アドビが2022年1月のオンラインインフレ率は2.7%と発表、食料品が前年同月比5.8%増と最も高い伸び

ECのミカタ編集部

Adobe(Nasdaq: ADBE)(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ)は、米国における最新(2022年1月時点)の「Adobe Digital Price Index(DPI)」を発表した。

1月のオンライン価格は前年同月比2.7%増

「Adobe Digital Price Index(DPI)」によると、2022年1月のオンライン価格は前年同月比で2.7%、前月比で1.1%上昇し、20ヶ月連続でインフレを記録。2021年12月の価格上昇(前年同月比3.1%増)は、過去最高の売上高となったホリデーシーズンに貢献し、11月のオンライン価格は前年同月比3.5%増となった。

1月には、食料品が前年同月比5.8%増(前月比1.2%増)と最も高い伸びを示し、2年連続でこのカテゴリーのオンライン価格が上昇したことがわかった。

医療機器・用品は前年比8.2%増(前月比0.1%減)と引き続き高止まりで、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大に伴い、前年同月比で過去最高の価格上昇を示した。一方で、エレクトロニクスの価格低下が継続している(前年比3.4%減)。

18カテゴリー中13カテゴリーで前年同月比の価格が上昇

DPIは、米国の消費者がオンラインで商品を購入する際の価格を包括的に示した指標だ。Adobe Analyticsを使用して、エレクトロニクス、アパレル、家電製品、書籍、玩具、コンピューター、食料品、家具・寝具、工具・ホームセンター用品、家庭用品・園芸用品、ペット用品、宝飾品、医療機器・用品、スポーツ用品、パーソナルケア用品、花・関連ギフト、非処方箋薬、事務用品の18カテゴリーを対象とし、1兆回の小売サイトへの訪問と1億個以上のSKUを分析している。

2022年1月時点において、Adobe Digital Price Indexが調査している18カテゴリーのうち13カテゴリーで前年同月比の価格が上昇しており、中でもアパレルがほかのカテゴリーよりも高い上昇率を示している。一方で、エレクトロニクス、宝飾品、書籍、玩具、コンピューターの5カテゴリーでは値下がりがみられた。

前月比では、18カテゴリーのうち15カテゴリーで値上がりを記録した一方で、医療機器・用品、花・関連ギフトの3カテゴリーでは値下がりがみられている。

22年1月のDPIで注目の商品カテゴリー

食料品の価格は前年同月比5.8%増(前月比1.2%増)。このカテゴリーにおける年間ベースで最高の上昇率となり、新型コロナウイルスのパンデミックが発生した年である2020年10月の最高値(前年比5.2%増)を上回った。食料品のオンライン価格は1月時点で24ヶ月連続の上昇を記録しており、消費者が実店舗で支払う価格を反映した消費者物価指数と同じ傾向を示す唯一の商品カテゴリーとなっている。

オフィス用品のオンライン価格は8ヶ月連続で下落または横ばいとなった後、1月には前年同月比1.5%増(前月比2.2%増)となりました。新型コロナウイルスの変異株の出現によって、多くの消費者が引き続き自宅で仕事をすることを選択し、ホームオフィス向け製品の需要と価格が上昇した。

エレクトロニクスの価格は前年同月比3.4%減で、オンライン価格が前年同月比2.6%減だった12月に比べて下げ幅が広がっている。また、アパレルの価格は前年同月比15.8%増(前月比1.7%減)で、2021年11月に前年同月比17.3%増、12月に同16.6%増を記録したホリデーシーズン中と比べると低下している。

アメリカ労働省が発表した1月の消費者物価指数は、前年同月比で7.5%上昇し、約40年ぶりの高水準となった。

一方、日本では一部商品の値上がりが取り沙汰されてきたものの、全体で見れば30年以上にわたってデフレが続いてきたため「インフレ」と言われても実感が湧きにくい。しかし、今後の世界情勢やアメリカの金融政策が日本経済に影響を与えるのは必至であり、注視が必要だ。

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