日本で「セール いつ」の検索が80%増、Google検索から2021年の日本・アジア太平洋地域のトレンドを振り返る

ECのミカタ編集部

Googleは、2021年の検索動向から、日本とアジア太平洋地域 (中国を除く)の 生活動向に関するレポートを公開した。本レポートからは、コロナ禍で必要に迫られて、各種オンラインサービスを利用し始めた人々が、現在では、スピード・利便性・価格などの理由で、積極的にオンラインを利用している様子がうかがえる。

日本で「セール いつ」の検索が80%増加

コロナ禍2年目となった2021年は、家計への見方にも変化が見られた。副業や投資で収入を増やす人もいれば、お得な情報や割引などで支出を減らそうとする人もいる。

日本では「セール いつ」の検索が80%増加し、その関連ワードの上位にECサイト名が複数あることから、よりお得なオンラインショッピングを求める様子が見てとれる。またアジア太平洋地域のインド、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムでは、「お得な情報」「割引」「クーポン」の検索が110%以上の伸びを示している。

生活者はより進化したEC関連サービスに期待

2021年時点では、アジア太平洋地域(中国を除く)の生活者の約半数が「必要なものがオンラインで購入できる場合は、店舗に行く必要はない」と考えている。また、オンラインショッピングに慣れ親しむにつれ、生活者はより進化したサービスに期待するようになってきているようだ。

日本では「ライブコマース」の検索が75%以上増加。これまでの一方通行的な買い方ではなく、よりインタラクティブで多くの情報を得られるようなショッピング体験への関心が高まっていると考えられる。

オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、フィリピン、インドで特徴的なのは、配送に対する期待の高まりで、「当日配送」の検索が最大70%増加。インド、タイでは「無料配送」の検索関心が最大60%増加している。

オンラインでのギフト購入ニーズが高い

アジア太平洋地域(中国を除く)では、オンライン人口の半数以上がオンラインで誰かにプレゼントを買ったことがあり、その割合は世界のどの地域よりも高いとされている。

日本では、デジタル上でのギフト体験を模索する様子が見られ、「オンライン・ギフト」の検索が40%増加している。インドネシアでも「ギフトボックス」や「スナックギフトボックス」の検索が増加。オーストラリアでも同様に、ギフトの配送に関する検索が20%増加している。

キャリアを見直す動きも活発に

日本とアジア太平洋地域(中国を除く)では、感染症の拡大をきっかけに人生を見直す機運が高まり、キャリアを考え直そうとする動きが活発になっている。

調査によると、アジア太平洋地域(中国を除く)の就業者の47%が雇用主の変更を検討、56% がキャリアチェンジを計画していて、他の地域と比較しても高い数値になっている。

実際に、オーストラリアやニュージーランドでは、「辞表」の検索が 25% 以上増加。インドでも同様の傾向が見られた。日本でも「自己都合退職」の検索が30%以上増加しており、同時に「副業」の検索も10%以上増加している。

フィリピン、インドネシア、香港では、「新しくビジネスを立ち上げる」「小規模ビジネス 助成金」など起業関連の検索が最大175%の伸びを示している。

新たな価値を積極的に模索する生活者

本調査結果からは、コロナ禍でEC利用がこれまで以上に身近になる中、主体的にお得な情報を求めたり、ライブコマースなどの双方向性のあるEC体験を模索したりと、「家に居ながらにして必要なものを買う」以上の付加価値を積極的に求める生活者の様子が垣間見える。

また、キャリアを見直す動きが活発化していることからもわかるように、コロナ禍での生活環境や社会常識の変化は、多くの人々にとって既存の価値観を問い直すきっかけになっているようだ。

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