NTTデータとCARDNETがクレジットカード不正利用抑止のための相互協力で合意

ECのミカタ編集部

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)と株式会社日本カードネットワーク(以下:CARDNET)は、クレジットカードの不正利用抑止のために両社が協力することを 2021年5月31日に合意した。

不正利用抑止サービスを1つのWeb 画面で

NTTデータは、決済総合プラットフォーム「CAFIS®」にて、ECサイト等の加盟店から送信されるクレジットカード取引がクレジットカード会社のシステムに届く前に不正判定できるサービス「CAFIS Transaction Manager®」を提供している。

CARDNETは、NTTデータの不正利用抑止サービスに賛同し、「CAFIS Transaction Manager」と同等の機能を「CARDNET Transaction Manager」として、来年3月(予定)からクレジットカード会社向けに提供する。今回の合意により、クレジットカード会社は、両社の不正利用抑止サービスを1つのWeb 画面から利用可能となるという。

他社決済網への開放で広く利用可能に

他社決済網への開放で広く利用可能に

「CAFIS Transaction Manager」は、クレジットカード会社のシステムで行うクレジットカード取引の不正判定の一部を、クレジットカード会社のシステムに取引情報が届く前に実行するサービスだ(クレジットカード会社が設定した条件に該当する取引を拒否応答)。

クレジットカード会社はシステムの追加投資をしなくても大量不正アタックへの対処が可能となる。NTTデータは、2020年7月にサービス開始した同サービスの機能を他社決済ネットワークへ開放することを決定し、今回、CARDNET とカード不正利用抑止に向けた相互協力について合意した。

これまで同サービスは「CAFIS」を経由する取引のみが対象となっていたが、2022 年3月(予定)より、「CARDNET」を経由する取引においても利用が可能となる。

安心・安全なキャッシュレス社会の実現へ

同社は、合意の背景として次のように述べている。

「新型コロナウイルス拡大などに伴い、オンラインショッピングによるクレジットカード取引が増加傾向にある一方、EC サイトを利用したクレジットカードの大量不正アタックが発生しています。不正アタックはクレジットカード会社のシステムに多大な負荷がかかるとともに正常な取引を阻害するなど、クレジットカード業界の課題となっています。安心・安全なキャッシュレス社会を実現するためには、これら不正利用に対してクレジットカード業界が一丸となって対策を図ることが期待されています」

また今後については、NTTデータとCARDNETが、相互連携しながらサービスの機能向上を図るとともに、「安全・安心なキャッシュレス社会の実現」に向けて、引き続き不正利用抑止の取り組みを行うとしている。

さらにクレジットカード会社とも協力しながら、業界の知恵や経験を集合知として集約・活用するための仕組みを構築し、業界全体の不正取引監視の高度化・エコシステム化をめざすとのことだ。

ECの決済において欠くことのできないクレジットカード。高度にデジタル化されたそのインフラは、悪意ある個人や集団から常に攻撃の対象ともなっており、安全性と利便性の確保は大きな課題となってきた。

今回、両社の合意によって、システム連携や情報の共有が進むことが期待でき、ECのより良い未来に向けてさらなる前進となりそうだ。

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