BUFFALOのLINE公式アカウントにAIチャット『モビエージェント』を導入 同時に1人のオペレーターが6人の問い合わせに対応可能に

ECのミカタ編集部

チャットボットを提供するモビルス株式会社(所在地:東京都品川区、代表取締役社長:石井智宏、以下「モビルス」)は、ハードディスクやネットワーク機器などを製造・販売する株式会社バッファロー(本社:名古屋市、代表取締役社長:牧 寛之、以下バッファロー)が、公式 LINE アカウントにモビルスの提供するチャットサポートシステム「モビエージェント」を導入し、オペレーター1人に対し6人に同時対応する効率的なオペレーションを実現し、入電数の低減と応答率の向上に成功したとしている。

顧客満足度の向上にもつながる

モビルス社はAIチャットボット(自動応答)と有人応答によるシームレスなチャットサポートを実現する「モビエージェント」をはじめとし、AIとモバイルテクノロジーを活用したソリューションを開発・提供している企業だ。現在、企業や自治体など160社への導入実績があり、業務効率化やコミュニケーション活性を実現しているという。

これまでバッファローでは限られたオペレーター数の中、製品などに関する利用者からの入電数が月約10万件にのぼっていたそうだ。そのため入電に対する応答率は約30%と、利用者には待ち時間が発生してしまうことが課題となっていた。

そこでバッファローは、新たな問合せ窓口を増やすことで入電数を減らし、利用者を待たせない環境づくりを目的に、2017年にLINE公式アカウント上でのオペレーターによるチャットサポートを開始、2018年よりモビルスの提供する「モビエージェント」を導入した。

オペレーター1人に対し6人に同時対応する効率的なオペレーション体制の構築、入電数の低減と応答率の向上を実現したとしている。また、これまで電話では説明しづらかった製品の状況などが画像送付によって伝わりやすくなったほか、利用者はLINE上から場所や時間を選ばずに問合せが可能となったことなどから顧客満足度の向上にもつながっているという。

「モビエージェント」活用の概要

「モビエージェント」活用の概要

モビルス社がまとめるサービスの概要は次の通りだ。

◆1対6のオペレーター体制を実現

チャットにおける利用者からの返答待ち時間を活用し、その間に他の顧客対応を行うことで、オペレーター1人に対し6人への同時対応という効率的なサポート体制を実現。

◆リアルタイムな稼働状況が把握でき導入翌月に適切な席数を導きコスト削減を実現

各オペレーターの現在の対応数や一日の対応総数、現在の対応待ち顧客数などを一目で把握可能なモビエージェントの管理画面で対応数を分析。同時に入る問合せが平均約40件と全てのオペレーターが稼働する状況でないことが分かり、翌月からチャット対応オペレーターの席数を十数席から7席と適切な席数に調整して結果としてコスト削減を実現できた。

◆統計情報の分析で、顧客満足度と生産性向上を実現

1件あたりの対応時間、平均対応時間、チャット開始後の顧客からの放棄数などの統計情報の取得・分析することで、さらなる顧客満足度・生産性向上を実現する運用体制の構築を追求している。

テクノロジーで課題を解決

株式会社バッファロー 品質・技術部 CS 課 課長 嶋田豊秋氏、市場サポート係 八釼麻里氏から次のようなコメントが述べられている。

「コンタクトセンターと違う拠点で管理しているため、混雑状況などをリアルタイムで把握し、適切な運用体制を築きたいと考えていました。モビエージェントは、まさに課題としてたことを解決できるシステムだと思い、導入を決めました。コールセンター業界全体が人手不足で人材の取り合いになり、単価が上がってきています。これからは人を囲って対応するやり方はできなくなると考えています。今取り組んでいるチャット対応やよくある質問の解説動画に加えて、今後はAIを活用したオペレーター支援のシステム構築など、テクノロジーを活用し、コールセンター業界の人材不足課題へ対応していきたいです」

なおバッファロー社のコンタクトセンターの運用は、業務委託先である株式会社エヌ・ティ・ティマーケティングアクト(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:横山桂子)と共同で取り組んでいるとのことだ。

EC市場においても顧客対応は消費者とのロイヤリティ醸成やブランド価値の向上のためにも重要な要素だ。一方で両社も述べているようにカスタマーサポートなどを実行する場合に、人員の確保やサービス品質の安定化などハードルも少なくない。こうした課題に対応するのがAIの力だ。テクノロジーの力によって、より良い顧客との関係が構築される、そんな世界がまさに現実のものとなっているようだ。


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