東京建物の物流施設「T-LOGI」が全国展開、福岡・京都・愛知で開発用地を確保 大阪では共同事業参画

ECのミカタ編集部

東京建物株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:野村 均)は、福岡県糟屋郡須恵町、京都府京都市伏見区、愛知県一宮市にマルチテナント型物流施設開発用地を確保し、加えて大阪府大阪市西淀川区における物流施設開発計画(共同事業)に参画したと発表した。

今回取得した3物件は、九州圏、近畿圏、中部圏それぞれにおける同社初の物流施設開発事業となる。今後、「(仮称)T-LOGI福岡」「(仮称)T-LOGI京都伏見」「(仮称)T-LOGI一宮」「(仮称)大阪物流施設プロジェクト」として、開発を推進していくという。

首都圏から全国に拡大

同社では、これまで物流施設ブランド「T-LOGI」の名のもと、首都圏にて物流施設開発事業を展開してきた。

現在、荷主や消費者ニーズの高度化・多様化による多頻度小口輸送の進展や働き方の多様化、在宅勤務の普及による宅配便増加など、EC分野の急拡大を背景に物流効率化の重要性が一段と高まっている。そんな中、物流市場においては、全国的に先進的な大規模物流施設へのニーズや、物流施設への投資ニーズも引き続き高まっている。

そのような状況を踏まえ、同社は、強みとする用地情報取得ネットワークをより一層活用しつつ、今後は首都圏のみならず国内主要物流集積地を中心に立地を厳選し、物流施設の開発を積極展開するという。

(仮称)T-LOGI福岡

(仮称)T-LOGI福岡

本物件は福岡空港の東部である糟屋地域に位置。糟屋地域は福岡中心市街地をはじめとした広域配送が可能なエリアであり、周辺に福岡都市圏内の住宅地が広がっていることから、雇用条件も良好な物流適地だ。地上3階建のボックス型を採用した本物件は、2021年5月21日に着工しており、2022年春に開業を予定している。

なお、本物件は竣工前に一括で国内大手物流会社である佐川グローバルロジスティクス株式会社の賃借・入居が内定している。

(仮称)T-LOGI京都伏見

(仮称)T-LOGI京都伏見

本物件は、第二京阪道路「伏見」ICまで約2.5km、国道1号利用で京都駅まで約8.5kmの距離に位置し、京都市中心部への配送拠点として優れている。

加えて、第二京阪道路「巨椋池」ICまで約4.9km、名神高速道路「京都南」ICまで約3.7kmと、大阪中心部をはじめとする関西一円を輸配送エリアとすることが可能だ。

また本計画地は、周辺に工場や倉庫などが集積し、京都市南部の他、向日市・長岡京市等近傍に住宅地が広がっていることから、24時間稼働を前提としたオペレーションと雇用確保の両面に優れている。開業は2023年夏を予定している。

(仮称)T-LOGI一宮

(仮称)T-LOGI一宮

本物件は、東海北陸自動車道「一宮西」ICに約2km、「一宮稲沢北」ICに約0.3kmと高速道路へのアクセスに優れた立地。本物件から車で「一宮」ICまで約10分、「小牧」ICまで約15分圏にあり、名古屋都心部への配送や物流集積地との連携拠点として高いポテンシャルを有している。

施設は、T-LOGIシリーズ初のランプウェイを採用し、各階に接車できる利便性の高い計画で、開業は2023年秋を予定している。

(仮称)大阪物流施設プロジェクト

(仮称)大阪物流施設プロジェクト

本物件は、大阪駅までの直線距離約5.2kmと大阪都心部への距離が非常に近く、阪神高速道路「大和田」ICにも至近であり、配送拠点として高い利便性を有している。

また阪神電気鉄道阪神なんば線「出来島」駅徒歩約9分、阪神電気鉄道本線「千船」駅徒歩約10分と通勤アクセスにも優れた立地だ。

同社は、TMK(特定目的会社)を活用し、株式会社センターポイント・ディベロップメントとの共同事業を行うことが決定している。

2018年に物流施設開発に参入

総合不動産会社の東京建物が物流施設の開発に参入したのは2018年のことだ。「T-LOGI」のブランド名を冠して、2020年6月に第1弾となる「T-LOGI久喜」が竣工した。

T-LOGI久喜では、東京ガスと協業して屋上などに太陽光パネルを設置し、発電した電力を本施設や同社が所有する商業施設で使用するという、環境への取り組みも行っている。

EC市場の拡大で物流拠点が増える中、物流施設にも付加価値が求められているのだろう。


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