FABRIC TOKYO、ブラックフライデーに合わせて“なかなか買えないECサイト”を期間限定オープン

ECのミカタ編集部

株式会社FABRIC TOKYOは、2021年11月18日(木)〜12月5日(日)の期間、大量の消費が生まれる世界的なセール「ブラックフライデー」に合わせて“なかなか買えないECサイト”を公開する。

「WHITE FRIDAY 2021」と銘打った本企画では、商品化されず生地工場や問屋に眠っていた生地を使ったオーダーアイテムを販売。生地ごとに紹介されている物語や作り手の想いなどへの共感メッセージをユーザーが入力することで購入ページへアクセスできるという、あえてワンクリックでは買えない仕組みになっている。

背景に価値ある生地の長期在庫化や廃棄処分

背景に価値ある生地の長期在庫化や廃棄処分

「WHITE FRIDAY」は世界的なセールの祭典「ブラックフライデー」に合わせて2018年から実施している、「商品化されず、工場に眠る良質な生地」を使ったオーダーアイテムをユーザーに届ける同社独自のキャンペーン。

日本のものづくりの工場では、想いを込めて作られた生地が、ブランド側の事情で商品化されず、そのまま長期在庫となり廃棄処分されてしまう現実がある。そのような課題にブランド自身が向き合い、眠っている価値ある生地をオーダーアイテムとしてユーザーに届けることを通じ、少しずつでも状況を改善することを目的とした取り組みが「WHITE FRIDAY」だ。

スーツを作る生地の場合、大量生産をする際は数千メートル単位の確保が必要となる。しかし、オーダーメイドでスーツ等のビジネスウェアを提供している同社では、数メートル単位で商品化ができるため、このような取り組みが可能となっている。具体的には、3メートルあればスーツ上下、2メートルあればジャケットを作ることができるそうだ。

あえて簡単にポチれないECサイト

ブラックフライデーは、「どんな店でも黒字になる」ことが名前の由来といわれるアメリカ発祥のセールの祭典。近年では世界的に広がりつつある一方で、大量消費・大量廃棄を招いているとして、ブラックフライデーを問題視する動きも出ている。

特に2020年以降は、コロナ禍での在宅シフトから、オンラインショッピングの割合が増え、さまざまなものをワンクリックで買うのが当たり前になっている。そんな時代のブラックフライデーに合わせて同社が公開したのが、“なかなか買えないECサイト”だ。

WHITE FRIDAY 2021では、高品質で希少性の高い19シリーズ、44種類の価値ある生地を紹介。生地ごとに掲載されている作り手の想いや、生産背景を読み進めた上で、ユーザー自身が共感コメントを入力することにより、オーダーアイテムの購入ページへ初めてアクセスできるという仕組みになっている。

オンラインショッピングの便利さ、手軽さから、つい衝動的に買ってしまう、いわゆる「ポチる」機会が増えている人も多い。同社では、1人ひとりのそのような消費行動が積み重なり、大量消費、大量廃棄の問題につながっていると考え、商品の個性と魅力を十分に理解した上で買い物をしてほしいという想いから、簡単には「ポチる」ことができない、買うまでに手間のかかるECサイトを作ったという。

価値ある19シリーズ、44種類の生地でオーダーメイド

価値ある19シリーズ、44種類の生地でオーダーメイド

WHITE FRIDAY 2021で紹介しているのは、厳選された高品質な生地ばかりだ。同社のスタッフが、日頃から付き合いのある3つの生地工場、3つの生地問屋に直接足を運び、生産者と対話しながら、日本、イタリア、イギリスなど世界的な生地の名産地で作られた19シリーズ、色柄のバリエーションを含め44の生地を発掘した。

中には、4メートルしか存在せず極めて希少性が高いものもあり、ナポレオン1世が絵画で着用しているジャケットの生地を再現するという壮大なプロジェクトから生まれた国産の生地、アラブの民族衣装のために作られた上質なウール、名水で知られる岐阜県大垣市の工場にて日本の職人が手がけた発色の良い生地など、バラエティに富んだラインナップとなっている。

本当に価値あるものを見つめ直すきっかけに

同社のWHITE FRIDAYに対しては、少量で残ってしまった良質な生地をユーザーに届けられる機会、あるいはものづくりへのこだわりや生地の魅力を知ってもらえる機会として生地工場からも期待が寄せられているという。また、ユーザーがサイト上で入力したコメントは生産者にフィードバックされるため、ユーザーのダイレクトな声が聞けることがモチベーションにつながっているそうだ。

ワンクリックで簡単に買えてすぐ届くECは確かに便利だが、モノや情報が氾濫する今の時代は、モノと向き合うことなく場当たり的な買い物を繰り返しているうちに、すっかり大量消費・大量廃棄の流れの中に組み込まれてしまう。

“なかなか買えないECサイト”は、1人ひとりが自分の消費行動を振り返り、本当に価値あるものを見つめ直すきっかけになりそうだ。

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