【決算】楽天、国内EC流通総額は9,219億円に 送料無料ラインは出店者と共に改善目指す

利根川 舞

8月8日、楽天株式会社(以下「楽天」)は2019年度第2四半期決算説明会を開催。決算発表に加え、先日「Rakuten Optimism 2019」で発表された送料無料ラインの導入についても触れられた。

楽天市場成長に向けて物流を強化

※説明会資料より抜粋

楽天グループの当第2四半期連結累計期間における売上収益は586,644百万円(前年同期比14.5 %増)、Non-GAAP営業利益は121,128百万円(前年同期比34.2%増)となった。

※説明会資料より抜粋

また、楽天市場やその他のECサービスを含む国内EC流通総額の2019年度第2四半期国内EC流通総額は前年同期比14.5%の成長を達成し、9,219億円となった。物流への投資が続く一方で、マーケットプレイスビジネスの営業利益は力強く改善。売上収益は前年同期比19.4%増、営業利益は15.1%減となった。

さらなる成長のための断続的な取り組みとしては、安定した物流プラットフォームを楽天市場出店店舗へ提供すべく、自社物流網の拡大を図る。具体的には、Rakuten SUPER LOGISTICS拠点の拡充、物流カバーエリアの拡大を進め、2019年内には人口カバー率60%を目指す。

また、ジャンル強化の取り組みとしてはファッションジャンルに集中。10月に開催される「TOKYO Fashion Week」もその一環だ。

気になる送料体系の統一化については……?

※説明会資料より抜粋

注目したいのはユーザー視点で送料のわかりやすさを向上させるべく、行われる送料体系の統一化だ。すでに発表されている通り、来年年初から共通の送料無料ラインが導入される。

詳細:【楽天】一律3,980円以上の買い物で送料無料に 楽天市場が2020年初頭にも共通の送料無料ラインを導入

楽天の調査によれば、「安いと思ったら送料で高い」「ショップによって送料が異なる」などの不満がユーザーから出ており、送料が原因で購入を諦めたことがあるユーザーが約7割も存在するという結果が出たことを踏まえ、送料体系の統一に至っている。

また、流通総額の拡大も狙いの一つである。三木谷氏は「『3,980円以上買えば楽天市場では送料が無料なのね。』という認知が進めば、既存のユーザーによりショッピングを楽しんでもらえると思いますし、新規ユーザーに関しても、さらなる躍進を遂げることができるのではないでしょうか」と述べた。

この送料無料化ラインの導入に対し、出店店舗から様々な意見が出ていることについて、副社長執行役員 コマースカンパニー プレジデントの武田 和徳氏は昨年から実施しているタウンミーティング内で出店者と向き合っていくとした上で次のように続ける。

「まだまだお届けということを考えた場合、整理しなければならないことがたくさんあると思いますので、”Walk Together”の精神で一緒に改善していけたらなと思います。その中で必ずや、店舗さんからのご理解が得られると思いますし、何よりもお客様に喜んでもらえるサービスを実現することが双方にとって大事だと考えております」(武田氏)

双方がどこまで歩み寄るのか

「Rakuten Optimism 2019」での発表以来、大きな波紋を呼んでいる送料体系の統一化。店舗によって送料の無料ラインが異なっていたこれまでに比べ、ユーザの利便性は格段に上がるのは間違いない。しかし、これまで送料部分は出店店舗ごとに任されていた分、出店店舗としては今後、商品価格の値上げ検討や販売戦略の変更などをはじめ、様々な部分での見直しが求められる。

プラットフォーム上でビジネスをしているからには、プラットフォーム側の戦略に沿わなければならないことは大いにある。しかし、その一方でプラットフォームは出店者がいなければ成り立たないものでもある。武田氏が出店者と一緒に改善していきたいと語ったが、双方の対話によりどのような形で着地をするのか、引き続き追いかけていきたい。


記者プロフィール

利根川 舞

ECのミカタ 副編集長

ロックが好きで週末はライブハウスやフェス会場に出現します。
一番好きなバンドはACIDMAN、一番好きなフェスは京都大作戦。

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