2020年度の宅配便取扱個数は48億3647万個、昨対比11.9%の増加
国土交通省は、令和2年度宅配便取扱実績について統計を行い、その調査結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。
宅配便
令和2年度の宅配便取扱個数は、48億3647万個であった(うちトラック運送は、47億8494万個、航空等利用運送は5153万個)。これを前年度と単純比較すると、5億1298万個・対前年度比11.9%の増加となる。
便名ごとのシェアをみると、トラック運送については、上位5便で全体の約99.8%を占めており、さらに、「宅急便」、「飛脚宅配便」及び「ゆうパック」の上位3便で約94.8%を占めている。
また、航空等利用運送については、「飛脚航空便」、「宅急便タイムサービス等」、「フクツー航空便」及び「スーパーペリカン便」の4便で全体の約35.0%を占めている。
メール便
令和2年度のメール便取扱冊数は、42億3870万冊であった。これを前年度と単純比較すると、4億6322万冊・対前年度比9.9%の減少となっている。また、メール便のシェアを見ると、「ゆうメール」及び「クロネコDM便」の上位2便で97.3%を占めている。
コロナ禍で宅配便個数が増加か
このように、令和2年度の宅配便取扱個数は、48億3647万個で、前年度と比較して5億1298万個・約11.9%の増加となった。また、令和2年度のメール便取扱冊数は、42億3870万冊で、前年度と比較して4億6322万冊・約9.9%の減少となった。
今回、公表された資料では、宅配便増加とメール便取扱量減少の背景についての言及はないが、宅配便の増加については、新型コロナウイルスによる感染拡大の影響により、「巣ごもり消費」の拡大があり、またメール便は、ネットの普及によるDMやカタログ送付需要の減少が考えられるだろう。
またヤマト運輸については、メール便が翌日配達に原則として対応しないのに対し、それに対応する小型宅配サービス「ネコポス」へ送付物が流れたことが考えられる。コロナ禍が長引き、また社会全体でのDXとEC化が進む中で、こうした傾向は、今後も続くものとみられる。