フューチャーショップ、2021年1月〜3月の流通額は昨対比154%の433億円
株式会社フューチャーショップ(本社:大阪市北区、代表取締役:星野 裕子、以下「フューチャーショップ」)は、同社が運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの2021年1月〜3月の流通額を433億円(昨対比154.22%)と発表した。
同社による調査では、2020年度の流通額昨対は148%を記録。futureshopシリーズ稼働店舗数は2020年4月の2500から2021年2月に2800を突破し、生活者のEC利用機会、企業のEC投資ともに加速した1年だった。ここでは、調査結果についてポイントを絞って見ていく。
流通昨対比トップ5業種
1年以上継続してfutureshopシリーズを利用している店舗に限定して流通額を調査し、上位5業種の昨対比を算出した。「安心・快適な移動」「巣ごもり時間の充実」などが読み取れる結果となり、この1年の傾向に大きな変化は見られない。
業種個別の結果では、「スイーツ」「食品」の伸びが目に付く。理由として、2020年から傾向が見られたおとりよせ需要の継続的な高まりや、調査期間中のバレンタインデーやホワイトデーなど、イベント用のEC利用が増加したことが推測される。
注文件数の変化
各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出した調査の結果で、対象店舗の注文件数はスマートフォン経由、PC経由ともに受注件数は各月増加した。
日本では、新型コロナウイルスに関連した肺炎患者が2020年1月16日に日本で初めて明らかとなり、2020年2月中旬頃から「不要不急の外出を控えて」など、在宅を推奨する呼びかけが多く見られるようになった。
その呼びかけ以降、2020年は日を追うごとに外出の機会は減少。それに伴って実店舗での買い物が減少し、EC利用機会の増加につながったと考えられる。その影響か、昨対比では1月が最も高く、3月に向かうにつれ減少傾向にある。
購入単価の変化
購入単価について調べた結果、調査開始以降、PC経由がスマートフォン経由よりも2割程度高い、という結果に変化はない。
また、単価はほぼ変化していないものの、3月は昨対比で他月より高い結果となった。
一般的に、既存顧客の購入単価は新規顧客よりもやや高い傾向が見られる。2020年3月は在宅推奨の呼びかけを受けたEC新規顧客が増加、一方、2021年3月は既存顧客の購入が増加したため、単価自体は他の月と変わらないものの昨対比では高い数字が出たと思われる。
新規顧客利用状況
新たに会員登録された顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗の平均増加率を月ごとに調査した結果、「注文件数の変化」をなぞるように、1月が高く、3月に向かうにつれ増加率が低下。2020年3月から徐々に新規EC利用が増加していたと考えられる。
SaaS型ECサイト構築プラットフォームであるfutureshopシリーズは、 2,800 を超える稼動店舗から日々集まってくるアイデアを随時実装し、その機能を進化させている。コロナ禍によってその成長はさらに加速しており、今回の調査で流通額は昨年の約1.5倍にまで拡大したことが判明した。
1月~3月といえば、2020年は新型コロナウイルスの話題が出始めてから、外出自粛が求められるようになるまでの過渡期であった。
だからこそ、「ウィズコロナ」が定着した2021年同時期との差は大きい。コロナ禍による生活者のEC利用の本格化が浮き彫りになっており、本調査結果が示唆するものは多い。