Amazon、『AWS Amplify Studio』を発表 最小限のコーディングでスピーディーなWebアプリ構築が可能に

ECのミカタ編集部

Amazon.com, Inc.(アメリカ・ラスベガス)の関連会社であるAmazon Web Services, Inc.は、AWS re:InventにおいてAWS Amplify Studioを発表した。

Webアプリの構築が数日で可能に

Amazon Web Services, Inc.は、AWS re:Inventにおいて、AWS Amplify Studioを発表した。最小限のコーディングでWebアプリケーションユーザーインターフェース(UI)を作成できるだけでなく、開発者が使い慣れたプログラミング言語(JavaScriptやTypeScriptなど)を使用してアプリケーションの設計と動作をフルにカスタマイズすることもできる新しいビジュアル開発環境だとしている。

現在、Nieman Marcus、Orangetheory Fitness、Credit Genieなどの顧客企業がAWS Amplifyを使用して、Webやモバイルアプケーションを強化するAWSサービス(データベース、コンピュート、ストレージなど)を構築およびデプロイしている。

AWS Amplify Studioは、AWS Amplifyの利点を拡張し、マウスだけで操作できるインターフェースで、アプリケーションのUIを作成し、アプリケーションを強化するためのAWSサービスをプロビジョニングすることができる。これにより今まで数週間かかっていたAWS上でのWebアプリケーションの構築が、包括的なツールが提供されたことで数日で行うことが可能になるという。

AWS Amplify Studioを利用することで、開発者はコードを書くことなく、あらかじめ用意されたコンポーネント(ボタン、ニュースフィード、ユーザー登録フォームなど)のライブラリーを使用してUIを作成し、ユーザーエクスペリエンス(UX)デザイナーと協力して、ビジュアルインターフェース上でUIをAWSサービスに接続することが可能になる。

AWS Amplify Studioを使用してUIを最終化すると、UIがJavaScriptコードやTypeScriptコードに変換されるため、数千行のコードを書く必要がなくなることに加え、Webアプリケーションの設計や動作の一部をフルにカスタマイズできる。AWS Amplify Studioを使用するための初期費用等は不要で、アプリケーションのバックエンドの実行に使用されるAWSサービスの利用分のみの支払いで済む。

柔軟性と利便性をあわせ持つ

クラウド上で動作するWebアプリケーションの多くは、ユーザーに馴染みのあるUI、Webアプリケーションの動作を定義するビジネスロジック、そして様々な重要な機能を提供するバックエンドのクラウドサービス(ユーザー認証、データベース、オブジェクトストレージなど)の3つの部分で構成されている。現在、開発者は、最新のWebアプリケーションを構築するために、通常2つの方法のいずれかを選択している。

1つ目の方法は、自分でアプリケーションコードを書くことだ。Webアプリケーションの設計と動作を精密に調整できるが、バックエンドサービスのプロビジョニング、ビジネスロジックの記述、UI構築でのUXデザイナーとの協力など、構築に数か月の時間と膨大な労力がかかることもある。

2つ目は、ローコードツールを使用してアプリケーションを素早く構築する方法だ。このようなツールでは、開発者がカスタムアプリケーションコードを書くことができず、JavaScriptやTypeScriptなどの一般的なプログラミング言語よりも制限の厳しい独自のフレームワークやプログラミング言語を使用しなければならないため、カスタマイズ性や拡張性が低くなる。

これらに代わって開発者が求めているのは、自身でプログラムを書く柔軟さと、ローコードツールの迅速さを組み合わせて、顧客に革新的なサービスを素早く提供するソリューションだ。AWS Amplify Studioを使用することで、開発者は最小限のコーディングでWebアプリケーションを迅速に構築できるだけでなく、使い慣れたプログラミング言語を使用してアプリケーションの設計と動作をフルにカスタマイズすることもできる。

AWS Amplify Studioのマウス操作だけで使用できるシンプルなビジュアルインターフェースでバックエンドを作成すると、AWS AmplifyによりAWSサービス(Amazon Cognito(認証)、Amazon DynamoDB(データベース)、Amazon S3(ストレージ)など)が自動的にプロビジョニングされる。

サービスのプロビジョニングが完了したら、AWS Amplify Studioを使用してWebアプリケーションUIを作成。AWS Amplify Studioを使用すれば、一切コーディングすることなく、あらかじめ構築されたUIコンポーネントのライブラリーを使用してUIを構築したり、AWSサービスのデータや機能をUIに組み込んだり、Figma(UIのデザインとプロトタイプに使用するツール)を使用してUXデザイナーと連携することができる。

UIが完成すると、AWS Amplify Studioにより自動的にJavaScriptコードやTypeScriptコードに変換されるので、アプリケーションの設計または動作をフルにカスタマイズして、より良いエンドユーザー体験を提供するための調整が行える。AWS Amplify Studioを使ってUIを作成すれば、何千行ものコードを書く必要がなくなるだけでなく、使い慣れたプログラミング言語を使用してアプリケーションの設計と動作をフルにカスタマイズすることも可能だ。

