2019年の消費者はリアルとネットを行きかう・新しい購入方法はミレニアル&X世代がけん引 セールスフォースが最新の国内消費リポートを発表

ECのミカタ編集部

米国セールスフォース・ドットコム(日本法人:株式会社セールスフォース・ドットコム、本社:東京都千代田区、代表取締役会長 兼 社長:小出 伸一)は、消費者調査「Connected Shoppers Report(コネクテッドショッパーレポート)」の日本語版をリリースした。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

調査概要

Connected Shoppers Reportは全世界の1万人以上におよぶ消費者を対象に、ブランド、小売業者、オンライン市場における重要なテーマを掘り下げた新たな調査で、これまでセールスフォース・ドットコムが実施した中で最も広範な消費者調査だ。

同調査では、世界20カ国以上の消費者から数多くのインサイトを獲得しているという。日本で得られた501件の調査結果をはじめ、「サイレント/ベビーブーマー世代」「ジェネレーションX世代」「ミレニアル世代」「ジェネレーションZ世代」ら4世代の消費者についても調査を実施し、デモグラフィックに関わらずベンダーと消費者の関係について深いインサイトを提供するものとなっている。

日本における4つの最新トレンド

日本における4つの最新トレンド

セールスフォース・ドットコムのConnected Shoppers Reportでは、日本における以下4つの最新トレンドに焦点を当てている。

◆買い物客を奪い合う3つの販路「小売業者・ブランド・オンライン市場」

現在、消費者は常時インターネットに接続された状態にあり、個客に焦点を当て高度にパーソナライズされたエンゲージメントや、ブランドによる消費者への直接販売といった複数の新しいビジネスモデルが活用されている。そうした状況の中、ショッピングは以前とは全く異なる様相となっているようだ。日本の消費者の89%は、小売業者、ブランド、そしてオンライン市場の3つの販路で商品を購入している。

◆顧客エンゲージメントの再定義に伴いショッピングの在り方が進化

現代において小売はレジでの取引だけに留まらない。消費者はベンダーが自分を理解し、大切に扱ってもらっていると実感できたときにベンダーとの関係が強化される。実際、日本の買い物客の61%が特定のブランドで買い物をする傾向があると答えているのだ。同調査では、他では味わえないショッピング体験とプロモーションを提供することこそ、企業が顧客ロイヤルティを築く(そして利益を生む)ための重要な方法だと指摘している。

◆買い物客は、ベンダーチャネルから別のチャネルへと移行中

別の調査によると、デジタルタッチポイントの普及に伴い、世界の消費者は企業とのコミュニケーションに平均8つのチャネルを利用している。日本では、買い物客の10%がモバイルウォレット、6%がソーシャルメディア、4%がメッセージアプリを使って商品を購入している。

◆実店舗は依然として大きな需要あり

実店舗はディスカバリ、エクスペリエンス、およびフルフィルメントのハブへとその役割を進化させており、これまで通り消費者とのつながりを維持している。日本の消費者が店舗で買い物をする主な理由は、実際に商品に触れて体感するため、商品を即座に入手するため、そして店内を見て回りながら新商品を発見するためだ。同調査はまた、日本の買い物客の33%が、商品のオンライン購入・店舗受取りの経験があることを明らかにしている。

新しい購入方法はミレニアル・X世代がけん引

新しい購入方法はミレニアル・X世代がけん引

同調査ではまた、若年層の買い物客が購買力を高めるにつれ、世代間の違いが今後の小売業界における変革の手掛かりを示すという世界的な動向が明らかになったとしている。サイレント・ベビーブーマー世代は、やはり従来ながらの購買方法にこだわる傾向が強いようだ。

一方、ジェネレーションX世代からミレニアル世代そしてジェネレーションZ世代に至るその他すべての世代は、モバイルウォレット、メッセージアプリ、ソーシャルメディアなどの新しい購買方法を取り入れる傾向が高くなっている。

意外にもあらゆる新しいタッチポイントの導入をリードしているのは、ジェネレーションZ世代ではないという。音声アシスタント、ビデオチャット、チャットボット、ビジュアル検索、およびライブストリーム動画は、ジェネレーションZ世代よりもジェネレーションX世代とミレニアル世代で人気が高くなっている。

また小売業界にとって、11月と12月のホリデーシーズンは消費者の購買動機と習慣を理解する上で最も重要な時期だ。同調査は、日本の消費者のホリデーショッピングに影響を及ぼす主な要因として次の点を挙げている。1)実店舗で購入可能な商品ラインナップ、2)検索エンジン、3)送料無料またはスピーディーな商品配送。一方で、消費者のデジタル志向も一段と高まっており、日本人消費者の44%が今年のホリデーシーズンはショッピングアプリでの商品の購入を増やす意向だと回答しているという。

2019年の消費者はリアルとネットを行きかう

今回の調査では、日本の消費者は実店舗とオンライン店舗の垣根を越えて商品のチェックや購入、そしてサービスやサポートのリクエストを行っており、まさに「動くターゲット」の様相を呈しているとしている。

また、全体における購入の3%は、小売店やブランドが所有する店舗とは全く別の、新しいデジタルタッチポイントで行われていることも明らかになった。めまぐるしく変わるECと消費者を取り巻く環境だが、その最新のリアルな状況を浮き彫りにする調査となったようだ。


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