発送代行の料金・費用感は?料金の内訳と外注するタイミングも解説!
発送業務を外注化するタイミング
発送業務の外注化を検討するときに「導入のタイミングがわからない」と悩む方も多いでしょう。導入に踏み切るタイミングは企業によってさまざまですが、事業規模や商品単価などによっても変わるため、出荷数だけでは判断できません。
1ヶ月の出荷数が100件未満で外注化しているケースもあれば、1日数百件でも自社配送しているケースもあります。
具体的な外注化のタイミングは、以下の3つを目安にするとよいでしょう。
・社内だけでは発送業務が追いつかなくなった
・リソースをほかの業務にまわしたい
・コストを抑えながら事業を拡大させたい
発送業務は手間がかかる作業が多く、目に見えない損失が発生していることも少なくありません。社内の貴重なリソースを無駄にしないためにも、事業規模を拡大させたい、もしくは拡大してきたら発送代行を検討してみましょう。
発送代行でかかる費用内訳について
発送代行を利用するときに、もっとも気になるのがコストではないでしょうか。一般的な発送代行では、基本料金と呼ばれる「固定費」と、商品数や作業数に応じて料金が変わる「変動費」を足した金額が月額費用となります。
多くの発送代行では、どの事業者に対してもサービス内容と月額費用が一律の「定額制」を設定しています。利用内容や費用をカスタマイズできる「カスタム制」を採用している発送代行もありますが、特殊な要望がない限り、まずは「定額制」を採用している業者を選ぶとよいでしょう。
それでは、さらに詳しい費用の内訳について解説します。
業務管理費用
業務管理費用とは、預けている商品の管理全般にかかる費用のことです。一般的な発送代行では、毎月の出荷数によって金額が決まることが多いでしょう。
また、基本料金として計上するか、在庫管理や梱包作業などの作業を含めるかは代行業者によってさまざまです。毎月の出荷数が多い場合は、大口割引を設定している代行業者を利用するとコスト削減につながります。
システム利用料
発送代行が使っている、倉庫管理システム(WMS)の利用料です。倉庫管理システム(WMS)とは、商品の入出庫やロケーション管理などをおこなう倉庫管理システムのことで、一般的な在庫管理ソフトとは異なります。
自社と発送代行で倉庫管理システム(WMS)を連携すれば、入荷予定・出荷指示などの情報共有がよりスムーズになるでしょう。また、このシステムはリアルタイムで倉庫内の商品の動きを把握できるため、スピーディに正確な対応が可能になります。
しかし、すべての発送代行が倉庫管理システム(WMS)を導入しているわけではありません。Excelやオリジナルシステムで管理をおこなっている代行業者もあるので、利用前に確認してみてください。
多くの場合、業務管理費用とシステム利用料は合わせて請求されますが、念のため、発送代行会社に確認をとっておくとよいでしょう。
保管費用
保管費用とは、発送代行の倉庫で自社商品を保管するための費用で、業者によって単位や計算方法が異なります。代表的な単位と計算方法には、商品を置いている面積に応じた坪あたり月額○円や、1棚・1パレットごとの課金などがあります。
パレットの使用などでフォークリフト作業を要する場合、後述する入庫料とは別にコンテナ作業費用が加算されるでしょう。
また、一般的に倉庫の立地が街の中心に近いほど単位ごとの費用は高くなり、地方へいくほど安くなります。
倉庫の所在地によって商品を届けられるスピードや配送料が決まるため、事前にしっかり精査したいポイントです。
現在、翌日配送や送料無料などのサービスを提供している場合は、交通網が発達している場所を選ぶとよいでしょう。なお、温度管理を必要とする商品であれば、電気代などの光熱費も追加されます。
入庫費用
入庫費用とは、発送代行の倉庫に送った商品を所定のスペースに運び入れるための作業料です。入庫手段は宅配便・コンテナ・パレットを利用するのが一般的で、手段によって料金設定している業者が多いでしょう。
また、入庫の際の業務に「デバンニング」という作業があります。これは荷物をコンテナから取り出す作業になりますが、フォークリフトを使うなどの工数が増えるため、オプションとする業者がほとんどでしょう。
入庫の際には荷物の数量などの情報を倉庫側に知らせておきます。倉庫側が荷物を受取り、数量の確認や確保していたスペースに保管をすませたのち、実際に到着した商品数などを報告するのが一般的な流れとなっています。
検品費用
検品費用は倉庫に到着した商品を1つ1つ検品するための料金で、数量確認などの簡単な作業であれば、入庫料に含まれることもあるでしょう。一方、より正確性や専門性が必要な検品作業では、別途見積もりを作るケースが多いです。
専門性の必要な検品には電気を入れて動作確認するものや、アパレルのレンタル商品でのシミやほつれチェックなどが含まれます。検品内容によって料金が変わるため、事前に問い合わせておきましょう。
ピッキング・梱包(出荷)費用
注文が発生したときに保管場所から商品を取り出すピッキング作業と、出荷前の梱包作業にかかる料金です。倉庫に保管している商品数が多く、ピッキングの際に倉庫内の移動距離が長くなる場合は、追加料金が発生するケースもあります。
また、梱包料は資材だけの費用ではありません。商品を箱に詰める、壊れないように資材を詰め込む、ラッピング加工などの、作業代にかかる費用と捉えるほうがよいでしょう。なお、ピッキング料を「出庫料」という代行業者もありますが、両者は同じ作業を指しています。
配送費用
