ネット広告での収益性を確保しブランドも守る GMOアドマーケティングがAIを駆使した独自の広告審査システムを開発して『GMO SSP』に搭載
GMOインターネットグループのGMOアドパートナーズ株式会社の連結会社で、アドテクノロジー事業、メディアセールス事業を展開するGMOアドマーケティング株式会社(代表取締役社長:渡部 謙太郎 以下、GMOアドマーケティング)は、AIの技術を取り入れた独自の広告審査システム(以下、AI搭載広告審査システム)を開発し、本日2019年8月5日(月)より媒体社向け広告配信プラットフォーム「GMO SSP」に実装した。
これにより「GMO SSP」を利用の媒体社は、審査にかかる負担を大幅に削減できるうえ、広告ごとにより精密な広告審査が可能となるとしている。
AI搭載広告審査システム3つの新機能
GMOアドマーケティングは、独自に開発したAI搭載広告審査システムを「GMO SSP」に実装し、以下3つの新機能の提供を開始した。
独自のAI搭載広告審査システムの概要は次の通りだ。
◆1.AIを活用した広告審査アシスト機能
あらかじめ掲載不可となりやすい広告をAIに学習させることで、広告原稿の審査効率を高める機能だ。これまで膨大な量の広告原稿を一つ一つ目視で確認していた媒体社の広告審査担当者は、同機能により配信不可となる可能性が高いと判定された広告原稿を除いて審査できるため、審査業務の負担軽減が期待できる。
さらに今後は自動審査が可能な広告在庫を拡充するとともに、各媒体社による審査結果を個別にAIに学習させることで、媒体社それぞれの審査基準に沿った自動審査ができる機能を追加開発予定だ。
◆2.DSP広告の配信後審査機能
収益性の高いDSP広告を広告コンテンツ単位で掲載後に審査し、不適切と判断された場合に広告を停止する機能だ。従来の広告カテゴリ(「金融」「ヘルスケア」など)単位でのブロックでは、本来であれば掲載可能な広告もブロックされてしまうことがあり、収益機会の逸失が発生していた。同機能により、広告コンテンツ単位で審査を行うため、収益機会の最大化とメディアのブランド保護の両立が可能となる。
◆3.DSP広告の事前審査配信機能
DSP広告の中で収益貢献の見込みが高く、かつ高品質の広告を掲載できるよう、あらかじめ収益性の高い広告を出稿する広告主に対して、事前に審査を行う機能だ。
DSP広告には、多種多様かつ膨大な数の広告主から広告が配信されてくるという性質がある。そのため、広告掲載において事前審査を必須とするWebメディアにおいては、広告の事前審査が困難なことから積極的な配信が難しいという課題があった。
同機能により、広告品質の懸念からDSP広告を積極的に配信できていなかった媒体社もRTB広告の配信が可能になる。
ネットワーク広告に横たわる諸課題
ネットワーク広告とは、複数のWebメディアにまとめて広告配信するアドネットワークやRTB(※1)と呼ばれる仕組みで配信されてくる広告を指し、Webメディアを運営する媒体社にとっては、ネットワーク広告を自社のWebメディアの広告枠に掲載することで収益を得ることができる。
こうしたメリットがある一方、配信されてくる広告を媒体社側で完全にコントロールすることができないことから、運営するWebメディアにはふさわしくない広告が掲載され、ユーザーに不快感を与えたり、Webメディアの世界観を損ねたりといった、ブランドを毀損するリスクをはらんでいる。近年、インターネット広告市場の伸長に伴い、こうしたネットワーク広告のリスクへの対策が急務となっている。
このようなネットワーク広告の課題を踏まえ、GMOアドマーケティングでは、運営するアドネットワーク「AkaNe byGMO」においては媒体社の希望に応じて広告原稿の全件を審査できる機能をオプションで提供している。
また媒体社向け広告配信プラットフォームの「GMO SSP」においても、DSP(※2)を通じて配信される広告を「金融」「ヘルスケア」といった広告カテゴリ単位で審査し、配信許可もしくはブロックすることができる機能を標準で提供している。
しかしDSP広告の広告カテゴリ審査では、原稿ごとの細やかな審査ができず、媒体社が自社で広告原稿審査を行うにしても、配信される広告原稿の量が膨大なため、媒体社の審査の負荷が高いという課題があった。
これにより、ネットワーク広告によるブランド毀損リスクを重視する媒体社にとっては、収益性が高いとはいえDSP広告を配信することが難しい状況だった。
(※1)広告の表示が発生するたびに、入札を行い、最も高い金額をつけた広告主の広告を表示する方式。
(※2) DSPとは、Demand Side Platformの略で、広告主が様々なメディアの広告枠を自動的に買い付けるために用いる広告配信プラットフォームのこと。
収益性を確保しブランドも守る
そこでGMOアドマーケティングは、広告審査の負荷の軽減と、DSP広告に対するより細やかな審査を可能とすることを目的として、AI技術を取り入れた独自の広告審査システムを開発し、媒体社向けの広告配信プラットフォーム「GMO SSP」に実装したのだ。
これにより「GMO SSP」は、Webメディアへ収益性の高いRTB広告を配信するだけでなく、Webメディアにとって適切でない広告をブロックし、ブランド毀損のリスクを防ぐことも可能となる。
GMOアドマーケティングは、「GMO SSP」に実装した独自の広告審査システムの機能拡充・改善を引き続き実施し、媒体社に対して、より収益性の高い広告の提供に努めて行くとしている。それらを通して、ひいてはメディアのユーザビリティ・ブランドと高い収益性を両立させる広告配信プラットフォームを目指す方針だ。
ますます複雑化・高度化するWeb広告。そこでの収益性とブランド維持を自動化できるソリューションは、EC市場のみならず同分野での施策を力強く後押しすることになりそうだ。