【ECサイトの購買行動/ブランド意識調査】価格差がなければ「直販」を選ぶ人は半数以上

ECのミカタ編集部

生活者起点のリサーチ&マーケティングを行う株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)では、全国の男女1,000人を対象にオンラインショッピングでの購買行動やブランドへの意識調査を実施した。

調査概要

【調査方法】
株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式
【調査対象】
・アイリサーチ登録モニターの男女
・メーカー直販の通販サイトで購入経験がある人
・半年に1回はオンラインショッピングをする人
【有効回答数】
1,000名
【調査実施日】
2020年10月22日~2020年10月26日

価格差がなければ「直販」を選ぶ人は半数以上

価格差がなければ「直販」を選ぶ人は半数以上

「ファンであるブランドの商品をオンラインで購入する際の行動」について調査したところ、「だいたい直販を選ぶ」、「その他のサイトと値段に差が無いのであれば直販を選ぶ」と回答した人が55.9%となり、ショッピングモール系サイトを優先する人を22.2%上回る結果となった。

「だいたい直販を選ぶ」、「その他のサイトと値段に差が無いのであれば直販を選ぶ」と回答した人に理由を聞いたところ、「アフターケアや保証がしっかりしていそうだから」などのアフターサービスに期待する意見が多数あげられた。一方で、メーカー直販の改善点としては「交換返品が面倒」、「発送時など、タイミングごとにこまめに連絡が欲しい」などの保証や連絡不足などサービス体制に関する意見が上がっているため、直販に期待するサービスと現実のサービスには乖離があると考えられる。

86%が「オンライン通販での購入経験あり」

86%が「オンライン通販での購入経験あり」

「あなたはこれまでにオンライン通販で商品を購入した経験はありますか」と質問したところ、86%が「ある」、14%が「ない」と回答した。

「利用したことのある通販サイト」を調査したところ、最も多かったのは楽天やAmazonなどの「ショッピングモール系」で94.2%であった。一方で、「メーカー・ブランド直販サイト」は40.9%という結果になった。

メルマガやHPもきっかけづくりに貢献

メルマガやHPもきっかけづくりに貢献

メーカー・ブランド直販サイトの利用経験者に「商品が欲しいと思うきっかけ」を調査したところ、最も多かったのは「ショッピングサイトをみて」で68.6%であった。次いで「メルマガやメーカーのHPをみて」が36.5%となっており、34.6%の「比較サイト/クチコミサイトをみて」や、32.9%の「友人・知人・家族のクチコミを聞いて」よりも高い結果となった。

近年、購入のきっかけとして口コミの影響が強い印象があるが、メルマガやHPなどの公式情報はきっかけづくりに大きく貢献していると言える結果となった。また、年代別に見ると、「SNSの具体的な商品紹介をみて」は20代以下では65.0%と最も高いものの、年代が上がるに連れて低くなる傾向にあり、20代以下と60代以上では55.5ポイントも差があり、ターゲット層によってアプローチ方法を変えれば、大きな効果が期待できると考えられる。

メーカー直販サイトは「送料が高い」

メーカー直販サイトは「送料が高い」

「メーカー直販サイトでオンラインショッピングをしていて不満に思った点」を調査したところ、最も多かったのは「送料が高い」で53.0%であった。複数のブランドでの買い物を1つの窓口で行うことができるショッピングモール系サイトに対し、それぞれの直販サイトでネックになり得る「登録などが面倒」は18.7%となった。

また、「メーカー直販のオンラインショッピングで望むこと、改善点」を調査したところ、以下のような声が寄せられた。
・修理依頼、交換返品が面倒で売りっぱなし感が強い
・不具合品の返品対応、不具合発生時の保証を手厚くして欲しい
・どんな些細なことでも質問したその日のうちに回答が欲しい
・発送時など、タイミングごとにこまめに連絡が欲しい
・問い合わせ先が明記されておらず、トラブル時など連絡ができない
・商品情報をもっとわかりやすくして欲しい
・在庫なしで入荷見込みのないものは検索結果に表示しないで欲しい

ブランド世界観の構築が求められる

ブランド世界観の構築が求められる

「これまでに経験した購買行動」を調査したところ、最も多かったのは「商品自体の質は微妙だがそのブランドが好きで商品を購入したことがある」で19.3%、次いで「ブランドが発信するコンテンツに興味をもったことで、商品を購入したことがある」が17.7%と続いた。

優れたD2Cブランドは商品そのものの品質よりもブランドの世界観のレイヤーで顧客とつながることを重視している。その中で消費者は、「このブランドの提案するライフスタイルが自分とフィットしているか」、「ストーリーやその語り口は自分のセンスとマッチするか」を意識すると考えられている。

良い商品は自主的に勧める

良い商品は自主的に勧める

「あなたは良いと思ったメーカー製品を自主的に誰かに勧めたことはありますか」と質問したところ、47.3%が「ある」、52.7%が「ない」と回答した。レビューの書き込みによるインセンティブがなくても、自主的にメーカー製品を勧める人は半数近くにのぼることがわかった。

6割以上がお気に入りのブランドがある

6割以上がお気に入りのブランドがある

「あなたはご自身がファンだと言える商品のブランドはありますか」と質問したところ、64.4%が「はい」、35.6%が「いいえ」と回答した。

そこで、「ファンであるブランドの商品をオンラインで購入する際の行動」を調査したところ、20.2%が「だいたい直販を選ぶ」、35.7%が「その他のサイトと値段に差が無いのであれば直販を選ぶ」と回答し、その理由として下記のような声が寄せられた。

・直販の方が店頭で買い物した感覚があり満足感がある
・直販の方がトラブルが起きたときの対応が良さそう
・アフターケアや保証がしっかりしていそう
・サポートが手厚そう
・公式の方が梱包などにお店のカラーが出て好き
・ギフトやサンプルがもらえるなどお得だから
・企業を少しでも応援したい
・正規品感があり安心して購入できる

「Podcast」の認知度は低い

「Podcast」の認知度は低い

「インターネット上に音声などを公開し配信する仕組み、その仕組みを使って配信した番組を指すPodcastを知っていますか」と質問したところ、「現在利用している」、「過去に利用したことがある」と答えた人は18.4%であった。年代別に見ると、20代以下~40代の若年層の方が、50~60代以上と比較して利用経験や認知度が高いため、今後D2Cのために、いかに活用するかが鍵とも言える。

利用が広がる通販サイト

今回の調査では、オンライン通販での購買経験者は9割近くにのぼり、ECでの商品購入が身近になっていることがわかる。利用したことのある通販サイトは大手ショッピングモールが半数以上を占める結果となったが、メーカー・ブランド直販サイトならではの良さにも注目が集まり、消費者との親密な関係を構築していくことで、さらに多くのファン獲得に期待ができそうだ。


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