「非接触」市場は、2025年に3兆米ドル規模に(アジア・太平洋エリア)

ECのミカタ編集部

デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO:永田高士)の戦略コンサルティング部門である、モニター デロイトは今回、レポート「非接触経済の台頭~コンタクトレス・エコノミーがもたらすCOVID-19危機後の世界」を公開した。ここではその概要についてポイントを絞って紹介する。

APACにおける2025年までの「在宅」消費の市場規模

アジア太平洋(以下、APAC)での非接触経済の市場規模は、「在宅消費」だけで少なくとも3兆米ドル規模の産業となり、市場としては消費財、レジャー・レクリエーション、教育が最大となり、金融サービス、健康、および消費財が最も成長するとしている。

非接触経済は「在宅消費」と「非接触型の家庭外消費」に大きく分けることができる。COVID-19により生まれた潮流は、これまで家庭外にあった消費者のタッチポイントが家庭内に移行する「在宅消費」の増加と、家庭外の消費者のタッチポイントはそのままに、技術やサービスの革新により生み出された「非接触型の家庭外消費」の台頭により表される。

同社が、今回推計した3兆ドルという市場規模は、既に影響が顕在化している「在宅消費」をもとに推計されているため、この予測はミニマムラインのシナリオとなるという。COVID-19禍で需要のきざしが見えてきたばかりの「家庭外」需要も含めると、非接触経済全体の市場規模はさらに拡大することが予測され、APACの家計消費支出のうちの約6割、11兆ドルが影響を受けるようになるとしている。

APAC主要各国におけるeコマース領域の市場規模推移

非接触経済のなかで大きな規模を占めるeコマースの日本の市場規模は2019年時点では、中国に次いでAPACの中で2位に位置付けていた。2024年に向けて、日本はCAGRで8%の順調な成長を遂げるが、APACと比較した成長率では最も低い水準となり、結果、市場規模の点でも順位を一つ落とすと予想されている。

インターネットや関連ビジネス・サービスの普及・浸透に関して、日本は後れをとっていると言われている。このままでは、COVID-19の影響で押し上げられた非接触経済の成長を、十分に取り込むことができない懸念が示唆されているようだ。今後の国をあげたデジタル化への取り組み加速による巻き返しが期待される。

EC化をはじめ日本はさらなるデジタル化が必要

今回の調査に際して、同社では次のように述べている。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、その感染予防対策に起因して全世界に経済危機を生じさせたと同時に、新たに『非接触経済(コンタクトレス・エコノミー)』という新たな“市場”を生み出しました。レポートでは、APAC地域での非接触経済の市場は2025年までに、少なくともこれまでの2倍超の3兆米ドルに達すると予測しています。非接触経済においては消費財、レジャー・レクリエーション・教育を中心に市場が広がるとともに、金融サービス・健康などの分野でも成長が期待される、としています。

一方で、非接触経済における日本のポジションは、今後のEC市場の伸びから推測するとAPAC各国の劣位に回る懸念が示されます。日本は2024年に向けてEC市場がCAGR8%で成長していくことが予想されていますが、この水準はAPAC 6か国の中では最も低水準であり、非接触経済の拡大による成長機会を十分に取り込めない懸念が示唆されます。今後の国をあげたデジタル化への取り組み加速による巻き返しが期待されます」

同社も述べているように、新型コロナウイルスによる感染拡大の影響によって、ECへの顕著なニーズの高まりとあわせて、「非接触経済」も急速な拡大を見せている。一方で、いまだ日本全体のデジタル化は発展途上であり、EC化を含めたさらなるDXの推進が求められることになりそうだ。

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