ユーザーコンテンツの活用でCVRが1.6倍に アパレルブランド「ドゥクラッセ」がインスタへの投稿をうながすUGC施策で成果
株式会社DoCLASSE(以下DoCLASSE)は、「ミドルエイジをファッションから応援したい」をコンセプトに展開しているアパレルブランドだ。同社ではECサイトでの複数購買を促して顧客単価をあげていくことを目的に、生活者の体験から生成されたUGC(※)を活用した施策を展開している。
同社を支援するアライドアーキテクツ株式会社によれば、モデルを起用したコーディネートコンテンツや、企業から依頼されて着るのではなく、DoCLASSEが好きで着たいと思っている生活者のUGCをより「リアルなコーディネート」の提案として取り入れることによって、検討層の購買意欲の向上に成功し、CVR1.6倍を実現したという。
※User Generated Contentsの略称。企業ではなく、一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのことを指す。
インスタでの投稿をうながす
同社では、2018年より「WEBの強化」を進めてきた。その中で既存の売り上げ向上のための施策として行ったのは、ECサイトのデザインをスマホファーストになるようにリニューアルし、さらに商品の複数購買を促して顧客単価をあげていくことが必要と考え、改善策として活用を始めたのが生活者の体験から生成されたUGCによるコーディネートの提案だという。
Instagram上へのUGC生成を目的に、DoCLASSEの商品を着こなした投稿を促すキャンペーンを実施したそうだ。スタッフではなく、普段からInstagramを使っていて、かつDoCLASSEの服を普段から着ている既存顧客から広がっていくような施策の設計を行ったのだ。
アパレル業界がUGCをマーケティング施策に積極的に取り入れづらい理由の一つとして、「他ブランド商品の写り込み」がありますが、これに対し同社では競合他社製品のロゴなどが露骨に写っているものでなければ良いと判断し、純粋にみんながどう着こなしているのか、生活者のライフスタイルや感性に合致したリアルなコーディネートの提案を目指したそうだ。
CVRが1.6倍に
そして投稿数を増やすだけではなく、Instagram上に生まれたUGCを活用して、ユーザーをサイトへ誘導し、CVRの向上、客単価の向上のために、当社のSaaS型クリエイティブプラットフォーム「Letro」を導入し、ユーザーの投稿をECサイト上に掲載する施策を行った。
その結果、これまで顧客の購買の仕方が単品通販に近かった同社が、サイトを訪れた検討層に向けて自然な形で商品のクチコミを訴求し購買の"後押し"に成功、CVR1.6倍という成果を生み出した。
また、UGCがリアルなコーディネートの提案となったことで類似商品の購入の可能性を広げると同時にユーザーのコ-ディネートから顧客のニーズを可視化でき商品企画にもつながるなど、生活者の体験を起点にマーケティング施策を回すことでマーケティング施策の効率向上を可能にした。
UGCを活用して生活者のライフスタイルに合致した提案を
今回の施策に関して、株式会社DoCLASSE CMO 藤原尚也 氏は次のように述べている。
「UGCはコーディネートの提案をして、商品の複数購買を促すために活用を始めました。 結果として、普段からInstagramを使っていて、かつDoCLASSEの服を普段から着てくださっているお客様のコンテンツは、リアルなコーディネートの提案コンテンツとなりました。現在UGCを使ったページのほうがCVRが1.6倍高くなっていますので、イメージ通りの良い運用ができていると評価しています。
次の段階としてCVRだけではなく、UGCを経由したお客さんの方が顧客単価が高いという状態にしていきたいです。たとえば、UGCから導き出された人気のあるコーディネートの商品を自社商品で関連アイテムとして同じページに掲載するなどの工夫ができれば、商品ページが充実して顧客単価の向上につながっていくのではないかと思います。そのためには、資産としてたまったUGCを僕らがもっときちんとみていかなくてはいけません。いずれにしても、資産としてのUGCをしっかり見て、常にきちんと活用方法を考えながら施策を進めていければと思っています」
SNSを活用したマーケティングやプロモーションの熱度は高まる一方だ。SNSの中でもビジュアルが前面に出るインスタグラムはアパレル業界との相性も良い。こうしたプラットフォームを活用しつつ、ユーザーが進んで自社ブランドの投稿を行い、ロイヤリティを醸成するとともに、2次拡散3次拡散が企図できる今回の施策は多くのEC事業者でも参考にできるのではないだろうか。