CS担当者400人に聞いた現状と課題とは?JMARが「従業員のCS意識等に関する調査」の結果を公表
株式会社日本能率協会総合研究所(JMAR、代表取締役社長:譲原正昭)では、「従業員のCS意識等に関する調査」を実施した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
調査概要
[調査名称]
従業員のCS意識に関する調査
[調査手法]
インターネット調査
[調査実施時期]
2019年10月7日~10月10日
[調査対象]
従業員数300名以上の企業に勤務するCS担当者で、全国に居住する25~60歳の男女
[回収サンプル数]
400名
自社に対するユーザーからの評価をどう感じる?
「自社の商品・サービス・対応等は、ユーザーに高く評価されていると思う」は肯定層が7割に達しており、現在はユーザーから高評価を得ていると認識されている。しかし、「自社のシェアや利益の伸び悩みが今後予想される」も同程度おり今後の持続的成長には不安が見られる様子が分かった。
顧客からのニーズは把握・共有できている?
ユーザーのニーズ把握・共有の不十分さを懸念しており、「従来とはCSの考え方を変えていく必要性」を感じている。また「自社は、お客様のニーズに敏感だと思う」は6割弱が肯定しているが、「自社の中で、市場環境やお客様のニーズの変化の認識に差があるように感じる」は6割を超えており、自社内でユーザーニーズの把握・共有が十分ではないことへの懸念が見られる。
さらにCS担当者の7割強は、「従来とは、CSの考え方を変えていく必要性」を感じている。必要性を感じる場合の理由として、市場変化やニーズの変化・多様化の把握・共有だけでなく対応が不十分なこと、自社内のCS意識の違いやCSを支える全社的な仕組みの問題等が挙げられている。前述の持続的成長への不安は、こうした危機感や問題意識も一因と考えられるとしている。
自社内でCSに対する意識を調査しているか?
自社従業員のCSに関する意識・考え、取り組み等、調査で確認している企業が多かった。「従来とはCSの考え方を変えていく必要性」を感じている場合は、【CSに関する意識・考えや日頃の取り組み状況】について、「同テーマでアンケート調査を行った」が5割近く、何らかの調査で従業員に確認したケースは約8割に達している。
これらのことから持続的成長に向けて、従業員のCS意識等を確認して、自社のCSの新たな考え方の浸透を図っていることがうかがえるとしている。
まとめ
調査結果にあるように持続的成長を目指す企業は、自社従業員の顧客満足の意識(CS意識)に注目しており約8割が自社従業員のCS意識を調査していた。
また現在はユーザーから高い評価を得ているが、今後は業績の伸び悩みが予想されていることも分かった。さらにユーザーのニーズ把握・共有の不十分さを懸念しており、「従来とはCSの考え方を変えていく必要性」を感じていることがうかがえた。
加えて自社従業員のCSに関する意識・考え、取り組み等を、調査で確認している企業が多いことも分かった。
EC市場をはじめCSの重要性は高まるばかりだ。ユーザーからの信頼を得て自社やブランドの価値を上げ、ひいては収益向上につなげるためにCSは大きな比重を占めるからだ。今回はそのCSの現場担当者の生の声に切り込むものとなっており現状と課題について浮き彫りになったようだ。