Shopifyとは? 特徴から料金体系や機能を基礎解説

ECのミカタ編集部

Shopifyとは

Shopifyは、手軽にインターネットショップを開設できる、クラウド型のECプラットフォームです。

サービス概要


Shopifyは、ストア作成やバックエンド、マーケティングなど、ECサイトに必要な機能を全て備えたクラウド型プラットフォーム。常に最新のシステムやサービスを利用できます。

多様なテンプレートを使用しながら、オリジナルロゴの作成や無料の写真素材のダウンロードも行えるため、初めてECサイトを持つ方でも簡単にサイトの構築やカスタマイズが可能です。PCI DSSレベル1を取得しており、セキュリティ体制も万全です。

サービスローンチしてから、現在までの流れ


Shopifyは、2006年にカナダでサービスを開始。現在、世界175カ国で170万件を超えるビジネスをサポートし、流通総額は$2000億米ドルを超えています。

日本進出してから、日本国内での動き


Shopifyの日本法人が設立されたのは2017年です。2020年1月には日経新聞に取り上げられ、大きな注目を浴びました。国内ユーザー向けにローカライズ化が進められており、Shopifyを利用するEC事業者だけでなく、開発会社も増え続けています。

Shopify

Shopifyの特徴を紹介します。

アプリ


Shopifyは6,000種類以上のアプリと連携しています。既存の機能に加えて必要な機能を追加することで、自社の実態に応じたサイトを開設・運営でき、業務の効率化や最適化が期待できます。

テーマ


Shopifyには70種類以上の無料・有料テンプレートが用意されており、自社が展開する商品タイプなどにあわせてテーマを選択できます。

Shopifyテーマはモバイルサイズにも対応しており、顧客がスマートフォンなどでサイトを閲覧しても問題なく表示されます。

カスタマイズ


アプリで拡張機能を追加できるだけでなく、テーマカラーやフォントの変更、画像などのカスタマイズも行えます。テーマのカスタマイズは自社製品を使用しながら、無料で試すことが可能です。

外部連携


ShopifyはPOSや購入ボタン、販売チャネルなどとの外部連携に対応しています。販売チャネルではSNSやオンラインマーケットプレイスなど、以下のような媒体で商品を販売することが可能です。

・Facebook(Messengerを含む)
・Instagram
・Amazon
・楽天市場
・eBay
・Google Shopping

Shopifyアプリストアに追加された外部サービスアプリをダウンロードすれば、その他の販売チャネルの開設もできます。

海外向け


Shopifyはさまざまな言語・通貨・海外発送に対応しているため、海外向けECサイトの開設もスムーズに行えます。決済方法は全世界で100種類以上。配送方法も対象国のニーズにあわせて設定することが可能です。大手海外モールとも連携しているので、販売チャネルを簡単に獲得できます。

メリット

ここではShopifyのメリットを紹介します。

大規模アクセスに耐えられるサーバー


Shopifyのサーバーのアップタイムは99.98%。帯域幅とトランザクションに制限がないため、1分間に1万件以上の決済を処理することができます。アクセスが急激増加してもサーバーダウンすることがなく、安心です。

拡張性


Shopifyは機能の拡張性が高く、その多様なデザインとアプリの追加機能、APIによるシステム連携から広い支持を集めています。

デメリット

Shopifyの導入を検討する際には、デメリットも把握しておきましょう。

サポート体制が弱い


Shopifyのカスタマーサポートは、24時間・年中無休でオンラインチャット、電話、メールに対応しています。しかし、現在日本語に対応しているのはメールのみです。

ECサイトの開設や運営を行う中でスムーズな問い合わせを行うためには、英語力のある人材を確保しておく必要があるでしょう。

HTMLやCSSの知識が必要な場合がある


Shopifyのカスタマイズには、HTMLやCSSを使用します。詳細な設定や独自の機能、装飾を実装したい場合は、HTMLやCSSの知識が必要になります。

Shopifyのプラン内容

Shopifyには主要となる3つのプランと、カートボタンを設置する機能のみを備えたライトプラン、エンタープライズ向けプランの計5つのプランがあります。

主要な3つのプラン


Shopifyの主要プランは以下の通りで、それぞれ利用可能なサービスが異なります。プランはいつでも変更可能です。

その他のプラン:Shopify ライト、Shopify Plus


「Shopify ライト」は、既存のウェブサイトに購入ボタン機能を追加するプランです。
レポート確認やギフトカード発行などの機能は利用できますが、インターネットショップを構築することはできません。

