チラシから読み解く新型コロナウイルスの影響|4月最終週のチラシは前年と比べ84%減
株式会社ドゥ・ハウスは、スーパーなどの新聞折り込みチラシの企画内容について集計分析した結果をまとめ、毎月レポートにしている。
今回と次回5月号は新型コロナウイルスの影響で大きく変化したチラシ発行の現状や、その内容の変化について、カバーしているすべてのチェーンのデータからレポートした。
毎週5%ほど減少しているチラシの発行数、緊急事態宣言直後には10%近く減少
2020年4月と、2019年のチラシの発行状況を比較したところ、毎週5%程度の割合で減っていたことがわかった。
緊急事態宣言が全国に出た直後の4月4週は10%近い減少が見られている。
コロナウイルスの対策として、チラシの発行を停止する企業は3月時点でもあったが、4月ではより多くの企業がチラシの発行を停止していたようだ。
減少率は東日本大震災時に迫る!4月最終週は前年比84%減。
2020年の4月1週~4月5週のチラシ発行枚数は10,441枚で、2019年の18,202枚と比べて半数近く減少していた。
各業態のチェーンのチラシ発行状況は20%ほどで、枚数も大きく減少しているという結果になった。
GWに差し掛かり、行楽企画やこどもの日の企画が入る4月最終週に至っては、発行が確認されたのは601枚のみ。前年の発行枚数の3,581枚と比べ16%しか発行されておらず、東日本大震災以降ここまでの減少は初めてのこととされている。
自宅で過ごす時間が増えた影響でメニュー提案は「総菜」が中心に
自宅で過ごす時間に合わせて、メニュー提案にも変化が現れた。
チラシに掲載されるメニュー提案は「和食」「総菜」「サラダ」等が中心となり、提案回数としても「和食」や「サラダ」に該当するメニューが上位になっていた。
自宅で食事をとる回数が増えるのに合わせて、「総菜」も提案に盛り込まれている。
企画内容としてはイースターが中心で、卵を使ったメニュー提案や、春野菜を使用したメニューの提案が目立った。
アナログチラシの発行は減少しても、デジタルチラシに移行していくという手もある。消費者が必要としている物を窺い知れるチラシは、今後も需要が高まるだろう。