「D2Cに自信」コアラマットレスが家具全般に進出、ブランド名も変更
寝具ブランド「コアラマットレス」を展開するKoala Sleep Japan 株式会社は19日、家具事業に本格参入すると発表した。実店舗を持たないD2Cでの販売ノウハウを横展開させ、さらなる事業拡大を目指す。ブランド名も「コアラ」に一新。家具第1弾として「ソファーベッド」の販売開始を発表した。
ワインこぼれない「マットレス」が話題に
同社は2015年にオーストラリアで創設。17年に日本に参入した。D2Cを採用し、実店舗を持たない一方でSNSや体験会などのイベントを通し、顧客との接点を設けていた。
寝具は一定期間使い続けないと効果がわからない、との発想から「120日間返品可能」としたことも他社にはない試みだった。ワイングラスを置いてあるマットレスの上に男性が飛び乗っても倒れない、という動画も一躍話題になった。
同社は2015年の創業1年目で13億円を売り上げている。昨年度の売上高は前年比235%で、日本での事業も拡大している。新年度も2〜3倍の成長を目指しているという。
コロナでも好調「D2Cモデル」
新商品発表会見で、同社代表兼マーケティングディレクター・アダム翔太氏は「コロナでも、顧客本位の活動で急速に成長した」と胸を張った。
もともとD2Cモデルを採用し、SNSなどを活用して成長してきた同社にとって、コロナによる影響は他社に比べて小さかった。「D2Cにおいてカギは適応力だった」(アダム翔太氏)といい、コロナ禍にも素早く対応。それまでに企画していたライブ配信イベントを、24時間で形にしたこともあったという。むしろコロナによってオンラインショッピングをする人が増えたことで、かえって有利に働いたとも言える。
「実店舗に割いていたコストを使い、商品の価格を抑えることにつなげる」。アダム翔太氏は会見で、こうしたビジネスモデルを今後も続けると明言してこう語った。
「マットレスの発売を始めた際、『寝具を売る』という状況にまだ革命が起きていなかったことを知っていた。(今後家具を展開する際も)マットレスを売る際のニーズに応えることと同じだと思っている。勝算には自信がある」