ニーズを満たせるゲームチェンジャー

Amazon Web Services, Inc. AWSプラットフォーム担当バイスプレジデントであるKurt Kufeld(カート・クフェルド)氏は、次のように述べている。

「スケーラブルなWebアプリケーションのバックエンドを簡単に構築できるだけでなく、UIの作成においても高速で柔軟な開発環境を使用できることから、AWS Amplifyは開発者から好評です。事前に構築されたコンポーネントを使用してUIを素早く簡単に作成した後は、使い慣れたプログラミング言語でUIをフルにカスタマイズできます。AWS Amplify Studioはまさに、開発者のニーズを満たすことのできるゲームチェンジャーです。AWS Amplifyにより、直感的かつ包括的なワークフローを使って、AWSで動作する堅牢なバックエンドの設置からダイナミックUIの作成まで、Webアプリケーションの構築を数週間から数日に短縮できるため、開発者は新しいイノベーションをエンドユーザーへ迅速に提供できます」

AWS Amplify Studioは、米国東部(オハイオ)、米国東部(バージニア)、米国西部(カリフォルニア)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(ムンバイ)、アジアパシフィック(ソウル)、アジアパシフィック(シンガポール)、アジアパシフィック(シドニー)、アジアパシフィック(東京)、カナダ(中部)、欧州(フランクフルト)、欧州(アイルランド)、欧州(ロンドン)、欧州(パリ)、欧州(ストックホルム)、中東(バーレーン)、南米(サンパウロ)において、すでにプレビュー利用ができる。他の地域でも近日中に開始予定だ。

Rivianは、持続可能な輸送に注力する、電気自動車メーカー兼自動車技術企業だ。RivianのソフトウェアエンジニアであるArunkumar Chandran氏は、次のように述べている。

「クラウドにおけるDevOpsの複雑さを解消し、展開サイクルを2週間から2日に短縮でき、さらに、サーバーレスなどの新技術が簡単に導入できるようになるため、当社はAWS Amplifyを使用してサプライチェーン管理アプリケーションを構築することに決めました。AWS Amplifyのメリットをフロントエンド開発プロセスにまで展開できるようになるため、AWS Amplify Studioのリリースをとても楽しみにしています。AWS Amplify Studioでは、シンプルなビジュアルインターフェースでUIをすばやく簡単に構築できるため時間の節約になり、それでいてコードを記述することもできるため、エンドユーザー体験をフルにカスタマイズできます」

QsrSoftは、飲食業、接客業、小売業の顧客を成功に導くためのソリューションを開発する、SaaS企業だ。QsrSoftの開発ディレクターであるAdam Pehas氏は、次のように述べている。

「当社が開発したQsrSoft TVは、ゲーミフィケーション、リアルタイムコミュニケーション、従業員認識プログラムにより顧客エンゲージメントを向上させるための新しい業務管理ツールです。AWS Amplifyを使用して開発を行い、アプリケーションの短期間での作成、市場への迅速な投入、完全サーバーレスのアプリケーションスタックの性能とスケーラビリティの活用を達成することができました。AWS Amplify Studioのあらかじめ構築されたコンポーネントライブラリーと、直感的なビジュアルインターフェースを使用すれば、開発期間を短縮し、付加価値を高め、お客様に新しい機能を提供することができるでしょう。AWS Amplify Studioは、当社の認知度を高め、顧客企業の従業員のモチベーションを高め、優れた運用を達成するのに役立つはずです。」

Xerris Inc.は、メディア、エンターテイメント、エネルギー、公共機関、小売企業向けのテクノロジーソリューションを提供することに特化した、AWSアドバンスドコンサルティングパートナーだ。XerrisのCTOであるJonathan McCracken氏は、次のように述べている。

「当社の開発チームはAWS Amplifyにより革新的なアプリケーションを開発しています。AWS Amplifyを使用することで、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションを迅速に構築し、素早くイテレーションを行い、拡張性を確保したスケーラブルなクラウドサービスを使用して市場に展開できるため、顧客のニーズの変化に合わせてAWSの幅広い恩恵を受けることができます。AWS Amplify Studioを使用することを楽しみにしています。開発チームとUXデザインチームがシームレスに連携し、顧客のニーズを満たすアプリケーションを迅速に開発できるようになります。AWS Amplify Studioにより、開発時間を削減できるだけでなく、エンドユーザー体験を最適化するための柔軟性も得られるでしょう」

アマゾン ウェブ サービス(AWS)は約 15 年で包括的かつ幅広く採用された世界的クラウドサービスに成長している。AWS は、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーキング、分析、機械学習および人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、モバイル、セキュリティ、ハイブリッド、仮想現実(VR) および拡張現実(AR)、メディア、そしてアプリケーション開発、展開および管理に関する 200 種類以上のフル機能のサービスを提供。

AWSのサービスは、アジリティを高めながら同時にコストを削減できるインフラエンジンとして、急速に成長しているスタートアップや大手企業、有数の政府機関を含む多くの顧客企業から信頼を獲得している。そのAWSに新たな1ページが加わった。今後もEC事業者をはじめとした顧客視点で、さらなる機能強化がなされることに期待したい。

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