越境ECを目ざす食品メーカーの販路開拓を支援 ラクーンコマースが『SD export』で新たに食品・飲料の取り扱いを開始

ECのミカタ編集部

株式会社ラクーンコマースは、BtoB越境ECサイト「SD export」で、新たに食品・飲料の取り扱いを開始することを公表した。

国内販売と変わらず海外へ展開可能

アパレル雑貨の卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」を運営する株式会社ラクーンコマース(本社:東京都中央区、代表取締役社長:和久井 岳)は、その海外版となるBtoB越境ECサイト「SD export(エスディーエクスポート)」で、国内の食品・飲料メーカーの新規販路拡大ニーズと、海外バイヤーによる仕入れニーズの高まりをうけ、新たに食品・飲料の取り扱いを開始した。

同社は、輸出作業や手続き、代金回収はすべてSD exportが代行するため、出展企業は国内販売と変わらない作業で、手間やリスクなく海外の雑貨ショップやカフェなど現地で商売を行う中小事業者との取引が可能となるとしている。

第一弾は香港を対象に、日本のスナック、菓子、飲料、カップ麺、調味料、日本酒、洋酒、果実酒、ビールなど約4,000商品から卸販売を開始。出展企業や出品商品は順次増やしていく方針だという。

高まる越境ECニーズに対応

高まる越境ECニーズに対応

取り扱い開始について、次のような背景があるようだ。コロナ禍で海外往来が制限され、日本への訪日客数が激減している。2019年に過去最高の229万人の訪日客数を記録した香港は、日本での緊急事態宣言発出以降、1ヶ月平均で約128人と大きく減少しており、観光目的の来日は言うまでもなく、日本への仕入れ・買い付けを目的とした海外バイヤーの来日も大きく減少している。

同社はジェトロの調査を引用し、海外向けにビジネスを行う飲食料品企業の約6割が海外ビジネスにおいての売上減少など負の影響を受けているとしている。そうした状況で、輸出のために「今後EC利用を拡大する」と回答する中小企業は50%近くに上り、海外事業戦略を見直す企業の3割が「越境EC販売を開始または拡大する」と回答するなど、越境ECへの関心・意欲がより高まっている。また、BtoB越境EC「SD export」においても、2020年の流通額は前年同期比で200%超を記録していることもその背景にあるようだ。

第一弾は香港

同社は「SD export」食品&飲料の卸販売に関して次のように述べている

「このたび、食品・飲料メーカーと海外バイヤーからの要望を受け、新たに食品・飲料の卸販売を開始します。第一弾の対象国は、日本からの食品輸出量が16年連続1位の『香港』です。コロナ下での内食増加に加え、高品質かつ安心安全である日本の食品・飲料が評価されており、今後も仕入れニーズの高まりが予想されます。SD exportとしては、海外バイヤーの利用増加および流通額の増加を見込んでいます。今後もSD exportは、取扱商品の幅を広げ、日本の中小メーカーの海外販路開拓を支援してまいります」

同社も述べているように、新型コロナウイルスによる感染拡大の影響を顕著に受ける形で越境ECへのニーズが急速に高まっている。それはBtoBにおいても同様だが、一方で各事業者が独自でそれを行うには、通関や言語、商流の確保などハードルも少なくない。今回の新サービスは、まさにそうしたニーズに対応したものであり、日本から海外へのBtoB領域における越境ECを加速させることになりそうだ。

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