イーコンテクスト 送料サービス新メニュー、ローソン店頭で返金

ネット販売などに向け決済サービスを提供するイーコンテクストと10月8日から、大手コンビニエンスストア(CVS)のローソンと組み、「ローソン」店頭で通販商品やチケットなどの返金を現金で払い出すサービスを開始した。これまで展開してきた返金サービスは、顧客指定口座への振り込みが中心だったが、CVS店頭での現金受け取りを可能とすることで利便性を向上、従来取り込めていなかった通販・ネット販売事業者の開拓を狙う。一方のローソンでは、店舗への来店動機づけや現金の受け渡しによる"ついで買い"効果を期待しているようだ。

イーコンテクストでは、資金決済法に基づく資金移動業者登録を行い、2011年7月に通販商品や各種チケットの返金などに対応した送金サービス「CASHPOST(キャッシュポスト)」を投入している。今回のCVS店頭での現金引き出しは、同サービスの返金受取手段に新たなメニューを追加した形で、「現金払出しサービス」の名称で展開。取り扱い店舗は、全国の「ローソン」および「ナチュラルローソン」約1万店になる。

サービスの大まかな流れとしては、顧客から返品・返金の申し込みを受けた通販などの事業者(送金人)が「キャッシュポスト」側に送金情報を登録すると、顧客にメールやハガキで受け付け番号を顧客に送付。顧客は「ローソン」店頭のマルチメディア情報端末「Loppi(ロッピー)」に受付番号を入力、プリントアウトされたレシートをレジに持参すると現金が払い出される。

「ロッピー」でのサービス受け付け時間は午前7時から夜9時30分、レジでの現金払い出しは夜10時までで、払い出し金額の上限は9999円になる。

従来の「キャッシュポスト」は、申し込みから銀行振り込みまでオンライン上で行う形だったが、中高年層をメーンとする健康食品や化粧品通販事業者、カタログ通販事業者の顧客ニーズに対応しきれない課題があった。イーコンテクスト側では、オフラインのCVS店頭を返金受取窓口に加えることで、この課題を解消。大手の健食・化粧品通販事業者、カタログ通販事業者の開拓につなげる考えだ。

因みに、払い出し金額の上限を9999円に設定しているのはCVS側のセキュリティの事情によるもの。やや低めの設定という観もあるが、イーコンテクストによると、これまでの展開では、5000~8000円の利用が中心で、ニーズの大部分はカバーできると見ている。

なお、「ロッピー」を活用した「ローソン」店舗での現金引き出しについては、「ネットDE受取サービス」の名称で通販商品や航空チケットなどの返金サービスを手掛けるウェルネット(同・東京都千代田区、宮澤一洋社長)でも、同日から「コンビニ現金受取サービス」として展開を開始。ウェルネットでは、高額な航空チケットの返金利用が多かったが、CVS店頭サービスを加えることで、中小の通販・ネット販売事業者の開拓を図る考え。