ZendeskがLINE・WhatsApp・Slackとの連携を強化 Smooch社を買収しオムニチャネルでのエクスペリエンスを強化

ECのミカタ編集部

Zendesk, Inc.(NYSE:ZEN)は、企業と顧客をよりパーソナライズされた会話で結びつけるコミュニケーションプラットフォーム 「Smooch」を提供する Smooch TechnologiesHoldings ULC(本社:カナダ・モントリオール)を買収したことを公表した。

Zendesk導入企業は15億人のユーザーへリーチ可能に

同社は今回の買収について、Webサイトやモバイルアプリだけでなく、LINEや WhatsApp、Facebook Messengerといった世界中で利用されているメッセージングアプリまで、あらゆるメッセージングチャネルを通して企業と顧客の会話を結び、より優れたオムニチャネルエクスペリエンスを提供するZendeskの新たな一歩を意味するものだとしている。

Zendesk 創立者兼 CEO ミッケル・スヴェーン(Mikkel Svane)氏のコメント

「生活の中でメッセージのやり取りがあふれている現代において、消費者はメッセージの利便性と双方向性が顧客体験の一翼を担うことを期待しています。Zendesk は、長年、 Smooch のパートナー企業として、Smooch があらゆる形式のメッセージングを一元化し、顧客と企業の間の途絶えることのないコミュニケーション形態を進歩させてきた様子を目にしてきました」

スマートフォンユーザーの 75%以上がWhatsAppなどのメッセージングアプリを使用している現代において、SmoochはWhatsApp Businessと連携している最大のプロバイダーの1つだ。

Zendeskのアーリーアクセスプログラム(EAP)に参加することで、Zendesk導入企業は、Zendesk Chatを使って、顧客とのやりとりを管理できる一方で、WhatsAppの15億人のユーザーにリーチできるようになる。

Zendesk 内でさまざまな情報を一元管理

Zendesk 内でさまざまな情報を一元管理

またZendeskとWhatsApp Business APIの連携を継続的に強化し、Zendesk Suite も拡充される。シームレスな対話型コミュニケーション形態を提供多くの企業は、一元管理されていないチャネルからの問い合わせが増え、その管理に課題を抱えている。

Smoochは、利用チャネルに関わらず、Web、モバイル、ソーシャルメッセージングを介したすべての顧客との会話をひとつのインターフェイスにまとめる「唯一」のメッセージングソリューションともなっている。

AWSを基盤としたAPIおよびSDKベースの開発プラットフォームであるSmooch の買収は、カスタマーエクスペリエンスの向上で差別化を目指す企業に対して、オープンで柔軟な CRM を提供するZendeskの取り組みを示すものだ。

Smoochの共同創設者、CEOのウォレン・レビタン氏(Warren Levitan)氏のコメント

「昨年 Zendesk が発表した CRM プラットフォーム Sunshine により、Zendesk はCRMの未来をかけた競争に勝つための大胆かつディスラプティブな一歩を踏み出しました。彼らのCRM戦略は、最高のカスタマーエクスペリエンスを構築するという私たちが掲げてきた使命をさらに推し進めることになるでしょう。 私たちは、これまで3年半の間協業してきた Zendesk の一員となることを喜ばしく思います」

Zendesk と Smoochは、LINE、Facebook Messenger、WhatsApp、WeChat、Telegram、Twitter DM、Viber、Kakao Talk、SMS、RCS などのさまざまなメッセージングチャネルや、iOSやAndroidのネイティブアプリでの、顧客との次時代型の対話を実現する。

つまり、これらの拡張された機能を使用することで、例えばオンライン小売業者であれば、WhatsAppのようなソーシャルメッセージングから開始された配送先や返品に関するコミュニケーションを、自社のネイティブメッセージングツールに移行して継続することができ、さらに、これらのコミュニケーションを Zendesk内で1つのスレッドとして管理することが可能となる。

Slackはさらに企業コミュニケーションチャネルの基盤へ

Slackはさらに企業コミュニケーションチャネルの基盤へ

Zendesk はさらに、製品の機能強化に加えて「Conversation Solutions Team」を組成した。このチームは、Smoochの対話型プラットフォームを活用して、パーソナライズされたメッセージングエクスペリエンスの提供を目指す企業をサポートする。

例えば、様々なメッセージングプラットフォームを介して、リアルタイムでのホテル従業員へのメッセージ送信を可能にし、顧客のあらゆるニーズを満たすオムニチャネルなサービスの提供を目指すグローバルなホテルブランドに対して、よりカスタマイズされたメッセージングアプリケーションを提供する。

部門横断型チームの連携強化をサポート多くの企業は、リアルタイムでつながり、共同で業務を進めることが非常に重要であることを認識しており、Slackは、企業が好むコミュニケーションチャネルとなっている。

優れたカスタマーエクスペリエンスとサービスを提供するためには、直接顧客とコミュニケーションする担当社員が、当該部署や専門家にすばやく簡単に確認できる体制が必須だ。

Zendeskは、Slack用サイドカンバセーション機能「Side Conversations for Slack」の一般提供も開始する。 サイドカンバセーション機能は、Zendesk の管理画面上から、社内外のチームにメールまたは Slackでシームレスにコミュニケーションできる機能で、顧客の問い合わせに応対するために頻繁に連携する営業やサポートチーム向けのものだ。

なお営業支援ソリューションZendeskSell とカスタマーサポートソリューション Support を併用することで、サポートチームと営業チームが迅速に連携し、顧客視点でのサポートが可能となる。

さらなる連携による Zendesk Suite の拡充優れたカスタマーエクスペリエンスの提供をサポートするために、Zendesk が 2018 年に発表した「Zendesk Suite」は、オムニチャネルソリューションを採用する顧客を 400%増加させ、Zendesk を代表する、これまでで最も成功した製品となった。

Zendesk Suite の成功要因のひとつは、Atlassian、Lessonly、Maestro、Stella、Tymeshift、Geckoboard、Statuspage、および Ada を含む新たなソフトウェアパートナーの追加により、着実に拡大しているZendeskマーケットプレイスだ。

同社はこれらの統合により、企業は、社員のトレーニングと管理、KPIと目標のトラッキング、品質保証のためのチケットの監視など、さまざまな方法でカスタマーエクスペリエンスに係る業務効率を向上できるとしている。

カスタマーサービスとカスタマーエンゲージメントのプラットフォームを提供するZendesk。今回の買収によってその機能と価値はさらに高められることになりそうだ。


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