ZOZOが2022年3月期第1四半期決算を発表、商品取扱高1168億円・営業利益125億円で前年同期比20%超の成長

ECのミカタ編集部

「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOは7月29日、2022年3月期 第1四半期決算を公表した。ここではその概要について、ポイントを絞って見ていく。

決算概況

決算概況

202年3月期 第1四半期連結累計期間における同社の商品取扱高は1,168.1億円(前年同期比22.5%増)、その他商品取扱高を除いた商品取扱高は1,067億円(同11.9%増)となった。

前年度の第1四半期は、新型コロナウイルスのポジティブ影響(デジタルシフト)が特に強い四半期であったことから、前年同期比はやや低下しているものの、TVCM等の集客施策やPayPayモールの好調により、10%以上の成長率を実現した。

営業利益は125億円で、前年同期比で20.8%増加。商品取扱高・広告事業の成長に伴う粗利の増加や、コストの低減(物流関連費・代金回収手数料)が要因となって、増益を達成した。

商品取扱高に対する営業利益率は11.8%で、前年同期(10.9%)よりもやや向上が見られた。

利益率が改善した要因として、広告事業等の成長に伴う粗利率の改善や、物流拠点内作業効率の改善による物流関連費率の低減、委託業者変更に伴う代金回収手数料率の低減などがある。

一方で、TVCM等の集客施策の増加やZOZOGLASSの配布に伴う広告宣伝費率の上昇が利益率を押し下げる結果となった。

事業別内訳

事業別内訳

商品取扱高の事業別の内訳は下記の通りだ。

・ZOZOTOWN事業:906.4億円(前年同期比6.6%増)
受託販売 / 873.4億円(前年同期比6.0%増)
買取・製造販売 / 7.2億円(前年同期比39.7%増)
USED販売 / 25.8億円(前年同期比23.3%増)
・PayPayモール事業:98.0億円(前年同期比124.3%増)
・BtoB事業:62.4億円(前年同期比4.8%増)
・その他:101.1億円

伸びが著しいのがPayPayモールで、同社の商品取扱高全体に占める割合としては少ないものの、8.4%(前年同期実績4.6%)にまで伸びている。

「ZOZOVILLA」オープン

「ZOZOVILLA」オープン

2021年3月のZOZOTOWNのリニューアルに際して、国内外のラグジュアリーブランドを取り揃えた「ZOZOVILLA」を開始。創業以来ファッションと共に成長してきた同社が、改めて「服好き」の方へファッションを楽しむ場を提供し続けたいという想いを込めスタートしたものだ。

5月には「Salvatore Ferragamo」が「ZOZOVILLA」にオープンするなど、90以上のラグジュアリー&デザイナーズゾーン扱うことで、ZOZOTOWNのブランドイメージ向上に寄与している。

「ZOZOCOSME」オープン

「ZOZOCOSME」オープン

同じく2021年3月にはコスメ専門モール「ZOZOCOSME」もオープン。女性アクティブ会員比率が7割を占め、コスメとの親和性の高いユーザーを抱えているZOZOTOWNにおいて、コスメカテゴリーの商品取扱高拡大を目指す取り組みだ。

6月には「DIOR」が「ZOZOCOSME」内にオープンするなど、国内外の500以上のコスメブランドを取り扱っている。また、高精度で肌の色を計測できるツール「ZOZOGLASS」を用いて、計測した肌の色に最も近いファンデーションの色を提案する購入アシスト機能を実装しており、ユーザーに新しい購入体験を提供している。

ヤマト運輸の新配送方法「EAZY」に対応

ヤマト運輸の新配送方法「EAZY」に対応

ヤマト運輸が提供する新配送方法「EAZY」に、ZOZOTOWNが国内発の対応。コロナ禍を背景とした、より安心・安全な配達へのニーズの高まりから、「置き配」による商品の受け取りや、お届け先の二次元コード化による個人情報漏洩リスクの低減など、多様化する配送ニーズに対応している。

今回の決算では、商品取扱高、営業利益など主要な指標が軒並み前年同期比で2桁成長を見せるなど、同社の堅調な成長が見られる結果となった。

事業別ではPayPayモールが前年同期比124.3%増というめざましい成長を見せており、Zホールディングスのグループシナジーにもますます注目したいところだ。

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