食品も店頭で買うよりネットで。2019年度の国内食品通販市場調査

ECのミカタ編集部

株式会社矢野経済研究所(本社:東京都中野区/代表:水越孝)は、2019年度の国内食品通販市場を調査し、市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

通信販売で食品を買う人が増加中!生協と通販の市場構成比はほぼ横ばい

通信販売で食品を買う人が増加中!生協と通販の市場構成比はほぼ横ばい

2018年度の国内食品通販市場規模は、小売金額ベースで前年度比3.3%増の3兆7,138億円で着地する見込み。

チャネル別に市場構成比を見ると、1位は生協、2位にショッピングサイト、と従来通りに見えるが、内訳は生協が38.7%、ショッピングサイトが38.4%と、ほぼ横ばいであることがわかった。

これまでは店頭で自分の目で確かめてから買いたい、というニーズが強かった食品だが、徐々に通信販売で揃える人が増えてきているようだ。

背景としては、大量に購入するときの運搬の手間が省けることはもちろん、近隣の店にある物を買う、生活圏の中で完結させていた買い物が、ショッピングサイトの豊富な品揃えによって近隣にないものはネットで購入する、という消費者マインドに変わっていることも大きな要因と言えそうだ。

食品販売でも、企業関連携で顧客の囲い込みが発生

近年、ECを巡る各種サービスでも、企業間で連携することによって顧客の囲い込みが発生している。

各企業が抱えるユーザーが、企業連携でサービスを拡充することにより、より幅広くサービスを利用できる一方で、企業は新規開拓に乗り込む必要がなくなる。

同じことが食品業界でも起こっており、特にネットスーパーはその動きが顕著だ。

宅配業界の人手不足問題もあり、従来のようにすべてのサービスを自社で完結することが難しくなってきており、多くのネットスーパーは物流業界と連携することで顧客開拓を自社で完結しないようにした。

こうした動きが、ショッピングサイトの需要を押し上げている結果の原因のひとつとも言える。

2019年にはショッピングサイトが生協を上回る?!

2019年にはショッピングサイトが生協を上回る?!

食品通販市場全体で見れば、2019年は2〜3%と緩やかな上昇を見せ、2022年度には小売金額ベースで4兆966億円に達すると予測されている。

2019年の市場構成比に関しては、2018年がほぼ横ばいだったことからも、生協をショッピングサイトが上回ることになるだろう、と予測されている。

一方、2019年10月には消費税増税も予定されているが、食品に関しては軽減税率が適用され8%で維持される見込みだ。

しかし、全体的に税率がアップすることで、少しでも食品のコストを抑えようと安いショッピングサイトでの購入が増えることも予測される。

外食を控えショッピングサイトで購入した食品で自宅で食べる機会が増えるのではと予測されており、食品業界全体で見れば、特に落ち込むこともなく、食品通販市場はますます拡張すると言われている。

今後の食品業界の大きな変化に注目したい。


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