パルグループHDが『FULL KAITEN』を導入 PAL CLOSETの売上・粗利改善を目指す

ECのミカタ編集部

在庫の運用効率を上げ売上・粗利・キャッシュフローを最大化する在庫分析クラウドサービス『FULL KAITEN』を開発し小売業向けに提供するフルカイテン株式会社(本社・大阪市福島区、代表取締役・瀬川直寛)は、総合雑貨「3COINS」やカジュアル衣料「Discoat」など約50のブランドをもつ大手ファッション企業、株式会社パルグループホールディングス(本社・大阪市中央区、代表取締役社長・井上隆太、証券コード:2726/以下、パルグループHD)がFULL KAITENを新たに導入し、システムが稼働したことを公表した。

プロパー消化率の向上と値引きの抑制を実現

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、パルグループHDはEC売上を大きく伸長させているが、さらなる事業成長のために在庫の運用効率を上げる(できるだけ多くの売上・粗利を稼ぎ、在庫を消化させる)ことが課題となっていたそうだ。

フルカイテンは今回、在庫DXクラウドサービスFULL KAITENを導入することで、手もと在庫の中から隠れた売れ筋商品を見つけ出すことが可能になったという。この結果、プロパー消化率の向上と値引きの抑制が実現された。これによりフルカイテンは、パルグループHDの売上・粗利・キャッシュフローの最大化に貢献するとしている。

在庫の中から“隠れた売れ筋商品”を見つけ出す

在庫の中から“隠れた売れ筋商品”を見つけ出す

パルグループHDは数々のアパレル、雑貨販売の事業会社を傘下に抱える持ち株会社で、主要事業会社の株式会社パルが1973年(昭和48年)に創業したのがグループの始まりだ。現在は連結売上高1,085億円(2021年2月期)、店舗数は932を数え、ファッションからライフスタイルまで様々なブランドを展開している。

パルグループHDは、実店舗の営業が制限され客足も遠のいたコロナ下でECに注力してきた。その結果、2021年2月期はEC比率が前期比13.3ポイント上昇の31.4%に達し、EC売上高も前期比34.7%の増加となった。

小売業をはじめとする在庫ビジネスにおいて、事業成長のために在庫は必要不可欠だが、いくら売上が増加しても、在庫も同じように増えてしまっては、大手企業といえども資金繰りなど経営上の問題が出てくる。かといって、単に在庫を減らすだけでは事業規模の縮小につながる。

なおかつコロナ下の小売業界は需要の蒸発に加え、人口減少と高齢化が相まって縮小市場となっており、在庫を多く保有してやみくもに売上規模だけを追う従来のビジネスモデルは通用しなくなりつつあった。このため、在庫の運用効率を上げ、より少ない量の在庫で売上・粗利・キャッシュフローを最大化させるビジネスモデルへの転換を目指す企業が増えていた。

パルグループHDはEC事業を急成長させるなかで、こうした課題をいち早く認識し、在庫を不必要に増やさず、手持ち在庫の運用効率を上げることで売上・粗利を増やす事業構造を定着させるため、FULL KAITENの導入を決定したのだ。そしてついにパルグループHDと、FULL KAITENバージョン3.0との間のデータ整備および連携が完了し、システム稼働にこぎ着けた。

機能を大幅に強化したバージョン3.0をリリース

FULL KAITENの在庫分析機能によって、明らかな売れ筋商品以外の「隠れた売れ筋商品」を見つけ出すことが可能になるという。隠れた実力商品は販促が手薄なだけで商品力はまだまだある商品であることから、これらを早期に絞り込んで販促を強化することで、プロパー消化率の向上や値引きの抑制が可能となるのだ。

売上・粗利・キャッシュフローを最大化する在庫分析クラウド『FULL KAITEN』
FULL KAITENは、導入企業から日々受け取る販売データや在庫データをAIによって計算・分析することで在庫の運用効率を上げ、売上・粗利・キャッシュフローを最大化させるとしている。

その手段として次の3つの価値を提示している。

 ・6種類の機会損失を解消
 ・データ集計・計算を自動化
 ・チーム間の情報格差を解消

FULL KAITENは、在庫問題の解決に特化したSaaSだ。在庫問題とは、「在庫を増やせば売上は増えるが売れ残る。在庫を減らすと売上も減る」という長年解決されてこなかった課題を指す。

多くの企業が「売上を失うより在庫を持つ方がよい」と考えるため、小売業・卸売業では在庫過多が常態化しており、コロナ禍によって在庫過多が経営破綻に直結する喫緊の課題であることが浮き彫りになったそうだ。

このような背景から、在庫の運用効率を上げることはもはや経営課題と言っても差し支えないほど大きな課題になっているが、こうした問題をデータの有効活用で解決しようとするDX(デジタル・トランスフォーメーション)ツールは多くないのが実情だ。

FULL KAITENは、在庫の運用効率を上げ売上・粗利・キャッシュフローを最大化できるツールとして経営幹部から評価を得ており、現在、中小から大手まで多くの小売企業(EC及び実店舗)への導入が加速している。導入効果としては、売上高昨対比25%アップ、在庫高昨対比20%減、客単価昨対比8%アップ、バランスシートの現金2.13倍など、経営成績の改善に直結する結果が出ているという。

フルカイテンは、在庫問題で悩む小売事業者、新型コロナウイルス危機で表面化した在庫問題の解決に取り組んでいる企業の役に立てるようプロダクト改善を継続するとしており、これからの進撃からも目が離せそうにない。

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