フューチャーショップの流通額が昨対比141%の382億円に(2020年7月〜9月)コロナ禍でEC利用が定着化・消費動向の変化も

ECのミカタ編集部

株式会社フューチャーショップは、同社が運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズ2020年7月〜9月の流通額について公表した。

コロナ禍によってECシフトが恒常化か

株式会社フューチャーショップ(本社:大阪市北区、代表取締役:星野 裕子、以下フューチャーショップ)が運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズ2020年7月〜9月の流通額について公表した。それによれば同期の流通額は、実に382億円(昨対比140.57%)となった。

同社は、緊急事態宣言解除後も、EC利用は変わらず増加傾向にあり、習慣化しつつあると推測。また、この期間中はfutureshopシリーズ稼働中店舗が2700店舗を突破したという。生活者の在宅機会増を受け、顧客接点を強化すべく、EC・デジタルマーケティングにさらなる注力をしている企業が急増している一面も見受けられるとしている。

流通額昨対比TOP5

調査期間中、流通額の昨対比が高い順から5つ業界が記されている。「キッズ・ベビー・マタニティ」「水・ソフトドリンク」「食品」などの生活必需品や日用品が並ぶほか、外出機会の増大にも伴い、「車用品・バイク用品」「バッグ・小物・ブランド雑貨」が上位にあがった。

注文件数は、すべてのデバイスで増加

また下記の4項目について、期間中の生活者のEC利用状況を調査。調査対象は、2019年・2020年7月〜9月の期間中、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出している。なお、先日の同社プレスリリースで2020年4月〜6月の利用状況を調査した店舗とは異なる店舗構成となっている。

◆注文件数の変化

対象店舗の注文件数については、すべてのデバイスにおいて増加した。2020年7月〜9月期はデバイス全体の注文件数が昨対比166.15%だった。月別に見ると、2020年9月にわずかな落ち込みが見られるが、これは昨年同月、2019年10月1日に実施された消費税の税率変更前のかけ込み需要の影響と考えられるとしている。具体的には軽減税率が適用されないアイテムで、高価格帯のもの、もしくは保存が効き、常備できるものの売上が昨年9月は高かった結果、この数字に反映されたと推測している。

今回の調査結果は、コロナ禍での緊急事態宣言により、外出を自粛されていた2020年4月〜6月よりは落ち着きを見せたものの、依然としてEC注文件数は高い水準にあった。判断材料として、経済産業省が令和2年7月に公開した「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、金額ベースではあるが、BtoC 物販EC市場全体の2019年の伸び率は8.09%(表内の表記と合わせると昨対比108.09%)だった。そのため調査対象となったfutureshop継続利用店舗は、生活者の支持を集め、売上アップを実現したとしている。

◆購入単価の変化

表3は購入単価の変化を示している。PC経由がスマートフォン経由よりも2割程度高い、という結果は前期の調査と変化がない。9月の数字が購入単価としては期間中高いものの、前年同月比としてはわずかに低い数字を示したことから、前年の消費税増税前の駆け込み需要はまとめ買いが発生していたことが伺える。


◆新規顧客利用状況

緊急事態宣言後の期間中、新たに会員登録された顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗の平均増加率を月ごとに調査した結果が表4だ。なお、会員機能を利用していない店舗は、調査対象から除外しています(n=494で調査)。結果は期間中平均が205.35%と、昨年同期間と比較し新規利用が急増している結果となった。実店舗も再開しつつある中でも新規顧客数が2倍になったことから、生活者のEC利用が継続、そして定着化してきたと判断する一因になるとしている。

前期の調査ではコロナ禍でのEC利用が急拡大、また今回の調査でも継続して新規利用が増加していることから、EC利用が習慣化されつつある一面が伺えるようだ。外出機会が減少、在宅時間が増加しているこの状況下では、自社ECは単なる販路としての役割だけではなくなる。SNSやオウンドメディアなどと自社ECを組み合わせ、顧客接点としてつながりを創り、ファン化を促進するなど、交流の場としての役割が強くなると推測されるとしている。

◆決済手段の変化

2020年7月〜9月の決済手段も前期同様の方法で調査を行っている。利用された決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つに分け、各月の総注文件数を1とした結果がグラフ1だ。

EC利用の定着化と変化する購入動向

同社では今回の調査から、生活者の購買行動について下記のように考察している。

◆ECでの商品購入傾向が変化

「流通額が伸びた業界から判断すると、商品購入傾向が変化。継続して生活必需品が購入される一方、外出する機会の増加を示唆。『小物・ブランド雑貨』の流通額の増加は久しぶりに友人などと会っている姿が読み取れるか。また、『現金・その他』支払いの件数がプラスになったことからも、外出機会が増えたことが読み取れる」

◆EC利用の定着化

「実店舗再開が進む中でも新規顧客利用が200%を継続して超えたことから、コロナ禍によって拡大したEC利用の習慣は定着化しつつあると考えられる。今後はECが販売の場だけではなく、継続的なコミュニケーションの場として役割が出てくると考えられる」

このように、ECプラットフォームとして存在感を発揮する同社の調査によっても、コロナ禍によってEC需要が劇的に高まり、またそのニーズは定着しつつあることが明らかとなったようだ。また以下に同社が今回の調査に合わせて公開しているインフォグラフィックの一部を紹介する。

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