配送費用は、発送代行を通じて運送業者に支払う費用です。近年、EC利用の増加によって値上げの傾向がありますが、多くの発送代行は運送業者と割引契約しており、自社から発送するよりも安くすむことがほとんどです。
佐川急便・ヤマト運輸・日本郵便などの大手運送会社が一般的な契約先ですが、なかには地方の運送業者と提携している代行業者もあるでしょう。
また、発送代行が自前のトラックとドライバーを所有しているケースもあり、その場合は入庫から配送まですべての発送業務を請負ってくれます。
発送代行のメリット
EC事業の成長に欠かせない外注化ですが、「発送業務を外注化することで、どのようなメリットがあるのかわからない」という方もいるでしょう。ここでは、発送代行を利用することのメリットを解説します。
ECの運営業務など、売上に直結する業務に集中できる
発送業務の負担が大きくなるにつれて、運営などの売上に直結する業務がおろそかになるケースがよくみられます。EC事業への新規参入事業者は年々増えており、これから先、配送が早いだけでは競合他社との差別化を図るのは難しいでしょう。
そこで、発送業務のように社外でおこなっても問題ない業務を外注化し、あいたリソースをうまく回すことが大切です。これまで発送業務にかかっていたリソースを運営業務に投下することで、売上アップにつなげられます。
誤配送を減らせる・発送スピードが上がるなど発送業務の品質が向上
EC事業やネットショップを運営するうえで気をつけたいのが、誤配送や配送遅れによるトラブルです。自社発送の場合、作業ルールが徹底されていなかったり、ロケーションが最適化されていなかったりと、ミスが起こりやすい環境になっていることも少なくありません。
さらに、発送業務は工程が多く、ヒューマンエラーの起こりやすい業務といえるでしょう。しかし発送代行には、これまでの経験で培ってきたノウハウや、効率的なシステムが完備されています。
そのため、発送代行を利用することで誤配送を最小限に抑えられたり、スピーディに発送できたりと、発送業務全般の品質向上に期待できます。
在庫数の流れなどが見える化できる
常にリソース不足で「在庫数の流れが把握できない」「分析まで手が回らない」とお悩みの事業者も多いでしょう。EC運営を成功させるには、需要と供給のバランスを正確に把握するためのデータ作りが避けられません。
とはいえ、これまでの自社管理においてデータ化するための環境が整っていない場合は、設備そのものの変更が必要になり、結果的に多額のコストがかかることもあるでしょう。
一般的な発送代行では、預けている商品状況について定期的に報告してくれます。
代行業者からもらえる情報には「入庫から発送までのコスト計算」「在庫数の流れ」「回転率」などがあり、これらのデータをもらうことで、発送を通じた経営状況の把握が可能になります。
在庫数の流れなどが見える化できることで、設備を整えたりスタッフを増員したりすることなく、不要なコストを発見しやすくなるでしょう。
発送代行のデメリット
発送代行はメリットの多いサービスですが、一方で、デメリットもあります。導入後に後悔しないように、デメリットも理解しておきましょう。
自社内に物流に関するノウハウが溜まりづらい
発送業務の大部分を代行サービスにまかせると、自社内に物流に関するノウハウが溜まりづらくなります。万が一、何らかの理由で自社発送に切り替えたくなったとき、配送の品質を維持できなくなれば、経営にダメージを与えかねません。
発送業務のほとんどを代行業者に依頼している状態で、自社発送に切り替えるのはハードルの高い作業です。
そのため、将来的に自社発送していきたいと考えている場合は、倉庫内の見学を申し込んだり、研修をおこなったりと、社内にノウハウが残る環境を整えておきましょう。
発送代行業者に合わせたオペレーションが必要になる
発送代行の利用では、それぞれの業者に合わせたオペレーションが必要になります。自社業務の負担が減る一方で、代行業者の倉庫の営業日や出荷指示の締め時間が制限されるため、柔軟な対応が難しくなるかもしれません。
すでに社内独自のオペレーションを構築していても、代行業者を利用する際は業者の仕組みに合わせる必要があります。
お客様個別の要望に応えにくい
自社発送より柔軟な対応が難しくなる点では、お客様個別の要望に応えにくいことも挙げられます。多くの事業者がECに参入したことで、商品や価格競争だけで他社と差別化することは難しくなりました。
そこで、一人ひとりのお客様の要望に可能な限り応えて、顧客満足度をあげることがEC事業の成功を左右するといっても過言ではありません。
発送業務に関わるラッピング加工やメッセージカードの封入、当日配送や、追加注文などの急を要する状況に、どの程度対応してくれるかは発送代行によってさまざまです。
現在おこなっているサービスの品質をおとさないために、希望に沿った対応をしてくれる代行業者を選びましょう。
まとめ
今回は、発送業務を外注化するタイミングや発送代行でかかる料金について紹介しました。出荷数が少ない場合でも、発送代行を利用するほうが効率よく売上を伸ばせるケースもあります。
まずは発送業務にかかっている人件費や配送費用などと、代行業者を利用したときのコストを比較してみましょう。発送代行を利用することでメリットもデメリットもありますが、自社の発送業務の負担を大幅に減らせます。
EC事業をさらに拡大したい方は、発送代行サービスの利用を検討してみてください。
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