コロナ禍でフィットするマーケ施策とは?ニールセンデジタル社が最新の消費者マルチスクリーン利用動向調査の結果を公表

ECのミカタ編集部

視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタル株式会社(東京都港区、代表取締役社長 宮本淳)は、消費者のマルチスクリーンの利用動向調査「ニールセン デジタル・コンシューマー・データベース2020 (Nielsen Digital Consumer Database 2020)」をもとに、消費者のマルチスクリーン利用状況についての分析結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

ネット利用増加に合わせた最適化が必要

消費者が実店舗での買い物によってCOVID-19に感染することを恐れるという心理的影響を受けて、店舗で買い物する場合には、滞在時間を減らすためにオンラインで事前に商品を検討した上で買い物に向かうケースが増えていると考えられるだろう。実際に大半のカテゴリーにおいて、オンラインで検討してから店舗で購入する人の割合が昨年から大きく増加している(図表1)。

増加したカテゴリーの一つとして化粧品がある。店舗で充分に検討時間を取れた時は使用感を実際に試した上で購入できたが、現在ではそれが難しくなっている。使用感を想像するためにオンラインでの検討時間をこれまで以上に確保したり、ブランドのWebサイトはもちろん、これまで以上に様々な情報源を参考としたりするようになったと言えそうだ。

このようにオンラインで検討する人の割合が増加したことは、マーケティング担当者にとってチャンスともなり得る。このチャンスを活かすために、オンラインショッピングサイトや商品の公式サイトなどでは商品の検討に必要な情報が見やすくまとまっているかなど、改善の余地がないか確認する必要がありそうだ。

在宅勤務を考慮したメディアプランの立案が必要

一部の企業では在宅勤務が継続して推奨されているなか、勤務時間のメディア消費に変化が表れているようだ。勤務する場所がオフィスから自宅などのプライベートな場所に変わったことによって、スマートフォン以外のデバイスも活用して、まとまった時間をコンテンツ消費に充てるようになったからだろう。実際に在宅勤務実施者においては、勤務中にSNSを利用したり音楽やラジオを聞いたり、休憩中にテレビ・動画コンテンツを見る時間が増えている(図表2)。

オフィスで働いていた時は、休憩中にスマートフォンから動画・音楽コンテンツを消費したり情報収集したりすることで一息ついていた。それがプライベートな場所に変わったことで周りに気を遣うことなく、自由にメディアを消費できるようになったと考えられる。このように在宅勤務に変わったことで新たなメディア消費動向が生まれました。新たに生まれた生活習慣を持つ消費者とコミュニケーションを取るために、特にリアルタイムのテレビやラジオへの広告出稿においては、平日の昼間には在宅勤務者を考慮に入れた上でメディアプランを立案することが重要となりそうだ。

情報感度の変化に合わせた施策が必要

COVID-19の影響によりSNS上でさまざまなフェイクニュースが広まったことで、情報を簡単に信用しないように心掛ける人も増えていることが考えられる。その結果、消費者の情報に対する信頼度が変わることにもなりそうだ。実際に昨年と比較して、インターネット上の消費者の口コミに対する情報の信頼度が低下していた(図表3)。

また年代別では、若年層では昨年と比較して大きな差はなかったが、高齢層においてインターネット上の消費者の口コミに対する信頼度が低下していた。高齢層は若年層と比較してSNSを最近使い始めたケースが多いために、情報の真偽を判断するスキルに長けていない人も多いと考えられる。そのためSNS上でフェイクニュースが増加したことに対して、過剰に反応していると見ることができそうだ。

このように情報に対する信頼度が変わっていることを受け、消費者とコミュニケーションを取る際にはターゲットの信頼度の高いメディアを選定することや、メッセージを誤解が生じにくい内容にすることが重要となる。またインターネット上の消費者の口コミに対する信頼度が低下していることを受け、特に高齢層ではブランドのWebサイト等を通じたブランド側からの積極的な情報発信が必要になりそうだ。

ニューノーマルに対応した施策が必要

同社シニアアナリストの宗像直樹氏は、次のように述べている。

「都市圏で継続的に一定の感染者数が記録され、COVID-19の影響が継続している現状を考慮すると、今後少なくとも数ヶ月はオンラインで検討してから店舗で購入する人の割合が増加した状態、在宅勤務者による新たなメディア消費や情報の信頼度が変化した状態は継続する可能性があるでしょう。消費者とのコミュニケーションにおいて、マーケターはニューノーマルにおいてターゲットの行動・意識の変化を正確に把握した上でメディアプランを立案することが重要です」。

COVID-19により日本の消費者の生活は大きく変化した。現在においては影響を受ける前に戻りつつあることもある一方、今後もしばらく継続することになりそうだ。また、「戻りつつあること、今後も継続すること」は、緊急事態宣言の解除された5月下旬と現在では変化している。マーケティング担当者が新常態の消費者とコミュニケーションを取っていく上では、COVID-19の影響を受ける前から変化したこと、今後もしばらく継続することの要素を理解することが重要となりそうだ。

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