ドコモ、Showcase Gigと業務提携で「d払い」内のミニアプリを強化
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)とモバイルオーダープラットフォーム「O:der(オーダー)」を手掛ける株式会社Showcase Gig(以下、ショーケース・ギグ)は12月5日(木)、資本・業務提携契約を締結。ドコモのキャッシュレスサービスである「d払い」のミニアプリ拡充と、日本の実店舗領域におけるモバイルサービス、およびOMOの浸透を図る。
d払いアプリ内のミニアプリを加速させる
ドコモは2018年4月から「d払い」アプリの提供をスタート。また、d払い加盟店がスマートフォン上で提供するサービスをd払い内で利用できるミニアプリを提供してきた。
一方でショーケース・ギグは国内初のモバイルオーダープラットフォーム「O:der(オーダー)」を飲食・小売業態向けに提供。 「O:der」プラットフォームは、 店舗利用者には「待たずに、 キャッシュレスでスマートな消費体験」を、 店舗運営事業者にはオーダー・清算業務の省人化による店舗運営の合理化やデジタルを活用したCRMなどを実現してきた。
今回の資本・業務提携契約により、ショーケース・ギグが保有する実店舗向けモバイルオーダープラットフォームをd払いのミニアプリプラットフォームと連携し、 双方が接点を持つ加盟店を中心に、 OMO(Online merges with Offline)ソリューションを提供していく。
また、双方連携した加盟店営業活動の実施によりd払いミニアプリの導入を加速させていく。さらには、ミニアプリやd払いの利用拡大に向け、 データを活用した加盟店向けマーケティングソリューションやコンサルティングサービスを提供していく予定だ。
2020年1月にはミニアプリ開発支援を提供開始し、春にはモバイルオーダー対応ミニアプリの第一弾をリリース。夏にはモバイルオーダー対応ミニアプリの第二弾と各種OMOプロダクトを随時リリースしていき、2020年度内には10,000店舗での利用を目指す。
7,200万人の会員基盤とデータを活用
ショーケース・ギグの代表取締役 新田 剛史氏は「ショーケス・ギグだけでは大規模なユーザーを扱ったり、本当に全国の消費者にソリューションを届けていくにはパートナーが必要。そこで、ドコモさんと提携することで、OMOソリューションをさらに加速させていきたいと思います」と語ったが、ドコモは7,200万人の会員基盤とこれらに関する莫大なデータを保有しており、サービス浸透を加速させるための大きな起爆剤となるに違いない。
また、ドコモ 執行役員 プラットフォームビジネス推進部長 前田 義晃氏は「もちろん決済をキャッシュレス化していく上で、たくさんの方々にお使いいただくことや、加盟店を増やすことも必要ですが、その中で一体提供できる価値を充実させていくことで、全体の普及がさらに加速するのではないかとショーケース・ギグさんも我々も考えております。2社でOMOという世界を加速させていけるよう、頑張っていきたいと思います」と意気込みを語っている。
ミニアプリ元年到来か
今年の6月にはLINE株式会社が「LINECONFERENCE 2019」においてLINE Mini appを発表。また、11月にはPayPay株式会社がミニアプリを提供開始しており、各社の動向を見ていくと2020年が日本おけるミニアプリ元年になりそうである。
そもそも、主に中国で使用されているWeChatにはミニアプリと同様のミニプログラムというものがあり、多くのユーザーに利用されている。また、実店舗で使用できるミニプログラムがあるほか、ミニプログラム上でECサイトを作ることもできるため、KOLなどが活用している事例も多数ある。
消費者の購買活動において、オフラインとオンラインの境はすでになくなってきているとも言えるが、OMOなどを含む技術の進歩や、データの活用により、消費者の購買活動の質は一気に良いものになるに違いない。