【TRUST SMITH×ADEKA】ラベル自動認識システムの実証実験を開始 荷姿やラベルの位置・種類にとらわれず、作業コストの軽減・ヒューマンエラー防止

ECのミカタ編集部

TRUST SMITH株式会社と株式会社ADEKAは「ラベル自動認識システム」の実証実験を開始したと発表した。

カメラでアイテムを撮影し、ラベル内の情報を自動で読み取ることにより、労働力不足の解消・作業コストの軽減・ヒューマンエラー防止につなげるという。

「ラベル自動認識システム」の実証実験がスタ―ト

「ラベル自動認識システム」の実証実験がスタ―ト

TRUST SMITH株式会社(本社:東京都文京区、代表:大澤 琢真、以下「TRUST SMITH」)と、株式会社ADEKA(本社:東京都荒川区、代表:城詰 秀尊、以下「ADEKA」)は「ラベル自動認識システム」の実証実験を開始した。

現在、あらゆるメーカーにおいてロット番号・品質保証期限・賞味期限などを記載した「ラベル」が頻繁に利用されている。

ADEKAで取り扱うアイテムは、荷姿やラベルの位置・種類が多岐にわたるため、ラベルを自動で読み取ることが難しく、人が確認せざるを得ない状況であった。しかし、属人的な作業にはミスがつきものであり、人為的な過誤による損失、作業効率の低下等の課題があった。

そういった課題を解決すべく、OCR技術・画像認識技術に強みを持つTRUST SMITHと食品の管理技術・トラッキングシステムに強みを持つADEKAは、「ラベル自動認識システム」の実証実験の開始に至った。

本技術は、カメラでアイテムを撮影することによって、荷姿、ラベルの位置・種類にとらわれることなく、ラベル内の情報を自動で読み取ることができる。これにより、ラベルを取り扱うあらゆる現場において、労働力不足の解消・作業コストの軽減・ヒューマンエラー防止につなげる狙いだ。

「ラベル自動認識システム」に用いる技術

「ラベル自動認識システム」に用いる技術

本技術は、アイテムをカメラで撮影することにより、荷姿、ラベルの位置・種類にとらわれることなく、ラベル内の情報を自動で読み取るものである。用いる技術は下記の通りだ。

◆OCR(文字認識)技術
ラベルに書かれた文字をデジタルデータとして活用するには、一度、人間が読み取って文字に変換する必要がある。しかし、単に文字を入力するという作業は非常に効率が悪く時間がかかる。この作業を人間の代わりに行ってくれるのがOCRだ。

◆画像認識技術
コンピューターに大量のラベル画像を学習させる。そうすることで、コンピューターは画像データから「ラベル」の特徴を理解し、同じ特徴を持った画像が与えられると、それを「ラベル」だと推測することが可能となる。

本技術は特に以下のような場合を対象としている。
・ダンボール・ドラム缶・紙袋など荷姿が異なる場合
・アイテムごとにラベルの位置が異なる場合
・ラベルの種類が様々である場合
・作業コストを削減したい場合
・管理ミスを防ぎたい場合

実用化に向けて

本技術は早くて2021年度中の完成を目指して、研究開発を行っている。またTRUST SMITHは、今回の「ラベル自動認識システム」にとどまらず、将来的にはアイテムごとに仕分け作業を行う原料受け入れラインの開発を目指すという。

同社は、本技術がラベルを利用するあらゆる現場において必要不可欠な技術になることを期待しており、海外での需要も見込んでいる。

EC業界でも、ラベルは商品管理や物流の効率化に使われているが、従来の物流現場では「スタッフによる作業ミス」「複数のラベルを読み込む識別装置がない」といった課題があった。

「ラベル自動認識システム」が実用化されれば、人が担っていた作業をコンピューターが素早く正確に行うことができるようになる上、ラベルの種類に依存するがゆえに、ラベルの種類の変更や大幅な作業フローの変更を余儀なくされることもなくなる。

近い将来、「ラベル自動認識システム」がECの物流現場の負荷軽減につながることを期待したい。


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