デジタルマーケ役職者の約60%がノウハウ・人材の不足に悩み 「Webサイト活用状況に関するアンケート」で

ECのミカタ編集部

CE(カスタマーエンゲージメント)プラットフォーム「Repro(リプロ)」を提供するRepro株式会社は、2021年6月15日~7月13日に自社のデジタルマーケティング業務に携わっている役職者に対して、「Webサイト活用状況に関するアンケート」を実施。その結果を公表した。

役職者の6割がノウハウ・人材不足に悩み

役職者の6割がノウハウ・人材不足に悩み

「お勤め先のデジタルマーケティングに関する課題は何ですか?」という設問に対し、59.4%が「デジタルマーケティングの知見があり、施策を実践できるメンバーが足りない」と回答。

加えて、59.1%が「デジタルマーケティングに関わる人数が不足している」と回答。多くの企業がノウハウ・人材不足に悩んでいる現状が明らかとなった。

デジタルマーケティング成功のカギは専任担当者

デジタルマーケティング成功のカギは専任担当者

デジタルマーケティング人材の活用状況についての設問では、各領域の担当者が「専任」か「兼任」かで、成果に大きな差が生まれていることが浮き彫りになっている。

「デジタル広告」「CRO」「SEO&コンテンツマーケ」「CRM」の4領域に分けて、人員配置と成果の関連性について調査したところ、「取り組んでおり十分な成果を出せている」と答えた人の比率は全領域で「専任の担当者がいる」ほうが大きくなる結果に。

「デジタル広告」で27.3%、「CRO」で28.9%、「SEO&コンテンツマーケ」で26.9%、「CRM」で15.7%も「専任の担当者がいる」ほうが上回っている。

プロ人材の外部採用は課題の解決策にならない場合も

プロ人材の外部採用は課題の解決策にならない場合も

ノウハウ・人材不足を補う手段として「プロ人材の中途採用」を実践している企業は少なくないが、その採用活動・組織づくりにも課題が潜んでいることがわかった。

「社内で他組織から異動」した人材と「社外から中途採用」した人材のスキルレベルを比較したところ、その水準にはさほど大きな差が見られないという結果になっている。

「CRO(WebサイトのCVRを向上させる活動)」「SEO&コンテンツマーケ」においては、「社内で他組織から異動」した人員に対してのほうが、「高いレベルのスキル・ノウハウを持っている」という回答の比率が大きくなっている。

ツール導入で期待通りの成果を得られているのは半分以下

ツール導入で期待通りの成果を得られているのは半分以下

ノウハウ・人材不足の解決策を探るために、デジタルマーケティングツールの導入と成果の関連性についても調査を行った。

今回はデジタルマーケティングツールの代表例として、「MAツール」「Web接客ツール」「チャットボット」「CDP」の導入効果についてアンケートを実施。

「期待通りの成果を得られている」「期待を上回る成果を得られている」と回答した人は、全ツールで50%未満であったことから、ツールの導入だけではデジタルマーケティングに関する課題は解決されないと言えそうだ。

Web接客ツールの成果が最も出ているのは、運用を外部委託している企業

Web接客ツールの成果が最も出ているのは、運用を外部委託している企業

「CRO(WebサイトのCVRを向上させる活動)」と、そのためのツールである「Web接客ツール」の運用体制の関係を分析したところ、強い相関関係があることが明らかになった。

Web接客ツールを用いて、最も高い運用成果をあげている組織体制は、ツールの運用を「ほぼ外部に委託している」ケースであった(「期待通りの成果を得られている」という回答が77.8%)。

ツールの運用において専任体制を構築できない場合には、専門的なスキルを持つ外部支援企業の活用も検討すべきだと考えられる。

柔軟な組織やオペレーションの構築が肝か

急速にデジタル化が進む中、日本国内ではデジタルマーケティングのプロ人材の育成が追いついていない現状があり、それが今回の調査結果にも反映された。また、本調査結果を見る限りでは、デジタルマーケティングのプロを外部から採用したところで、必ずしも期待したような結果にならない現状もあるようだ。

組織としてデジタルマーケティングを成功させるためには、顧客理解や自社プロダクトの理解をはじめ、「暗黙知」を含めたさまざまな知見やノウハウが必要になる。社歴の短い中途採用人材の場合、「暗黙知」が蓄積されていないことが障害となって本来のスキルを発揮しにくくなっている可能性もある。

デジタルマーケティングに携わる企業には、外部への運用委託から自社でのマーケター育成まで、メリハリをつけて柔軟な組織やオペレーションの構築を行っていくことが求められているのではないだろうか。

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