流通網の整備が不調で価格競争でも価値を示しきれなかったAmazonは完全に出遅れた形になっていた。
また本国のアメリカでもEC市場では約半分のシェアを押さえているものの、ウォルマートなどが同分野で猛追をしており、けして安泰と言える状況ではない。今後もスマートデバイスやコンテンツサービスの拡充、AWSの展開を推し進めると見られ、主力のEC事業の今後を含めて、引き続き同社の動向からは目が離せそうにない。