メディア運営とプラットフォーム(CMS)選びの関係は?おすすめプラットフォーム3選

ECのミカタ編集部

そもそもメディアとプラットフォーム(CMS)とは?

メディアとプラットフォームは、同じ意味合いとして使用される機会が増えていますが、本質的には大きく異なります。そもそもメディアとは、「情報をつなぐもの」といった意味ですが、立場によって意味合いが異なることがあります。

また、従来までのメディアは新聞社や出版社などを指しており、コンテンツ自体を生み出し発信する機能を合わせ持っていました。
しかし、インターネットとスマートフォンの普及により、メディアの意味合いが変わりつつあります。インターネットの影響によりWebメディアとして移り変わり、情報を発信する場として存在しています。

たとえば、インターネット掲示板の2ちゃんねるやNEWS Picksなども、Webメディアといえるでしょう。つまり、従来までのメディアは情報を集め、コンテンツを制作し、発信するまでの一連を担う媒体として存在していました。しかし、インターネットの普及によって、情報を集め、発信するもの、つまり「コンテンツとして制作する」過程がないものも、メディアの一部として存在するような形に移り変わっています。

一方プラットフォームとは、システムやサービスなどの基盤となる環境を指す言葉です。たとえば、PCやスマートフォンなどの基盤である、OSなどがプラットフォームとなります。しかし、巨大IT企業が参入したことで、プラットフォームがクラウド化し形が大きく変化しています。

代表例として、FacebookやTwitter、YouTubeなどが挙げられるでしょう。さらにプラットフォームには、CMSと呼ばれるシステムが存在しており、個人や企業がメディアを展開するために使用されています。CMSとは、Contents Management Systemの略で、日本語訳するとコンテンツ管理システムです。CMS内では記事を構成したり、画像を読み込ませてサイトを作り出したりすることが可能です。

そのため、多くのメディア運営社がCMSを用いており、ブログなどもCMSを活用して構築されています。プラットフォームは無料で提供されているものもあり、誰でも簡単に使用可能です。また、CMSに関しては非常に拡張性が高く、プラグインをインストールすることで本来存在しない機能を不要できます。

たとえば、アクセス解析やSEOに関する機能などを追加でき、外部サービスと組み合わせることで幅広い活動が可能です。また、前述したブログタイプのプラットフォームに限らず、Amazonや楽天などのECサイトもプラットフォームです。ECサイトのプラットフォームに関しては、情報を目的とするのではなく、多数の商品を1つの基板に集約することで、売り手と買い手をスムーズにつなげています。

メディア運用のためのプラットフォーム

メディア運用をおこなうには、プラットフォーム(CMS)の活用が必要です。
プラットフォームは世界中の企業が提供しており、その中で最も認知されているのはWordPressでしょう。詳細に関しては後述しますが、完全に日本語対応しており拡張性や独自テーマが豊富なことから、さまざまなメディア運用に活用されています。そのほかにも、JoomlaやDrupalなどのCMSが有名です。
メディア運営のためにCMSが活用されている理由は以下の3つです。

1.簡単にコンテンツ作成ができる
2.SEOやSNS連携ができる
3.運用コストの削減

CMSを活用することで、専門業者にコンテンツの作成や更新を依頼することなく、自社内で情報を発信できます。またコンテンツ作成する際、HTMLやCSSや特定の言語はすべてシステム化されているため、新たに身につける必要はありません。そのため、従来までは専門業社のみが対応していたメディア運営も、自社内で管理可能です。さらに外注が不要になったため、以前よりも早くコンテンツの作成や更新が可能になり、メディアの価値を高められます。

メディア運営において、SEOは非常に重要な部分でありますが、CMSを利用することで誰でも簡単に対応できます。細かいタグの設定やメタディスクリプションの入力など、CMSの標準機能として搭載されているため、専門知識がないスタッフでも対応可能です。

メディア運営をおこなう上では、SNSとの連携が非常に重要になってきます。
CMSでは専用のプラグインをインストールすることで、コンテンツ上に各SNSの表示ができるため、スムーズにSNS連携が可能です。さらにCMSによっては、自動的にSNS情報を表示・投稿できる機能が存在しています。

専門業者にメディア運営をおこなう場合、継続的に大きなコストが発生してしまいます。しかし、自社内でCMSを活用することで、外注コストを抑え、自由なメディア運営ができるでしょう。また、リソース管理も必要ないため、1人のスタッフに依存しないリスク管理もできます。

ECサイト集客におすすめのメディアプラットフォーム3選

note



https://note.com/

noteとは手軽に情報発信ができる、メディアプラットフォームの1つです。コンテンツ作成や利用料金は基本無料となっており、執筆した記事を有料販売したり、定期購読機能が備わったりしています。

また、noteには有料会員機能が存在しており、月額500円で「プレミアム会員」に変更できます。プレミアム会員になることで、コンテンツの予約投稿や数量限定販売、有料コンテンツの価格アップが可能です。
Amazonウィジェットと連携もできるため、マイページにAmazonリンクを貼ることで、CMS内で商品訴求もおこなえます。アカウントを開設してから数分でコンテンツ作成ができることから、noteは初心者の方におすすめのCMSです。

さらにクリエイターをサポートしてくれる「投げ銭機能」が備わっており、コンテンツを閲覧したユーザーが、一定の金額をクリエイターに対して送金可能です。そのため、noteはコンテンツを作成したから非常に簡単に収益化ができるため、個人のメディア運営に適していると言えるでしょう。

noteでは「ストア機能」と呼ばれる、以下3つのECプラットフォームと連携可能です。

1.STORES(ストアーズ)
2.minne(ミンネ)
3.BASE(ベイス)

