”きもち分”は後払いで お坊さん便、ネットプロテクションズの「あと値決め」を「おきもち後払い」として導入

利根川 舞

10月24日をもって、Amazonからの撤退を発表した株式会社よりそう(以下、よりそう社)が提供する「お坊さん便」。この発表と同時に利用後に自分で支払う金額を決めることができる新しい決済方法「おきもち後払い」を「お坊さん便」に追加することを発表し、11月5日よりサービスを開始した。

1,300名の僧侶が登録!電話一本で法要を手配

株式会社よりそう お坊さん手配事業部
部長 小野敬明氏

「お坊さん便」はインターネットを通じて全国に僧侶を手配するサービスだ。全日本冠婚葬祭互助会が実施したアンケートによれば、1970年代から現在に至るまで、実施されたお葬式の9割が仏式である一方で、近年の都市化や核家族化により3人に1人が菩提寺にツテがない状況であるという。また費用の不明確さや法要後の僧侶との付き合い方などに対しても不安の声が多く、それらのニーズを吸収すべく「お坊さん便」は誕生した。

僧侶側としても、檀家だけに限らずに法要の機会を得られるということで、現在、全国約1,300名の僧侶が登録。菩提寺がない方でも電話一本で法要を手配できる仕組みを構築している。

ネットプロテクションズの「あと値決め」を利用した「おきもち後払い」

株式会社ネットプロテクションズ
企画ディビジョン あと値決め 主担当
専光 建志氏

「お坊さん便」は予め支払い費用を定めたサービスだが、 利用者の方より「仏事に対するお礼、 供養や信仰への想いから費用と別途お布施を渡したい」という申し出があったことを受け、選択肢の増加を検討。

そして今回提供開始されたのが「おきもち後払い」は法要実施費用の金額に加えて、「お坊さん便」の法事後に利用者自らが僧侶に支払う金額を決定できる決済方法だ。これにより、利用者の満足度に応じて”おきもち”を追加で支払えるようにすることで、僧侶に感想・評価をフィードバックし、葬儀・法要の品質向上を目指す。

「お坊さん便」の仕組みと伝統的なお布施の考え方を共に尊重しつつ、利用者の選択権を明示的に確保し、寺の仕組みに慣れていない利用者も不安なく使用できる。

「おきもち後払い」には株式会社ネットプロテクションズ(以下、ネットプロテクションズ)が提供する「あと値決め」の仕組みを利用。利用フローとしては、法要後にネットプロテクションズから送付される入力フォームにて金額を申請し、郵送される振込書類に従って銀行やコンビニから支払いをする。

利用フローイメージ利用フローイメージ

法要当日に直接お金を包むわけではないため、多忙な葬儀期間中にお金の心配をしなくて良いというメリットもある。

お布施は相場はあれど、決まった金額がなく、”お気持ち”とされており、不明確だ。またお布施とは別に”お車代”を包むこともあるが、お布施と同様に明確化されていない。この曖昧な金額に不安を感じている消費者が多い中で、「お坊さん便」では”定額”の料金形態(追加料金が発生することもあり)を定めたことは大きな話題となった。

今回の「おきもち後払い」は金額を自身で決められるものの、下限と上限を設けることで、利用者にとっても登録している僧侶にとっても負担の無い仕組みだ。

また、「おきもち後払い」リリースと同日、LINEでお坊さんと法事を自動でマッチングする「お坊さんスマート手配システム」の運用を開始。これまではコールセンターのオペレーターがアナログで手配をしていたところを、LINE公式アカウントを活用することにより、手配効率を最大120分の1にまで抑えて、法事手配の自動化を促進していくという。

+αの価値は”あと値決め”

「おきもち後払い」の入力画面「おきもち後払い」の入力画面

ネットプロテクションズが提供する「あと値決め」はファッションレンタルサービス「エアークローゼット」や家事代行サービス「家事代行のベアーズ」などにも導入されており、提供サービス自体への対価+αの金額をサービス提供者に支払うことができる。

現在はサービスECでの利用が多いようだが、物販ECの中にも商品だけでない価値の提供を掲げるEC事業者も多い。こうした「あと値決め」などのサービスによって、商品以外の価値すらも見える形で評価される日も遠くはないだろう。


記者プロフィール

利根川 舞

ECのミカタ 副編集長

ロックが好きで週末はライブハウスやフェス会場に出現します。
一番好きなバンドはACIDMAN、一番好きなフェスは京都大作戦。

ECを活用した地方創生に注目しています!
EC業界を発展させることをミッションに、様々な情報を発信していきます。

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