自動で喋る?チャットボット導入のメリットと選び方を紹介

チャットボットというものをご存知でしょうか。企業やお店のウェブサイトなどで見たことがあるという人もいるかも知れません。チャットボットは企業にとって大きなメリットとなる技術なのですが、具体的にどの様なメリットがあるのかわからないという人も多いでしょう。この記事では、チャットボットのメリットと選び方について紹介していきます。

チャットボットとは

チャットボットとは、chatとbotを組み合わせた造語です。チャットというとネット上でリアルタイムにコミュニケーションをするものというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、英語で雑談という意味があります。botはrobotを略したもので、チャットボットとは「会話」と「ロボット」という意味になります。つまり、顧客と自動で会話をするロボットやプログラムのことをチャットボットと読んでいるのです。チャットボットは近年、ユーザーと企業をつなぐコミュニケーションツールとして注目が集まっています。

ルールベース型
チャットボットには大きく分けて2種類がありますが、その内の1つが「ルールベース型」です。ルールベース型のチャットボットは、定型的なルール通りの応答のみを行うのが特徴です。したがって、ルールベース型の場合は管理者が予めデータを入力しパターンを作成する必要があります。そうすることによって、パターンのシナリオ通りに回答させることが出来るのです。

機械学習型
チャットボットのもう1つのタイプが「機械学習型」です。機械学習型はその名の通り、利用者との会話履歴など大量のデータを使ってAIが学習していきます。それによって、質問や問い合わせの内容に合った最適な回答をするというものです。学習型は利用者が増加すればするほどデータが蓄積されるということになりますので、データが蓄積されていくに連れて、より自然な会話が出来るようになります。



チャットボットの歴史

チャットボットというと最近出てきた技術と思っている人も多いかもしれませんが、チャットボットが初めて世に出てきたのは1960年代と言われています。チャットボットの元祖とも言われているのがELIZA(エライザ)というもので、人間が入力するテキストに対してデーターベースにある複数のパターンから応答をするという簡易的なものでした。その後、マイクロソフトがOffice97のExcelにヘルプメッセージなどを表示する「オフィスアシスタント」と呼ばれるチャットボットを搭載します。日本語版ではイルカのキャラクターが標準で、Office2003までのユーザーであれば見たことがあるという人も多いでしょう。

チャットボットが身近になった立役者とも言えるのがiPhone 4sからiPhoneに搭載された「Siri」です。音声入力に対して回答をしてくれるというのが画期的でした。その後チャットボットサービスは加熱していき、マイクロソフトやGoogleなどがスマートスピーカーを発売していますし、ウェブサイトにチャットボットを搭載するというケースも増えています。

チャットボットの活用例

チャットボットの身近な活用例ですが、チャットボットがこれだけ注目されるようになったのはスマートフォンとSNSの普及に要因があります。iPhoneシリーズであればSiri、AndroidであればGoogleアシスタントを1度は利用したことがあるのではないでしょうか。また、スマホユーザーであればLINEを利用している人が多いでしょう。LINEでは公式アカウントなどにチャットボットが実装されていることが多いです。LINEのアカウントを友達登録するだけで、問い合わせや荷物の配達状況、電車の乗り換え情報などをLINE上で聞くことが出来るというものです。

アパレル系のアプリではおすすめのコーディネートを聞くことが出来るというものもありますし、ウェブ上では質問をすることが出来るチャットボットもあります。携帯電話キャリアのサイトなどで料金プランの相談などをしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。チャットボットは民間だけではなく自治体などでも活用されており、ごみの分別方法に悩んだ時にこのごみはどのごみで出せば良いのかなどを教えてくれます。

チャットボット導入のメリット

チャットボットを導入することによってどの様なメリットを得ることが出来るのかを紹介していきます。

業務の効率化
1つ目のメリットは「業務の効率化」です。特にカスタマーサービスにおけるチャットボットで、チャットボットが自動で答えてくれるため、従来のように人間がイチから個別に対応する必要がなくなります。かんたんな問題であればチャットボットだけで解決することが出来ますので、人間は複雑な質問に集中して対応することが可能です。

顧客接点の増加
2つ目のメリットは「顧客接点の増加」です。チャットボットは、顧客が情報がほしいと思った時に手軽に利用することが出来ます。従来のような電話や個人情報を入力しての問い合わせや資料請求するというのは躊躇してしまう人も多いです。問い合わせのしやすさやスピーディーさによって顧客接点の増加が期待できるので、ビジネスチャンスを逃しにくいのです。

業務の効率化
3つ目のメリットは「顧客満足度の向上」です。チャットボットは人間が対応するわけではありませんので、24時間365日対応が可能です。深夜や早朝など顧客のライフスタイルに関わらず要望に応えることが可能です。また、何か疑問に思ったことの回答をネットで検索してさまよってしまう人も多いですが、チャットボットで対応することが出来ればユーザーは検索疲れでストレスを感じることがありません。チャットボットの利便性の高さによって顧客満足度の向上が期待できるのです。

チャットボットを選ぶ時のポイント

チャットボットを導入する際にどの様なポイントをチェックする必要があるのか紹介していきます。

目的を明確に
まずはチャットボットを何のために導入するのか目的を明確にしましょう。オペレーターの削減などコストを抑えたい場合にはオペレーター業務に向いたものを選ぶ必要があります。顧客満足度の向上であれば回答の正確性が高いものや早い対応が可能なものが必要ですし、購入回数を増やしたいのであれば、機会損失を防ぐ商品に関する疑問などについて素早く応えられるチャットボットが必要です。合っていないものを選んでも目的を達成することは出来ないので、まずは目的を明確にして合ったものを選ぶ必要があります。

種類を選ぶ
チャットボットには、ルールベース型と機械学習型があります。質問内容が事前に回答を用意することが出来る簡単なものであればルールベース型で良いですし、想定できない質問が多い場合は機械学習型で様々なものに対応できるようにしなければなりません。顧客の満足度にも繋がる部分なので、非常に重要な選択になります。


対応するSNSは?
最近はSNSからサイトにアクセスするケースも多いので、自社サイトにもその様な傾向が強い場合はFacebookやLINEなどのSNSと連携しているチャットボットを選んだほうがいいでしょう。また、自社でアプリの配信などを行っている場合には、チャットボットがアプリと連携できるかどうかの確認も必要です。アクセス解析などでユーザーがどのような媒体を利用しているのかを確認し、選ぶ必要があります。

企業にも顧客にもメリットが大きい

チャットボットのメリットや選び方を紹介してきましたが、理解はできたでしょうか。チャットボットを導入することによって、企業にとってはもちろん、顧客層を意識して種類を選べば顧客にとっても利便性が高く、導入するメリットは非常に大きいです。チャットボットを導入することで顧客の要望に応え、業務を改善しましょう。