フューチャーショップがコロナ禍におけるEC購買動向への影響を調査 店舗の月商平均726万円(昨対比151.87%)に

ECのミカタ編集部

株式会社フューチャーショップは、同社が運営する「futureshop」シリーズの2020年4月〜6月流通額とコロナ禍の関係について明らかにするレポートを公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

4月〜6月流通額は432億円(昨対比143.10%)

株式会社フューチャーショップ(本社:大阪市北区、代表取締役:星野 裕子、以下「フューチャーショップ」)が運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの2020年4月〜6月流通額は432億円、昨対比143.10%だった。

同社は、その状況から、同期間中に発生した新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言による外出自粛や巣ごもり状況下でのEC利用が拡大したと考えられるとしている。また、開店準備中や閉店中の店舗を含めた1店舗あたり月商平均は549万円(昨対比133.01%)で、そのうち期間中の開店継続店舗に限定すると、月商平均726万円(同151.87%)という結果だった。

7つの業種で流通額が昨対比で200%を突破

また同社は、どの業種のEC利用が拡大したかを調査すると、7つの業種で流通額が昨対比で200%を突破したことが分かったとしている。業種は、サービス申込時に申告した内容にて分類されている。

この結果から、期間中に販売が伸びた業種は、下記3つの要因が関連したと考察している。

◆生活必需品、日用品として需要増

・キッズ・ベビー・マタニティ
・食品
・下着・ナイトウエア

◆在宅時間が増加し生活を豊かにしたい

・楽器・音響機材
・キッチン・日用雑貨・文具
・ワイン・ビール・洋酒

◆リモートワーク対応で急きょ手配

・インテリア・寝具・収納

「巣ごもり」でもスマホからのEC利用が多数

月別に見ると、外出自粛が求められていた4月から5月の注文件数昨対比が約2.5倍に急増。緊急事態宣言期間中は自社ECの利用増加が加速。緊急事態宣言が明けた6月には少し加速が落ち着いているようにも見えたが、これは店舗の営業再開や営業時間の正常化が始まったことにより、購入場所が分散されたことの影響ではないかと考察している。

また、6月をデバイス別に見てみると、PCよりもスマートフォンの加速が落ち着いた、という結果が出ているそうだ。この結果から、「実店舗の営業再開がスマートフォンメインでECを利用する方に影響を与えた」という仮説を立ててみると、スマートフォンでのEC利用ユーザーは、ショッピング行動自体にアクティブな一面が見えてきそうだ。

「場所を限定されずに購入できる」というスマートフォンの利点がありながら実店舗の営業再開に影響を受けたことから、EC内での商品検索にとどまらず、EC・実店舗といったチャネルにこだわらず、生活者がその時々で最も優先したい理由(実際に試着してそのまま購入したい、商品券が利用できる、荷物を運んできてくれるECで購入したい、など)が実現できる場所で購入するという、チャネルを超えた購買行動の進行を示唆しているように思えるとしている。

その上で、スマートフォンを中心にECや実店舗、そしてSNSやコミュニケーションツールといった多くのチャネルから情報を集め、最終的に購入する場所はECや実店舗にこだわらないアクティブなショッピング行動は、今後も増加すると予想している。

まとめ買いによる単価増の影響は無いか軽微

対象店舗では、まとめ買いによる単価増は見られないようだ。特に、緊急事態宣言の影響を強く受けた4月から5月にかけては、単価が4%から8%ほど減少した。

業種別に見てみると、生活密着型の業種でもまとめ買いは発生していないように、結果から考察されるとしている。

・食品(昨年同期間比PC:91.24%、SP:92.68%)
・キッチン・日用品雑貨・文具(同PC:92.11%、SP:98.58%)
・水・ソフトドリンク(同PC:99.55%、SP:90.43%)

この結果は、下記3つの理由が大きく関与していると分析している。

[1]
新規購入が増加した(一般的に、リピート購入時はより単価が高額になる傾向がある)。

[2]
法人の発注が減少。

[3]
futureshopでは購入時の個数制限が設定できるため、なるべく多くの人に届けたい商品に適用するなど、EC事業者側の配慮。

クレジットカード、コード決済の割合が増加

決済手段については、クレジットカード、ID(コード)決済の割合が増加し、現金・その他決済は減少。現金・その他決済の比率は3割程度まで減少していた。なお、このグラフでは対象店舗の注文件数をすべて合算し、算出しているという。上記3つの決済手段すべてを導入している店舗に限定していないため、3つの決済手段すべてを導入している店舗の場合は、さらにキャッシュレス化の波が迫っていることが予想されるとしている。

続いて決済方法の成長率を調査すると、ID決済の成長率がトップだった。6月末にキャッシュレス・消費者還元事業は終了し、今後のID決済やクレジットカードの利用状況に影響を与えることも想定されるが、利便性浸透と今後のID決済手段増加、つまり8月のPayPay(オンライン決済)連携、11月のd払い連携により自社ECでの利用機会が増加し、今後も利用増加が見込まれると予測している。

まとめ

これまでの調査から同社は、コロナ禍にあった生活者の購買行動について下記のようにまとめている。

◆2020年4〜6月のEC利用と新規顧客利用が増加

[1]
緊急事態宣言中の4月〜5月は去年の同時期と比べ、EC利用が激増した。

[2]
緊急事態宣言明けの6月は実店舗の営業再開が始まったものの、ECは継続して利用増加。意外にも、PC経由よりもいつでもECが利用できるスマートフォン経由のほうが実店舗営業再開の影響を強く受けた。

[3]
新規顧客利用増。

[4]
スマートフォン経由での購入割合増加。

◆EC利用が増加しキャッシュレス化が進む、顧客単価の変化は軽微

[1]
コロナ禍の中でもまとめ買いは発生せず。新規利用の増加、法人利用の減少、生活必需品など多くの人が必要な商品の購入個数制限が影響している可能性が高い。

[2]
決済方法はクレジットカードやID決済利用が増加。外出や対面での支払いを回避したい気持ちや、キャッシュレス・消費者還元事業が影響を与えた可能性が高い。

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新型コロナウイルスによる感染拡大の影響によって、防疫の観点から人と人との接触が制限され、その結果として商品の流通面でECが果たす役割が大きくなっている。また調査からは、緊急事態宣言が解除された6月も自社ECの利用が増加したことが浮き彫りとなっており、今後もEC利用の増加傾向が継続されることになりそうだ。

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