「Shopify Plus」は、卸売店舗や複数店舗の運用など、大規模なサイトを立ち上げる場合に推奨されているプランです。Shopify Plusのみで利用可能なサービスは、以下の通り。利用には別途申請が必要です。

・スタッフアカウント数が無制限
・9つのストアが追加可能
・BtoBストアの構築
・Googleタグマネージャーの利用

Shopifyで使える機能について

Shopifyで使える機能をまとめました。基本機能として備わっているものと、アプリをダウンロードして利用するカスタマイズ機能とがあります。

フロント機能


Shopifyのフロント機能は次の通りです。

・商品ページ(商品一覧ページ、商品タグ等)
・カートとチェックアウトページ(ショッピングカート機能、メルマガ希望チェックボックス等)
・顧客管理(会員登録、注文履歴一覧表示機能等)
・ブログ(タグ、コメント等)
・その他(商品キーワード検索、お問い合わせフォーム等)

管理機能


Shopifyの管理機能は以下の通りです。ただし、プランによって利用できるサービスが異なります。

・基本設定(プライバシーポリシー、利用規約等)
・アカウント管理(パスワード認証、シングルサインオン等)
・オンラインストア(テーマ設定、ブログ機能等)
・販売チャネル(購入ボタン、卸売り販売等)
・ホーム(受注状況、売上状況グラフ等)
・商品管理(商品追加、在庫情報登録等)
・ロケーション(複数倉庫への在庫追跡、在庫割り当て)
・テーマ(テーマ利用、カスタマイズ等)
・決済方法(Shopify ペイメント、多通貨販売等)
・ドメイン(導入、移管等)
・配送(プロファイル、エリア等)
・料金(成立設定)
・注文管理(受注情報検索/一覧等)
・チェックアウト(会員登録の有効化/無効化等)
・顧客管理(お客様アカウント、パスワードリセット等)
・ストア分析(ダッシュボード、マーケティングレポート等)
・マーケティング(SEO改善、クーポンコード生成等)
・生産性向上ツール(CSVファイル、公開日時指定等)
・アプリ管理(インストール/アンインストール)
・コンテンツ管理(モバイル専用レイアウト設定等)
・システム情報設定(メンバー管理、セキュリティ―管理等)
・その他(商品登録数、無料のSSL証明書等)

料金

Shopifyのプラン毎の料金と、決済手数料をまとめました。
主要なプランとShopifyライトは、14日間の無料体験を行うことができます。

プラン毎の基本料金


プラン毎の基本料金は次の通りです。どのプランも月額料金となっており、初期費用はかかりません。

Shopify Plusの場合、月の売り上げが$800,000米ドルを超えた月の料金は、その月の売上の0.25%となります。

決済手数料


決済手数料は、契約プランや決済手段によって異なります。

決済手段

Shopifyはさまざまな決済手段に対応しています。
スマートな決済を行うには、「Shopify ペイメント」が便利です。

Shopify ペイメント


Shopify ペイメントは1度情報を登録すると、次回からの決済をワンクリックで行うことができる方法です。クレジットカード決済の他、「Apple Pay」「Google Pay」「Shop Pay」などの利用も可能になります。

Shopify ペイメントを利用すると、「すべてのプランで取引手数料が無料になる」というメリットがあります。

その他利用可能な決済手段


Shopify ペイメントの他には、次のような決済手段が利用可能です。
これらを利用すると、プラン毎に取引手数料が発生します。

・PayPal
・Amazon Pay
・KOMOJU
・Paidyあと払い
・携帯キャリア決済
・GMOイプシロン
・SBペイメントサービス
・2Checkout・CyberSource
・BitPay

導入事例

Shopifyは世界的なシェアを誇り、さまざまな国や業種で利用されています。
ここでは、導入している企業の一部をご紹介します。

主な導入企業


Shopifyの公式サイトでは以下のような企業が紹介されています。

・オリオンビール
・Kurasu
・Base Food
・twelvebooks
・amirisu
・かなでもの
・kinto
・COHINA
・17kg
・CALLMOON
・BONIQ