ECプラットフォームと連携することで、note上に自身がECサイトで販売している商品一覧を掲載でき、そのまま商品販売が可能です。
また、ECプラットフォームと連携すれば、ECサイト上からnoteに対して、コンテンツ投稿ができます。

たとえば、noteを閲覧しているユーザーが、気になる商品があればそのままECサイトで商品購入が可能です。そのため、noteのコンテンツ機能とECサイトを組み合わせることで、商品販売までの導線を設置します。
さらに双方からコンテンツや商品の訴求をおこなうことで、メディア自体の収益活性化が期待できるでしょう。

アメーバブログ



https://official.ameba.jp/

アメーバブログ、通称アメブロとはサイバーエージェント社が提供する、日本最大級のブログメディアプラットフォームです。

国内シェアが60%以上のサービスであるため、国内で作成されているブログの半分以上が、アメブロを利用しているといえるでしょう。アメブロは一般の方から芸能人まで、幅広いユーザーが利用しています。
また、登録や利用は非常に簡単で、維持費をかけることなく無料で始められます。

PCからの投稿だけではなく、スマホ専用アプリも用意されているため、外出中でも気軽にブログ作成から投稿までが可能です。
さらに読者登録機能やリブログ機能が標準搭載されているため、ブログ運営社同士でのつながりを強めており、専用コミュニティの活用もできます。前述の通りサービス利用者が多いことから、SEOをおこなう必要もなく、よい記事を書けば運営開始当初からでもアクセス数を集めることが可能です。

ブログ内には広告を掲載して収益化する、アフィリエイトにも対応していることから、個人向けの収益メディアとしても運営可能です。
しかし、無料プランでは広告がかなり存在しており、閲覧ユーザーからしても使いにくい印象があります。もし快適な運営を求めるのであれば月額980円の有料プラン登録が必要です。仕様自体も定期的に大きく変更されるため、独自の運営プランを貫きたいと考えている場合には、適していない可能性があります。

アメブロには「Ameba Ownd」と呼ばれる、ECサイトとの連携を目的としたサービスも展開しています。Ameba OwndはEC連携に最適化されたCMSであり、「BASE」で出品している商品の販売が可能です。BASEに出品している商品であれば、Ameba Ownd内に表示が可能となっており、初期費用や運営コストも必要ありません。

物販販売やデジタルデータの販売もできるため、アメブロとAmeba Owndは、簡易的に運営できるメディアプラットフォームと言えるでしょう。

WordPress



https://ja.wordpress.org/

WordPressとは、全世界で最も利用者が多いCMSの1つです。Web関連の知識や記述がない場合でも、比較的簡単にサイトの構築やブログ運営ができます。オープンソースのソフトウェアであるため、基本無料でサービスの利用が可能となっており、企業がメディアを展開する際によく活用されています。

WordPress最大の特徴は、圧倒的な拡張性の高さです。上記2つのメディアプラットフォームも、ある程度自由な運営ができますが、テーマや機能はある程度決められています。

しかし、WordPressでは豊富なプラグインが用意されているため、WordPress自体に存在しない機能に関しても利用可能です。
たとえば、「All in One SEO」と呼ばれるプラグインでは、SEOに関する各設定やXML・サイトマップの構築が簡単にできます。
また、Jetpackを利用することで、アクセス解析やセキュリティ機能なども容易に追加可能です。

さらにテーマと呼ばれる機能を活用することで、メディアのデザインを簡単に変更できます。テーマは無料版と有料版が存在しており、無料版でもさまざまな種類が用意されており、細かいカスタマイズが可能です。

しかし、Web上にWordPressで構築したメディアを展開するためには、ドメインの取得やサーバーの設置が必要です。また、電話問い合わせなどのサポートが存在しておらず、プラグインでできないカスタマイズは、CSSなどのプログラミング知識が必要でしょう。

サポートがないものの、全世界での利用者が多いため、ドメインの取得やサーバーの設置、基本的なHTMLやCSSでのカスタマイズ方法など、検索すれば大抵の情報が出てきます。そのため、よほどの場合でない限りはWordPressを利用するのがおすすめです。

WordPressでは以下2つの方法で、ECサイト構築や集客が可能です。

1.ECカート専用プラグインをインストールする
2.既存ECカートと連携する

WordPressには数百種類のプラグインが存在しており、ECカート専用のプラグインもインストールできます。

たとえば、「Welcart」と呼ばれる日本初のECカートプラグインなどは、利用料金が無料・完全日本語で利用可能です。
WordPressで構築したメディアと紐付けられるため、集客手段としても効果的です。

また、既存のECカートの大半がWordPressと連携できます。
MakeShopなどのカートASPであれば、WordPressとスムーズな連携が可能です。さらにECサイトとメディアを同じURLで運営できるため、メディア発信をおこないながら、EC運営もできます。

つまり、集客をしながら商品販売も可能です。ただし、管理画面が2つになってしまうため、管理がわずらわしくなる可能性が高いです。自由度が高く集客をしながら商品を販売したい場合は、WordPressと既存ECカートを連携するとよいでしょう。

まとめ

以前まではメディアとプラットフォームは別々の存在でしたが、インターネットの普及により一体型の、メディアプラットフォームが主流です。

本記事で紹介したnoteやWordPressなどは、メディアプラットフォームの先駆けとして存在しており、さまざまな形のビジネスを展開できます。
そのため、多くのECサイト運営に活用されており、ユーザーに対しての訴求も簡単です。

さらにECとメディアを同じプラットフォームに表示できるため、コンテンツマーケティングを用いた集客がしやすいです。
さまざまなニーズが存在する現代では、メディアプラットフォームを活用したビジネスが、必要不可欠と言えるでしょう。


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