返礼品バブル崩壊後の『ふるさと納税』 あくまで返礼品にこだわる“さとふる社”の目論見は?

ECのミカタ編集部

ソフトバンクグループの株式会社さとふる(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤井 宏明)は、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」上で、「ふるさと納税 定期便特集」ページを2019年7月30日に公開した。同特集ページでは、肉、魚介、米などの返礼品の中で、一度の寄付で返礼品が複数回配送される「定期便」の返礼品を紹介している。

複雑な制度はあるが定期的に返礼品が届く

通常、複数回にわたって返礼品を受け取る場合、受け取る回数分の寄付手続きや、寄付金控除の申請が必要ですが、「定期便」は一度の寄付で返礼品が複数回にわたって届くため、返礼品の申し込み手続きや、寄付金控除の為に申請を行う回数を減らすことができるとしている(ワンストップ特例申請を行う場合)。

また複数回にわたって返礼品が届くことで、自宅での収納・保管に困らず、地域の特産品を定期的に楽しむことができるともしている。

一部の寄付者層が繰り返し寄付と返礼品受け取りを実施

一部の寄付者層が繰り返し寄付と返礼品受け取りを実施

さとふるがポータル会員に実施したアンケートでは「繰り返し寄付をしている特定の自治体、または返礼品はありますか」という質問に対し、約62%が「はい」と回答したようだ。

繰り返し特定の自治体に寄付をして返礼品を受け取る場合にも、「定期便」を活用することで利便性向上につながることが期待される。

返礼品バブル崩壊後のふるさと納税はどうなる?

ふるさと納税に関しては寄付額に対する返礼品の金額の割合が3割程度とする旨の法改正が行われた。このことでいわゆる「返礼品バブル」と言える状況が収束したとの見方が多い。

本来、自治体の振興策への寄付というのが「ふるさと納税」の主旨であり本文だが、高額な返礼品目当てに寄付が行われる歪んだ状態が長く続き、各自治体や国会議員、一般の納税者から制度自体の在り方を疑問視する声が多く出されてきた。

こうしたことから前述したように返礼品の3割規制が盛り込まれた形での法改正に至ったのだ。状況が一変する中、各ふるさと納税代行企業、その中でのトップランナーであるトラストバンク(ふるさとチョイスを運営)は、返礼品ありきから自治体のPRメディアへと大きく軸足を動かしている。

一方で、さとふるはいまだに返礼品ありきのビジネスモデルを推し進めている状況であり、ふるさと納税市場が10分の1、場合によっては100分の1になるとする識者もいるなか、同社がいかにして生き残りをかけた展開をしていくのかがなかなか見えず、その行く先に視線が集まるところでもあるだろう。


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