ゴールドウィン サイト刷新でO2O関連の機能強化
スポーツ用品大手のゴールドウインは9月10日、通販サイトを刷新した。通販と直営店の会員情報の一元化など、O2O関連の機能を充実させたのが特徴。今後はウェブと実店舗の壁を取り払った形で販促を進めていく。
同社では2010年11月に通販サイトと直営店のポイントを統合していたが、会員情報は一元化していなかった。O2O関連の強化を目指し、9月に通販システムを一新。年明けにも通販サイトと直営店の情報を統合する予定だ。今後、会員登録の窓口はウェブサイトに一本化する。会員数は、直近2年間に購入実績のある直営店の会員が27万人、通販サイトはこれとほぼ同数で、購入実績があるのは6割程度だという。顧客の購入情報を一元的に管理することで、より効率的な販促を行う。
具体的にはメールマガジンをこれまで以上に活用する。ウェブサイトのメルマガだけではなく、最近は「ノースフェイス」など同社が扱うブランドごとのメルマガを配信しており、直営店の情報を掲載することや、直営店のブログを増やすことで店舗への送客を図る。また、顧客一人ひとりの購入履歴や居住地域にあわせたメルマガの配信も計画している。
さらには、O2O関連のサービス拡大を目指す。サイトから直営店の在庫情報を確認できるようにしたり、サイトで購入した商品を店舗で受け取れるようにしたりする計画もある。同社では「試着のほか、いつも行く直営店には在庫がないが通販サイトにはある、といったケースも考えられるため、需要はそれなりにあるのではないか。ネットで商品を買うことに対するハードルを下げていきたい」(ダイレクトマーケティンググループ)としている。
2013年3月期の通販売上高は、前期比30・7%増の9億5000万円だった。「リピート率が目立って上がっているということはないが、会員数が着実に伸びているのが増収要因」(同)だ。このうち、スマートフォン・タブレット経由の売上高は2割を占めており、内訳は「iPhoneが約3分1、iPadが約3分の1、その他が約3分の1」(同)という。2年前のスマホ比率は約6%だったため、着実に伸びている。今後はパソコン向けサイトではトップページに自動的に表示される「オススメ商品」「週間ランキング」の仕組みも取り入れたい考えだ。
同社では2010年11月から会員限定で、購入金額によらず送料を無料としていたが、サイト刷新後は2000円以上の購入で無料とし、それ以下は500円の送料を徴収するようにした。これは「1000円台の注文がかなり増えてきた」(同)のが原因だ。
刷新後は購入単価が上昇しており、送料無料を取りやめたことに関しては「今のところ苦情などはない」(同)という。今期の通販売上高は、前期比26・3%増の12億円を見込んでいる。