LIFEをテーマにLINEが大型進化 交流を軸に収益機会を拡大

LINE株式会社は10月9日、同社が運営する無料通話・無料メールスマートフォンアプリ『LINE』(ライン)について、事業戦略発表イベント「LINE CONFERENCE TOKYO 2014」を開催。今イベントでは「LIFE」をテーマに、LINEがオンライン・オフラインの垣根を超え、より生活に密着した存在になることを目指し新サービスや新機能、パートナーシップ戦略および今後の事業構想を披露した。

LINEはコミュニケーションツールとしてスタートし「LINE MALL」でC to C、そしてB to CのECサービスに進出。良い商品とそれらを販売する人との出会いを通じ、共感や感動体験が繋がっていくようなショッピング体験で、コミュニケーションとECを結びつけるようなサービスと表現していた。またゲームやスタンプショップでもコミュニケーションを活用したビジネスモデルを形成し、拡大を続けている。今回の「LIFE」というテーマに込められた新しいビジネスモデルの狙いは何なのか。

発表された新サービス

発表された新サービス

■LINE Pay
関係サービス、提携店舗やアプリ内における支払いを行うことができる決済システム。クレジットカードや事前チャージすることにより利用可能となる。
友だち同士での「割り勘」「送金」「出金」機能などLINEならではの機能を備える。

■LINE TAXI
専用公式アカウントから、いつでも日本交通のタクシーを呼ぶことができるサービス。支払いは「LINE Pay」で済ませることが可能。

■LINE WOW
LINE初のオンデマンドECサービス。第1弾は限定プレミアムランチを提供するフードデリバリーサービスを展開する。

■LINE@ ID/LINE@アプリ
すべてのLINEユーザーが取得可能なもう1つのLINEアカウント。飲食・アパレル・美容・宿泊施設などの実店舗を持つ法人およびメディアや行政のみが利用対象となっていたが、今回のリニューアルを通じ、実店舗を持たない法人や個人が様々なシーンで利用可能となる。

■LINE Maps for Indoor
ショッピングセンターなどの商業施設内ナビゲーションに特化した地図アプリ。日本語を含めた5言語に対応し、海外から日本に来るインバウンド観光者などへのニーズにも対応する。

■LINE ビジネスコネクト
LINEのメッセージ送受信機能を企業向けにAPI経由で提供し、各企業が自社のCRM基盤としてLINEを活用することが可能になるサービス。ユーザーごとに最適化されたメッセージ配信を実現し顧客との日常生活における接点の拡大を狙う。

■LINE公式ブログ
アーティストやタレントなどの著名人が参加することのできるブログサービス。LINEのプラットフォーム上で広くプロモーションや物品販売を行う機会を得ることができる。

■LINE有料公式アカウント
著名人が、当該公式アカウントの購読者を対象に、限定した情報の配信を行うことのできるサービス。よりコアなファンに向けて深い情報を提供し、ファンクラブ組織として活用することが可能。課金手法として「LINE Pay」との連携を予定している。

コミュニケーションを軸とした収益機会の拡大

コミュニケーションを軸とした収益機会の拡大

当日発表されたLINEの最新状況では、2014年9月末日時点でのLINE登録ユーザー数は世界で5億6千万人に達し、月間のアクティブユーザー数は世界で1億7千万人以上となった。
現在展開しているスタンプの総数は2万セット以上となり「LINE Creaters Market」の登録ユーザー数は23万人以上で、ダウンロード数上位10位スタンプの平均販売額(5月8日〜9月30日)は3,090万円だという。

この他にもエンターテインメントプラットフォーム領域に関する新たな発表もあり、大変な進化を予告した発表会。コミュニケーションを軸とした新たなサービスで更なる新規ユーザーを増やし、収益の機会を増やしていこうとする同社の狙いは相変わらず鋭くブレていない。今回登場した新しい決済システム「LINE Pay」は、更なるつながりを増やし大きな収益を期待させる。
また、すでに国内でもスマートフォンを利用しハイヤーを手配できるサービス「Uber」を追従する形で登場した「LINE TAXI」も気になるところ。丁寧な接客や、上質な自動車でプレミアム感を謳う「Uber」と異なり、いわゆる普通のタクシーを呼べ「LINE Pay」を利用できる気軽なコンビニエント感覚は魅力的だ。