次なる市場はやはりASEAN!現地ユニコーン企業が語るASEANの今

利根川 舞

BEENOS株式会社(以下、BEENOS)は先日、『BEE GLOBAL CAMP プレスカンファレンス by BEENOS』を開催。BEENOSの代表取締役社長 直井氏による今後の戦略発表のほか、東南アジア市場で急成長中のユニコーン企業3社が登壇し、東南アジア市場の実態について語った。

創業20周年を迎えるBEENOS

BEENOS株式会社 代表取締役社長 直井聖太氏

カンファレンスの冒頭にはBEENOSの代表取締役社長 直井聖太氏が登壇。今後のBEENOSグループの事業戦略について語った。

現在、BEENOSグループはtenso株式会社の「転送コム」を中心とした越境EC事業と、アセアンの企業を中心に投資を行うインキュベーション事業に取り組んでいる。

同社は11月25日に創業20周年を迎えたが、今後は国内外の企業への投資活動を通して、日本の企業メーカーやコンテンツと海外のマーケットプレイスを繋げていき、日本企業が海外進出をしやすい環境づくりに注力していくという。

ASEANのEC市場で活躍する注目の3社

BEENOSグループでは年に1回のペースで投資先を中心とした、起業家のネットワークイベントを開催しており、今年は開催以来初の日本開催となる。

開催にあたって来日している企業の中から、インドネシア最大手のオンラインマーケットプレイスを展開するユニコーン企業「Tokopedia(トコペディア)」CEOのWilliam Tanuwijaya氏、東南アジアを中心にファッション・美容商品のBtoCオンラインマーケットプレイスを展開する「Zilingo Pte. Ltd」COOの Aadi Vaidya氏、ベトナムC2Cマーケットプレイス最大手である「Sen Do Technology Joint Stock Company(Sendo)」CEOのTran Hai Linh氏が登壇。現在のASEAN市場や日本企業の可能性などについて語られた。

「Tokopedia」では、インドネシアのどこにいても同じ商品を楽しめるようにしたいという考えのもと生まれたオンラインプラットフォームで、9000万以上のユニークユーザーを誇る。また、インドネシアの97%の地域からアクセスがあるという。

また、「Zilingo Pte. Ltd」はデータサイエンスとフィンテック技術を用いて、存在しなくても問題ない中間社を省き、サプライチェーン同士をつなげていくことで効率化や手数料の削減などに取り組んでいる。また、複数の金融機関と連携して加盟店をトータル支援し、加盟店の業務効率化も行なっている。

「Sen Do Technology Joint Stock Company(Sendo)」はベトナムのビジネスを創出することをミッションとしており、多くの起業家にプラットフォームを提供し、エコシステムを作り上げることで物やサービスをベトナムの人々に伝えていくのだという。

ASEANでの日本商品の評価はいかに

左:「Sendo」CEO Tran Hai Linh氏
左中央:「Zilingo Pte. Ltd」COO Aadi Vaidya氏
右中央:「Tokopedia」CEO William Tanuwijaya氏

越境ECの展開先として注目を集めているASEAN市場であるが、東南アジアの人々は日本や日本の商品についてどのように考えているのだろうか。

「Tokopedia」のWilliam氏によれば、インドネシア市場において、日本の製品は人気で中でもホンダやトヨタといった自動車メーカーやユニクロ、無印良品などのほか、漫画やアニメなどのポップカルチャーが人気なのだという。

「Zilingo Pte. Ltd」のAadi氏によれば東南アジアのファッションは、無印良品やユニクロなどの大企業にインスピレーションを受けているブランドも多いという。

また、「Sendo」のLinh氏は、「ベトナム人は日本製品が大好きで、高品質の代名詞になっている。どんな日本のブランドもチャンスがあると思う」と語った。

また、東南アジアでは可処分所得が増加していることもあり、ハイエンド商品に注目が集まっているのだという。日本メーカーの商品でもとくに日本製のものにニーズが集まっているのだそうだ。

直井氏も「今は中国に積極的な企業が多く、ASEAN市場に対して取り組んでいる会社は少ない。しかし、意欲がないわけではなく、今年に入ってからASEANに参入したいという企業が増えている」と語っていたが、ニーズをすでに察知し、参入を試みる企業が多いようだ。

しかし、まだまだ成功例は出ていない。「つまづいてしまっているのは、そもそも何をやっていいのかがわからない、という情報不足が原因」と直井氏。10年前に多くの企業が中国越境ECにトライした状況と同様で、一つずつ整理していく必要性があるのだ。

「ASEAN市場での日本のポジションは想像以上に落ちている印象で、コスメで言えば、韓国コスメの方が売れているんです。しかし、日本にはプロダクトの力もコンテンツの力もある。マーケティングや国に合わせた商品開発に適応する製造能力もあります。だからこそ、BEENOSグループとしてはそこを支援していって、日本企業がASEANでもしっかりとビジネスができる状況を作り、ASEAN市場で日本の商品を楽しんでもらえるようにしていきたいと思います」と直井氏は語った。

インフラの整備が進み、次なる市場として注目されているASEAN市場。すでにECモール Lazadaが大きなシェアを誇っているほか、Shopeeが急成長を遂げており、ポテンシャルの高さはすでに周知の通りだ。しかし、そういった市場で成功していけるかは、BEENOSのような支援企業の力はあれど、いかにEC事業者自身が本腰を入れられるかにかかっているだろう。


記者プロフィール

利根川 舞

ECのミカタ 副編集長

ロックが好きで週末はライブハウスやフェス会場に出現します。
一番好きなバンドはACIDMAN、一番好きなフェスは京都大作戦。

ECを活用した地方創生に注目しています!
EC業界を発展させることをミッションに、様々な情報を発信していきます。

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