ファッションアプリ利用率トップはユニクロ アプリ利用者の実店舗来店率は非利用者の2倍超
ロイヤル顧客の反応可視化ツールを提供する株式会社スパコロ(本社:東京都港区、代表取締役社長:林 秀紀)は、全国15~59歳1,934名を対象に実施した「ファストファッションアプリ利用についての調査」の結果を公表した。
コロナ禍の消費者の行動変化によって、オンライン(インターネット)とオフライン(実店舗)の垣根を超えて顧客に最適なサービスを提供するというようなOMO(Online Merges with Offline)の推進が加速するなかで、今回アパレル業界のファストファッションに焦点を当て調査を実施したとしている。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。
調査概要
調査方法:全国15~59歳を対象としたインターネットリサーチ
調査期間:2021年8月27日(金)~31日(火)
有効回答数:1,934名
※全国の人口構成に合わせたウェイトバック集計を実施
ファストファッションアプリのトップは「ユニクロ」
ファストファッション6ブランドのなかで、「ユニクロ」が最も公式アプリの利用率が高く、オフライン・オンライン問わず1年以内の購入率も最も高い結果となった。次いで、公式アプリ、購入率ともに高いのは「GU」。3位は「しまむら」が続く結果となった。
公式アプリの利用率では「ユニクロ」、「GU」が2強となっており、「しまむら」は、1年以内購入率は24.2%と「GU」と大差はないものの、アプリ利用率には顕著な差がみられた。
ユニクロアプリ利用者、実店舗来店率は非利用者の2倍超
公式アプリの利用者が最も多かったユニクロに焦点を当てている。公式アプリの利用の有無で実店舗の利用頻度を比較すると、アプリ利用者は非利用者に比べ、店舗利用頻度が非常に高いということがわかった。
アプリ利用者の半年以内実店舗利用率は79.0%。この割合はアプリ非利用者(30.3%)の2倍以上だ。1シーズン(3ヶ月に1回以上)の利用率でみると、アプリ利用者と非利用者間でその差はさらに大きくなっていた。
公式アプリ利用者は、非利用者に比べ顧客ロイヤルティが顕著に高い
次に顧客のロイヤルティを測る指標の1つであるNPS®(ネット・プロモーション・スコア)を用いて、公式アプリ利用の有無とNPS/推奨意向の関係についてだ。ユニクロのNPS®は、1年以内ユニクロ購買顧客における公式アプリ利用者で-10.1、非利用者で-29.0と、19.7ポイントもの差が生じている。アプリ利用者のロイヤルティは非利用者に比べ顕著に高いと言える結果となった。
注:ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標。また同社はNPS®をビジネス上のサービスとして外部に提供する企業ではない。
ユニクロ公式アプリの利用目的
では、ユニクロ公式アプリはどんな目的で利用されているのでろうか。利用目的トップ5は、スコアが高い順に「セール情報・チラシのチェックのため」(24.6%)、「クーポンをもらう・使うため」(22.9%)、「店頭・レジでバーコードを提示するため」(19.7%)、「ほしいファッションアイテムを探すため」(19.5%)、「値引商品のチェック・買い物のため」(19.2%)だった。
上位の傾向より、ユニクロ公式アプリは、主にセールやクーポンなどのお得さ、店頭でのバーコード提示、ほしいアイテムチェックのために利用されているということがわかった。
またユニクロ公式アプリのよい点やお気に入りのポイントについて自由回答で多かったものは、アプリの使いやすさやお得情報のほか、「在庫を店頭に行く前に確認できる/店頭受取ができること」や「サイズ展開が豊富なところ」などだった。とくに来店前に在庫を確認して店頭で受け取れることは、コロナ禍で便利だと評価されるポイントになっているようだ。
浸透するOMOモデルとアプリの威力
調査結果を受けて同社では次のように述べている。
「今回の調査では、ファストファッションのOMOに着目して調査を行いました。ファストファッション6ブランドのなかでみると、ユニクロが最も公式アプリの利用率が高く、アプリ利用者のほうが非利用者に比べ、頻度高く店舗を利用していることや、顧客ロイヤルティも高いことがわかりました。そして、ユニクロはアプリ利用によるお得さなどのメリット提供のほかに、このコロナ禍で実店舗での買い物を効率的にすませたい顧客に対して、アプリで在庫を確認できるメリットを提供し、評価されていることがわかりました。オンラインとオフラインの垣根を超えたマーケティングは、今まさに速いスピードで進化しており、新しい取り組みが次々となされているかと思います。このような変化が速い時代だからこそ、アンケート等を介し、消費者の声をいち早く、こまめにキャッチしてみてはいかがでしょうか」
広がりを見せるOMOモデル。その中でECビジネスを成功に導く上でもアプリを有効活用した差別化と囲い込み、顧客とのロイヤリティ構築は、さらに重要度を増すことになりそうだ。