導入事例①:土屋鞄


土屋鞄では、日々変化する市場環境にタイムリーに対応するため、「Shopify Plus」を国内でいち早く導入。
高レベルなセキュリティを確保しつつ、購入に至るまでのデザインやUIを独自のものに改修することで、目指す顧客体験の提供を実現しているそうです。

導入事例②:objcts.io


革製品の製造と販売を手がけるobjcts.ioでは、ネットショップは「Shopify」で運用、ECと実店舗は「Shopify POS」で連携。
オンラインとオフラインのデータを蓄積、一元化することで、パーソナライズされたコミュニケーションを強化しているそうです。

導入事例③:小澤酒造


小澤酒造では、新しい販売チャネルを開拓すべくShopifyを導入。データのデジタル化を図ったことで、バックエンド業務の効率が格段に上がったそうです。

開発するためには

Shopifyはシンプルな操作性で、初心者でも簡単に運用することができます。
しかし、「詳細な作りこみをしたい」「オリジナルにこだわりたい」などの希望がある場合は、プロに依頼するという方法もあります。
ECサイト開設を外部に依頼するための方法をみていきましょう。

制作会社・開発会社に依頼


制作会社や開発会社に依頼する際の相場は次の通りです。

・導入サポート(アカウント取得、商品の登録等):50万円~
・オリジナルデザインのショップ制作:100~300万円
・大規模なショップ制作」300~1,500万円

Shopify expertに依頼


Shopify expertは、ビジネスを積極的に支援するデザイナー、開発者、コンサルタントのコミュニティです。Shopify expertと連携することで、サイトやマーケティング、ビジネス戦略などに関するアドバイスを得ることができます。

開発前に気をつけるポイント

ShopifyでECサイト開設する前に、気をつけておきたいポイントを紹介します。

コンセプトメイクを行う


ECサイトのコンセプトがきちんと確立されていると、その後のテーマ決定やカスタマイズの判断がしやすくなります。コンセプトメイクは、以下の観点で行いましょう。

①ターゲットを定義する
・属性(年齢、性別、居住地、家族構成、趣味等)
・嗜好(性格、願望、課題、ライフスタイル、よく見るサイトやブログ等)
・ビジネス属性(職業、業種、役職、年収等)
などを定めましょう。

②商品の提供価値を考える
ターゲット顧客に対して、商品を通してどのような価値を提供できるのかを考えます。

Shopifyの登録方法

Shopifyの登録方法をまとめました。

ストアを作成する


まずは14日間の無料トライアルに申し込み、アカウントとストアを作成します。

①Shopifyのホームページから、「無料体験をはじめる」をクリックする
②メールアドレス、パスワード、ストアの名前、希望するドメインを入力する
③アンケートに回答する
④ストアの住所を設定する

商品を登録する


ストアが作成できたら、管理画面から商品の登録を行います。
商品登録では以下の項目を入力します。商品数が多い場合は、CSVファイルでの一括登録も可能です。

・商品名
・商品説明
・商品画像
・価格
・在庫管理用のコード、在庫数
・配送設定
・商品重量
・関税情報
・商品バリエーション
・検索結果のプレビュー

テーマをカスタマイズする


商品が登録できたら、サイトをカスタマイズします。最初に、「テーマライブラリー」から好みや自社のコンセプトにあったテーマを選択します。次に、以下の機能の有無を決定・編集して、サイトの外観をカスタマイズしていきます。

・ヘッダー
・特集コレクション
・テキスト付き画像
・スライドショー
・フッター
・デバイスの変更

ドメインを購入する


最初に作成したドメインとは別に、サイトに来訪したユーザーに表示するドメインの購入を行います。

ストア情報を設定する


フロントエンドの設定を終えたら、バックエンドの設定を行います。ストア名やメールアドレスの編集やストアで使用する通貨の設定が可能です。

決済設定を行う


続いて、決済の設定を行います。Shopify ペイメントでクレジットカード決済等の支払いを受けるためには、詳細な情報を入力する必要があります。Shopify ペイメント以外での決済を希望する場合は、各アカウントとの連携を行います。

送料を設定する


Shopifyでは、地域に応じて異なる送料を設定することができます。その他、発送時のパッケージサイズや重量の設定、明細票のカスタマイズなどを行います。

契約プランを選択する


契約するプランを選択し、本契約をすると、実際にストアを利用して商品を販売することができます。無料トライアル期間が終了するまでは、月額料金は課金されません。


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